増しよ
のったらのったら歩くカオちゃん。
ルイとイクヨちゃんと別れて、帰り道の分岐点の三叉路まで、延々と飯尾先生の優しさと保険詐欺女の狡猾さを説かれたわ。
カオちゃんから。
あぁ、1日が長いわ。
カオちゃんのお話に興味が無さすぎて。
「次にまた、よい人が居るわよ、じゃぁねぇ」
三叉路でカオちゃんと別れて、お家に帰るわ。
今日は、学校でドラウト達、どぶねずみ一族を一瞬も視なかったわ。
なんて良い日なのかしら。
最後にカオちゃんが、愚痴で全てぶち壊しにしてくれたけど。
「ただいま、ママ」
庭先に居たママに声をかけて、お家に入るわ。
手洗いうがいおやつを済ませて、お部屋に戻る……!
増えてるぅぅ!
青みがかった綺麗な灰色のどぶねずみと、なぜか緑色の亀が、空中をフワフワしてるぅぅ?
「シンデルの実弟のシーンディル(Scenedhiru)です。捕まりました、無力加されました。不味いですから食べないで下さい」
涙でぐちょぐちょな青灰色どぶねずみに、すがり付かれたわ。
「鼈タイプ次元妖精のプランジャー・ラバーカップ(Plunger Rubbercup)と申します。今回、此に封じられました。鼈タイプですから、覚悟は出来ていますが、踊り食いは勘弁して下さいよぅ」
何で、揃いも揃って、あたしに食われる妄想をして怯えてんのよ!!
「あんた達なんか、食べないから!」
言ってやったわ。