へ。よ
ルイと顔を見合わせちゃったわ。
『外見だけ良い兄弟って言われた?』
そうね。
見た目だけで中身が伴って無いのかしら?
あたし逹の兄弟って?
まぁ、確かに、かなり中身はアレだわね。
『中身がアレだから、そういう風に見えるんだろうね。困ったことに。ハァァ』
ルイと同じタイミングでため息が出ちゃったわ。
「ウァァアアァァン!」
涙で頬を濡らしたカオちゃんが、教室に走り込んで来たわ。
そのまま自分の席に座って、机に突っ伏したわ。
「どうしたの?一体?」
イクヨちゃんが、カオちゃん背中を、つついたわ。
ブゥゥウッッ。
この音色は!?
ブッブゥゥウブブッ。
この硫黄臭は!
「ね、トイレに行こう」
あたしは、そう言ってカオちゃんを立ち上がらせて、トイレに誘ったの。
ルイはイクヨちゃんと頷き合うと、教室を走り出したわ。
ブウゥ。
カオちゃんのこれは、エナリよ。
壊鳴り。
腸内のガス溜まりが【壊】れて、出口を振動させ音を【鳴り】響かせながらせながら、空気中に放出される生理現象よ。
漢字だと【ノ】と【ロ】と【ヒ】が2つであらわされて、数字の【7】に似た雰囲気の文字で発音されるのよ。
そういえば、カオちゃん、さつま汁と大学芋を3回もおかわりしてたわね。