身代よ
「保健室からもらって来た」
トイレに現れたイクヨちゃんは【大森製薬のブゥピタットB・すぐ効くチュアブル】を個室の中のカオちゃんに、上から投げ渡したわ。
「あでぃがど」
ブビィビブ。
カオちゃんが御礼の二重奏ね。
「あたし達は、戻ってるからね」
あたしとイクヨちゃんは教室に戻ったわ。
「ねぇ、カメリア様どうしたの?」
教室つくなり、クラスの自称イケてる女子石富都卯菜が、近づいて話しかけて来たわ。
camellia様?
カオちゃんが椿様?
「あぁ、今回もニックネームまんまに、ガスが停まらなくてトイレよ」
イクヨちゃんが何か説明してるわね。
「呑気症も大変よね。でも、カメリア様が居るから、私達も助かってるのよ。これからも頼むわ。その為にクラスメイト女子が団結して、カメリア様が、大変な委員会や係りにされないように立候補してるんだから。カメリア様に何時も皆と一緒に居てもらえないと、モヨオシタ時に困るもの。あなた逹も何時もありがとう」
何か、真剣に握手されちゃったわ。
「……はぁ?」
「これからも任せて。あたし逹に」
次にイクヨちゃんとツウナさんが、がっちり握手をしてるわ。
意味がわからないわ?
ノッソ、ノッソとカオちゃんが戻って来て言ったわ。
「……もう、ふたりの仲は終わったの」
衝撃の発言よ!
でも、何故?
「それは、大変ね。みんな貴女が元気に毎日登校して来るのを切望してるんだから」
ツウナさんが、真剣にカオちゃんの手を取って言ったわ。
あたしには意味がわからないわ。