三秒間の凄く不思議 SF of the Three Seconds
三秒間で、アナタは何を残しますか?
考えながら読んで頂ければありがたいです。
盛り上がりシーンでのお勧めのBGMはなるたると云うアニメのOP『日曜日の太陽』です。
三秒で何が出来るだろう。取りとめも無く、私はそんなことを考えていた。
たとえば男性なら、痴漢冤罪をかけてくる女子高生と、そうと知らないで幇助する正義の味方気取りのサラリーマンやOLを振りきって逃げ切れるかもしれない。
たとえば女性なら、簡単なメイクの準備くらいパパッと済ませながら仕事の用意をすることが出来るかもしれない。
たとえばプラモデラーなら、プラ板に下書きを起こしてPカッターを手に持っているだろうか。
たとえばプログラマーなら、簡単なプログラムの計算が頭の中に準備できるだろう。
たとえば主婦なら、献立を決めて費用の計算に移りだす頃だろうか。
たとえば無職のニートなら、パソコンに向かって愚痴りながらアニメでも見ているだろう。
たとえば――――
たとえば、私はどうするだろう?
□
始業式とデカデカと書かれた、毎年同じ物を使っているのだろう薄ら黄ばみ始めている看板を通り抜けて、校舎の中を通り抜け、多数の同級生たちとともに始業式に参加し、恙無く終わる。
いつも通りの日常だ。また学校が始まって、大して親しくも無いトモダチと仲良しごっこに興じ、成績さえ取れていれば何も言われない生活をだらだらと続け、そうしていつの間にか無精力に大人になっていく。きっと、子供のままで。
一部の汚れた政治家と一部の汚れた医者の子供はそのまま汚れた大人になり、数字しか見えない人間は己の社会的地位と数字の大小で人間を決めるようになる。
子供のまま大人になって、良い大学を出たことだけが取り柄の奴は、自分の行動で大学の名誉を汚すばかりか己の社会的地位を下げる。
または、こんな筈ではなかったと言って幻想と非現実を生み出す小さな猫箱に齧りついているか。
大学に行くことが、必ずしも良いことなのだろうか? 心を養うことをせずに大人になることは正義なのだろうか?
彼女は自分が半ば以上に捻くれている自信を持っていた。可愛げがないと自覚しながらもそんな物だと諦め、やがて変わる努力を止めた。
物ごとのウラオモテが見えて、見えているふりして知らない振りしているか見えていない人間の分の責任まで受け取らされている。そんな風に感じる様な十年と七年ほどの人生だ。そういうのを続けて行けば疲れてくるのは当然だし、捻くれるのもしょうがないことだったのかもしれない。
そんな彼女にも、やはり春と言うのは来るのだろうか――何処か冷静な彼女が馬鹿らしいと嘲りながら、何処か熱病に犯された彼女はそれを目で追っていた。
特に容姿が優れているわけでもなく、成績が良いわけでもない。普通、平々凡々だ。アニメなら描写すらされなさそうな、十人中十人の顔。端的に、彼女は恋していた。何故かは本人にも分からない。ただ、気が付けば恋をしていた。
代わり映えのしない日常は彼女を腐らせていく様な気がして、その中で片思いという非日常に片足を突っ込んでいるような感触は何処か心地よく、だから関係を発展させようと言う考えすらも思い浮かばなかった。
端的に怖かった、拒絶されることが。対して親しくも無い相手なのだから尚更、拒絶された場合彼女は自分の身の振り方が分からなくなってしまう。そういう未知が恐ろしかったのだ。
やがてそういう関係を意識しだすと、何気ないクラスメイトの恋話にすら神経を尖らせて、自然と“告白”という二文字がチラつく様になっていた。
この世でただ一人好きになれた存在を逃せば次は無い、そういう強迫観念にも似た思いは段々と、日を追うごとに強くなって、無意味な脳内練習は三桁に達する回数がこなされた。
始業式の今日、恐れなどを振りきってみようと言う思いは最高潮に達し、比較的仲の良いクラスメイトからの誘いを断り、気を落ち着かせていた。
彼女が特に何となしに机に手を伸ばした時、広くもなければ狭すぎるわけでもない机の中の小さいスペースの奥、爪の先に何か胡桃のような硬質な何かが当たった。
「――あれ?」
もちろん彼女にはこんな物を入れた覚えは無い。となれば前の持ち主の忘れものだろうか。忘れた奴は大層間抜けだと思いながら、後でそれを職員室に届けるためにスカートのポケットにしまった。
出鼻を挫かれたと感じ、胡桃の入っている右ポケットを若干ジト目で睨みつけながら彼女は立ち上がり、振り返りながら歩き出す。
そう、これは胡桃のせいなのだ。彼女は悪くない。それがミサイルの到達三秒の前の行動となってしまったのも、彼女のせいではない。
そう、これは胡桃のせいなのだ。彼女は――悪くない。
――Time Dived Transpotation Device 通称TDTpD 起動
時間遡航システム 起動 所有者データの認証 開始
所有者データ照合 所有者データ“TS330011-Takeru Sazanami”の確認を開始
エラー 再試行プロセス 開始
再試行コード自動認証 認証コード“Oh, I'm Scary”
所有者データ再登録 現所有者を“■■-■■■”に再設定
以降 所有者の時間遡航意思が確認されるまでの間 ハイバネーションモードに移行します――
……一秒
目的の人物の目の前にまで移動する。再び意識が高揚してきて、自慰の興奮にも似た気持ち悪いまでに心地よい悪寒と快感が背筋を走る。
皮算用だとは理解していても、それを期待せずにはおれない。“これだけ己が好意を寄せているのだから”という非論理的かつ非常識的な考え方と普段は切り捨てる筈が、捻くれ者も恋には勝てないのかと、若干ばかりの自問自答と共に『そういうのも“ありじゃないか”』と認めてしまえる彼女がいた。
恋が人を変えるのか、人が恋に価値を見出すのか――どちらも彼女には分からないことだし、分かる必要は無い。感じられているこの全てが答えなのだから。
何かに諦めて生きて行くことに疲れたと言えばその通りだが、それで死のうと思えるほど能動的でも無かった。その倦怠感を破って好意を抱かせ、先ほどから論理的ではない行動を取らせている。
端的に、彼女は希望を持ちたかった。好かれることに、好き合うことに、そういう生物としてはごく当然のことに希望を、何より“幸せ”を持ちたかった。
だからだろう――自慰のように彼とそのような関係になることを夢想するよりも、行動してみたくなったのだ。
……二秒
男友達と談笑する彼の目の前に立ち、怪訝そうにこちらを見やる彼に逸る気持ちを抑えながら。顔面が紅潮して行くのを感じながら彼女は彼に声をかけた。それは一種の公開処刑の様で、けれど行動しなければ何も変わらないから。
心臓が耳鳴りと共に煩く鳴り響かせる潮騒は呼吸に紛れずに彼女の耳の中で乱反射していく。
「あの……小波くん――」
……三秒
続きを言おうとしたその時、校庭側で何かが爆発した。その爆発は余裕で校舎側にまで波及して窓ガラスを割り、壁を半壊させた。
煙に満ちた教室、机や椅子と思しき物、壁の破片が散乱し、大多数の生徒が死亡している中で、運良く彼女と数人の生徒たちが生き残っていた。
生き残っているとは言っても、彼女の体には幾つもの破片や机のパイプと思しき物が刺さっていて、とてもではないが息が長い様には見えなかった。それは他の生き残りにしても大なり小なりそうで、生き残った数人の内適切な処置さえ施されれば後遺症は残っても生存出来そうなのはほんのわずかだった。
朦朧とした意識の中で、痛みすら最早分からないなかで、彼女は目の前にいた筈の彼を探し――そして見つけた。頭が半分無くなった彼の死体を。
見つけた瞬間、彼女は思った。時間が巻き戻るのだったら、巻き戻せるのなら、巻き戻すことが可能ならばもっと関わりたかった。告白してしまって、そういう関係にまで発展したかった。
今際の際の思いは強く、結局こういう終わり方なのかと絶望した。結局こうやって責任を果たさせられるのか。
――いやだ。そんなの認められない。ようやっと人間らしい感情を持てたのに、ようやっと正直になれたのに――
その強い気持ちはやがて渇望となり、何よりその不条理さを嘆いた。
なぜこうも運が悪いのか。なぜこうも貧乏くじばかりを引かされるのか。なぜこうも、儘ならないのか。
全ては自分が自分の身体を雁字搦めに縛り上げたことが原因と知りながら、けれど認めることはできない。認めてしまったら、それこそ負けだと理解している。負けたくない、嘘をつきたくない――――――自分に正直に生きたかった。
――何度やり直すことになったって良い。納得のいくところに行かせてよ……そしたら死んでも良いから――
そして偶然でも何でもなく、それは動き出した。
胡桃の殻と殻の隙間が広がり、それは光を発する。青白いような機械的で冷たい光。それは無機質な声で彼女の鼓膜を揺さぶった。
いや、揺さぶったのは鼓膜ではない。声は直接脳内に響いている。
――所有者の時間遊泳意思を確認 時間遊泳プロセスに 移行します
TDTpD 起動
起動コード自動認証 認証コード“All is Fantasy”
時間遊泳を開始します 遡航時間を±10分に設定
……所有者の内的要因によりエラー――TDTpD起動プロセスより 再開します――
気持ち悪い吐き気を催す感覚は強くなり、衝動的にそれを拒んだ。
己の中を得体のしれない何かに浸食されたような、そんな悪寒を伴う不快な感触は脂ギッシュな中年に尻を触られるよりも余程不快で、それは一種の恐怖を伴っている。
まるで脳味噌ごと何かに弄られているのではと云う恐怖は得も言えず、そして死の際にこんな問答が出来る自分の神経に辟易として、閃くように彼女の頭の中を電流が錯綜した。
いや、逆転の発想をしてみよう。死すればこんな問題に一喜一憂し絶望すると云う柵から解放されるのではないか?どうせ助かる確率なんぞ万に一つもないのだから、時の流れに身を任せてしまったって――どうせもう己が愛した人はいないのだから――
それは彼女にとって妙案だった。弄れるものだったら弄って見せろ。どうせ死の運命には抗えないだろうから。そして死んで、輪廻転生し新たな生命として、また詰まらない人生を送るのだろう。
だったらもう一度、納得のいくところまで駆け抜けてみるのも手かもしれない。どうせまた、つまらない人生を送るのなら、納得いかない不条理に身を任せるのなら、最後の一回くらい――そういう我儘を言ったっていいだろう?
『私にはまだ――やり残したことがある!こんなところで死ねるかっ!』
使える物はすべて使ってやる。周りにある者すべて道具だと思え。役に立って見せろよ、最後の告白にぐらい。
――所有者の時間遊泳意思を再確認 時間遊泳プロセスに 移行します
TDTpD 再起動
起動コード自動認証 認証コード“All is Fantasy”
時間遊泳を開始します 遡航時間を±3秒に再設定
……所有者からの承諾コードを確認 時間遊泳シークエンスを開始します
時間遊泳耐久用ナノマシンが検出されませんでした 脳髄にナノマシンを注入します
精神操作痕なし 禁則処理が確認できません――緊急事態により禁則処理プロセスをスキップします
時間遊泳プロセスには衝撃を伴います 時間遊泳プロセスを阻害しない場所にてリラックスして待機してください
緊急事態に着き所有者の意識を凍結睡眠状態に移行します
時間断層面破壊杭 起動 時間断層面検出
時間断層面破壊杭 射出 時間遊泳を開始します――
脳内に響くその声によって、私の意識は刈り取られて、次の瞬間には其処にいた。
「――――え?」
先ほどの爆発が嘘のようなそこそこ清潔な教室。何事もなかったように振る舞う――事実何も起こってないからだろうが――そんなクラスメイト達の姿は単純に恐怖で、しばらくもしないうちに時間遡行したと云う事実を知った。思い出した瞬間――
時計の秒針は今、其処に差し掛かった。
爆音が校舎を動揺させ、軋みは広がり熱波とともに再び校舎は半壊させられた。
三秒、冗談でも何でもなく、三秒。たった三秒だ。目が覚めてから三秒しか経ってない――それは同時に、彼女は三秒しか生きられないことを暗示していた。
そんなの嘘だ――やり直しを求める。何度でも、何度でも、やり直して見せる。最良の結果を手に入れるために――!
あぁそうだ認められない認めてなるものかこんな死など認めない!
――所有者の時間遊泳意思を確認 時間遊泳プロセスに 移行します
TDTpD 起動
起動コード自動認証 認証コード“All is Fantasy”
時間遊泳を開始します 遡航時間を±3秒に再設定
……所有者からの承諾コードを確認 時間遊泳シークエンスを開始します
精神操作痕なし 禁則処理が確認できません――緊急事態により禁則処理プロセスをスキップします
時間遊泳プロセスには衝撃を伴います 時間遊泳プロセスを阻害しない場所にてリラックスして待機してください
時間断層面破壊杭 起動 時間断層面検出
時間断層面破壊杭 射出 時間遊泳を開始します――
目が覚めてからの行動は決まっている。
幾何学的な模様の立ちこめる天球儀に支配された空間、その外側にはあらゆる風景が広がり、天球儀に引っかかる大量の軸受けには0と1が延々と流れて行く。
彼女はこの中の何処かに行くことは出来ないのだと漠然と悟る。その上で、引き攣った様にも口の裂けた様にも見える笑みを浮かべて哄笑を上げる。そんなことはどうでもいいのだと。重要なのは己が願いを完遂できるかで、良く分からん他の世界なんぞどうでもよかった。
そう、ただ目的の完遂を。それさえ出来れば、最後の願いさえ完遂できればそれでいいのだから。
ただ彼女にとって最も不幸だったのは、そう思う反面そこまで非情になれなかったことだろう。
目的のために、至高と定めた光のために、唯一つの結果のために――ただそれだけを求めて居られる求道者で居られれば少なくとも本人にとっては何よりも幸せでいられたことだろう。しかし彼女は責任感が、一般的な倫理観念が勝っていた。
無駄と分かっていても、出来ることをやるのが普通だと、そう思ってしまったのが彼女のたった一つの、そして最大の失敗だった。
いや、そうではないだろう。たとえ三秒しか時間が無くともやるべきことはある筈なのだから。目的とは、その後に完遂されてしかるべきだ。それが何より正しいことだと胸を張って言えるから。
「皆机の下に隠れて!」
目が覚めたと同時に彼女は机の下に潜って肺の中の空気をありったけ放出した。大音量となって教室中に広がる声はヒステリックで、それまでに出した事も聞いた事も無い高音で、その場にいた全ての人間がそれを聞きそれを瞬時に理解した。
瞬時に寄せられる哀れむ様な、悲しむ様な、嘲り嗤う様な、一口に表現できない複雑でかつ単純な多くの視線が、机の下で身を縮こまらせる彼女を間抜けな何かを見る様に貫いていた。
気でも狂ったか、夢の続きでも見たか、少なくとも碌な状態ではないだろう。それが面白い。
人とは他者と同調できない人間を見分け、それを集団心理によって正義とされる行動から反すれば反するほど、集団心理によって採決されその個人を標的にすることが出来る。
人間が唯一、他の動物とは違って同族を殺すことが出来る所以である。
誰かが動きだそうとする瞬間、三度に渡ってそれは着弾した。
駄目だ、またこんな結末、認められない。
目の前で破片に倒れてゆくクラスメイトたちを尻目に、彼女は冷静に、そして熱情の様な何かに突き動かされる様に繰り返しを望んだ。
三度彼の死ぬ姿を見れば視野は狭まって行き、やがて側頭部に何かが飛来して首の骨を折る音を聞いた。
意識を失うまでの間、彼女はもう一度、もう一度と強く願っていた。まだ目的を完遂出来ていない。もっと生きなくてはならないのだから。
クラスメイトの避難だってできなかった。もっと、もっと時間があれば。
――所有者の時間遊泳意思を確認 時間遊泳プロセスに 移行します
TDTpD 起動
起動コード自動認証 認証コード“All is Fantasy”
時間遊泳を開始します 遡航時間を±3秒に再設定
……所有者からの承諾コードを確認 時間遊泳シークエンスを開始します
精神操作痕なし 禁則処理が確認できません――緊急事態により禁則処理プロセスをスキップします
時間遊泳プロセスには衝撃を伴います 時間遊泳プロセスを阻害しない場所にてリラックスして待機してください
時間断層面破壊杭 起動 時間断層面検出
時間断層面破壊杭 射出 時間遊泳を開始します――
考えろ、考えなければならない。三秒しかないなかで全てを伝え全てを終わらせる方法を。
全員に伝えるべきを伝えなければならない。その上で彼に全てを伝え、後悔の無いように。そう、やりたいこととやらなければならないことを全て、やり残しの無い様に満遍なく。あぁ、何で三秒しかないのだ。三秒ではその全てをやりきることなど不可能だと目に見えている筈なのに。
だから、無茶であろうとやらなければならない。
――三秒しか無いのだから――足掻けるだけ足掻かなくてはならないのだ――
――所有者の時間遊泳意思を確認 時間遊泳プロセスに 移行します
TDTpD 起動
起動コード自動認証 認証コード“All is Fantasy”
時間遊泳を開始します 遡航時間を±3秒に再設定
……所有者からの承諾コードを確認 時間遊泳シークエンスを開始します
精神操作痕なし 禁則処理が確認できません――緊急事態により禁則処理プロセスをスキップします
時間遊泳プロセスには衝撃を伴います 時間遊泳プロセスを阻害しない場所にてリラックスして待機してください
時間断層面破壊杭 起動 時間断層面検出
時間断層面破壊杭 射出 時間遊泳を開始します――
また失敗――次!
段々と冷静さを失っていく、行動から精細さは消えて行く。
三秒――幾ら弄ろうとしても変えることは叶わない。三秒しかない。三秒しかない。そう、三秒しかないのだ。
自分自身を脅迫して行くように、彼女の中で三秒は大きな意味を持つようになっていた。この三秒でやれるだけをやらなくてはならないのだから。
この三秒の間に何が為せるのか、数瞬にも満たない時間遡航時のこの風景の中で彼女は思案を重ねた。
死んでは戻り、死んでは戻る。死なずとも繰り返しを望み、死なずとも繰り返しを望む。袋小路は螺旋状となり、彼女が諦めるか目的を完遂するまで続く……永遠に。矛盾であり螺旋であり、繰り返しでありやり直しであり、故に彼女は、手段と目的を失った。
いや、失えればそれがどれほど幸せでいられたのか、彼女は目的と手段を維持したうえで視野を狭窄させ、無為な現実逃避と無為な繰り返しを繰り返し続けているのだ。
「良いからみんな隠れて! 死にたいの!?」
「いきなり何なんだ?!」
壁の破片に巻き込まれて潰れて行く見慣れた死。何度も似た死に方を見た。何度も同じ死を見て来た。同じようで違い、違うようで同じ死を、それこそ壊れたビデオテープを繰り返すかのように何度も、何度も。
気が狂うのではというほどの繰り返しはやがて気力を削いで行くのではないかとさえ思えた。それでも、彼女は諦めなかった。無駄と知りながら全員が生き残る方法を求めて――
幾度目かの繰り返しでも同じ結末が待っていようとも――
――所有者の時間遊泳意思を確認 時間遊泳プロセスに 移行します
TDTpD 起動
起動コード自動認証 認証コード“All is Fantasy”
時間遊泳を開始します 遡航時間を±3秒に再設定
……所有者からの承諾コードを確認 時間遊泳シークエンスを開始します
精神操作痕なし 禁則処理が確認できません――緊急事態により禁則処理プロセスをスキップします
時間遊泳プロセスには衝撃を伴います 時間遊泳プロセスを阻害しない場所にてリラックスして待機してください
時間断層面破壊杭 起動 時間断層面検出
時間断層面破壊杭 射出 時間遊泳を開始します――
そして彼女は思い違いに気が付いた。とても大きくて、とても小さい。常人では絶対に気が付かず、常人で無かろうと其処に行きつくまでにどれほどの時間を要するのか。それこそ気が遠くなるほどの那由多の果てだろう。
三秒しか無いのではない。三秒、されど三秒。いくら数えようと三秒に違いは無いと言われるだろう。だがそんなことは無い。
特殊相対性理論においてはある地点で移動する人間と、ある地点で静止する人間とで経過する時間には細かな誤差が生まれるとされる。タイムマシンが不可逆的な一方通行であるとされる根拠だ。
三秒しかないのではない。三秒もあるのだ、三秒も……。
誰か一人を選んで生かすと仮定するならこの上なく十分な時間ではないか?
それに気が着くと同時に眠りから覚める感覚と共に彼女の頬を涙が伝い、憑き物の落ちた様な晴れやかな笑顔が浮かんだ。
幼少期の、あの周りの人間は全て味方で、身の回りの物が全てきらきらと輝いて見えていた、あの幸せだった時期から進むにつれて忘れて行ってしまった笑い方を、思い出せて、繰り返しを求める前の命題にたちかえった。
「なんだ、そんな簡単なことだったんだ」
灯台下暗しとはいうが、こんな物誰も気づかない。気付いたとして、諦めるのが関の山だろう。だから、私はあきらめたくない。
恋が人を変えるのか、人が恋に価値を見出すのか――私は、後者だと思う。
答えを見つけるとともに、彼女はこれを最後の繰り返しに決めた。もう、後悔は無い、後顧の憂いも無い。答えが分かって、果たし方が分かったのならあとは簡単ではないか。あの中で一番生き残る確率の高い所へと――この思いを告げられれば良いのだから。
目が覚めると同時に、彼女はすっくと席を立ちあがり、大股で目的の彼のもとへ――普段はスカートが翻るのを気にして絶対にやらないことだと、仄かな非行気分に気を良くしながら。
……一秒
最初と全く同じだ。原点に立ち返ったのだ。答えなんて本当にすぐそこに落ちていたのに、変な倫理観に縛られて馬鹿みたいだ。
そう、他人なんて気にしないで、最初からこうすればよかったんだ。
男友達と談笑する彼に声を掛けること無く彼の首根っこを掴みあげ、教室の端っこにまで連れて行く。
何か言っているような気がするが、気にしない。とりあえず、彼には生きていて欲しい。その為に多くが犠牲になるなら、進んで差し出そう。だから彼だけは生かしたいんだ。あと三秒後に皆死ぬとして、私か好きな異性かを選べと言われるなら、私は生きて欲しい人に生きて貰いたいから。だから――
「お? なんだなんだ?」
「委員長が小波のこと拉致ってやがるゼ!」
外野なんて関係ない。もう、二秒も残っているんだから。この短くて長い三秒を、無駄にさせたくない。
……二秒
「何なんだ一体! 何がしたいんだ!」
「小波 武さん! 私は貴方のことを以前からお慕い申し上げておりました!」
だから――世界の中心で、愛を叫びたい――叫ばせて下さい――――
……一秒
彼女は口を開きかけた彼を迷い無く後ろにある掃除用具入れに押し込んで、身体全体でそれを守る。もう誰にも殺させたくなかったから。
爆発の後で生き残った事もあった。けれどその後の混乱で生徒同士が殺しあいを始めた事もあった。限りのある食料を巡って。
またあるときは熱波に焼かれ骨すら残さずとけ切った事もあった。目の前でコンクリート塊に押しつぶされた事もあったし、ミサイルが教室に突っ込んだ事もあった。そう、今回はその中でとても運が良かったのだ、少なくとも彼女の経験の中では最も原点に近く、最も最良だったのだ。
爆音と地響きが教室を壊して行く。内部に熱波を押し込んでとぐろを巻き、内部をかき混ぜ凌辱して行こうとする。
それでも彼女は、対流に身を逆らわせながら彼に最期の告白を、3秒前の彼とまた同じようなやり取りをするのだろうことを、けれどこの気持ちは間違いなくホンモノであることを証明したいから。声なんぞ聞こえないことは分かりきっていても必死で声をかけた。
「ごめんね――時間が無かったから、こんなやり方になっちゃった……ごめんね。また、また三秒前のあなたと全く同じことをやるんだろうね、私は――でもこれだけは覚えていてください。私は貴方が好きです。初めて目にした時からずっと……繰り返し繰り返し、貴方を追いかけ続けるくらいには」
それは独白だった。同じ時間を過ごしながらも、同じ時間を過ごせない。今ここで告白した所で何ら意味が無い物だと分かっていながら、当初の目的を果たすために。そして何より、同じ時間はもう来ないのだから、本当に後悔の無いようにしたかったのだ、彼女は。
自己満足だったとしても、これを逃せば二度と同じ機会はやって来ないから。自己満足だとしても、満たされなければ満足して逝けやしないと理解しているから――。
これは一方通行の告白で、一方通行の独白だと胸を張って言える。これは彼女の自己満足の為なのだ。
「私、何度も同じ時間を繰り返してるんだ。何度も何度も、貴方が死ぬ所を見て来た。繰り返しを始める前には一度、告白しようとしたけど邪魔が入った。ようやっと、ようやっと叶ったんだ」
だから、覚えなくて良いですから、覚えていてください。
私が生きていた痕跡が確かにあったことを――私は確かに今この三秒後に生きていたんだと言うことを。
「だから、覚えていてください」
私は貴方が好きでした。
何度でも、何度でも、約束された三秒後から確かな三秒前へ――それでも、私は生きています――それでも、私は生きていたんです。だから貴方は、生きていて生きていた私の代わりに、生きて下さい。何より私が好きになったあなたには生きていて欲しいから。
「――私は貴方が好きです…………私は貴方が好きでした。もしも生き残ったら私のことは忘れて、綺麗な彼女さん作って、いっぱい子供を作って、立派なお父さんになって下さい。私はしばらく戻れないかもだし、次も、その次も忘れているだろうけど、絶対に生き残って見せるから」
もっと生きていたい。生涯で初めて彼女はそう強く渇望した。最初の時と同じでありながら彼女が好きになった彼と共に平穏であった日常を……。
普通に恋して普通にデートして、普通に結婚して普通に子どもを産んで、普通に年を取って子供は大人になり、普通にお爺さんお婆さんになって『せぇ~の』で普通に死んで行きたかった。
身体が溶けているのを自覚しながら、涙すら蒸発するなかで彼女は涙を堪え慈しむように抱きしめた。
もうそろそろかと思ったときに、自分と同じようにしゃくり上げながら彼は薄いステンレスの扉を隔てた向こうから、彼女に告白した。
もしそうだとして、なら余計、忘れられない。忘れようともきっとフラッシュバックして来るだろう。絶対に忘れない。また三秒前に戻るなら、三秒前の自分が覚え続ければいいのだから。
話したことなんて一度としてない。けれどあの告白がホンモノであることは疑いようもない事実で、秒速五センチメートルで落ちる桜の花びらの様にあっけなく、彼は見えないことを苦々しく思った。
たとえどんな姿となっても、たった先ほど告白されてもこんなときくらい、誰かと一緒に死にたい。だから声を張り上げるように焼けついた喉を酷使した。
彼女にはそれが嬉しくて、早くやっていればよかったと思いながら、彼の声に耳をすませた。
「……覚えてる! 俺は一生、君のことを覚え続ける! 君が忘れようと思い続ける! たとえ君が言うとおり、また三秒前に戻るなら、三秒前の僕がずっと君を覚え続ける! いや、五秒前だって十秒前だって!」
もう、後悔は無い。後悔は無いのに、続けたくなってしまう。何度でも、何度でも。同じようで違う三秒間を――でも駄目なんだ。たとえ死が待っていようとも前を向いて生きて行かなきゃならないから、後顧の憂いは絶たなければならないのだ。
好きになってよかった。清々しい思いと共に後悔と自責が募る。もうお別れなのに、もう少し、もう少しと留まりたくて――身体は堕ち始めた。見慣れた天球儀に吸い込まれる様に。
――時間遊泳プロセスを開始
TDTpD 起動
以降 所有者の死亡と同時に起動
自動時間遡航設定 全プロセスの承認をスキップ 実行――
「これから何回も繰り返すなら、繰り返すたびに生き残る方法を試すから! ――なぁに、百回やってだめなら百万回繰り返せばいい! 百万回繰り返してもだめなら一億でも十億でも!那由多の果てまで繰り返せばいい!」
――起動コード自動認証 認証コード“Over the Pain”
時間遊泳を開始します 遡航時間を±?秒に設定
時間断層面破壊杭 起動 時間断層面検出
時間断層面破壊杭 射出 時間遊泳を永続開始
以降 所有者が所有権を放棄するまで時間遊泳は継続されます――
最期に告白出来て、良かった――この三秒が無駄にならなくて、良かった――最期にワタシを残せて……良かった――
「――ありがとう…………そして、さようなら」
――未来情報 消失 アクセスコマンド エラー
バージョン情報更新…………該当のアプリケーションの検出に失敗しました
時間……遊…………泳――えwrfwfwdf;をうhf@すhgh――
戻ってきた。慣れ親しんだ空間だが、今この時ほど、これほどまでに憎々しいと思ったことは無い。
涙は堪えようと決めたのにほろほろと落ちるそれは止め処を知らずに流れ落ち、思いの通じ合う奇跡と不幸を同時に痛感し、告白しなければ良かったと言う後悔と、告白して良かったと言う充足感と共に流れるのは嬉し涙なのか――
「ごめんなさい……ありがとう――幸せな一瞬でした」
それでも、あの一瞬の時間は嘘ではないと分かっているから、それを糧に、これからも生きて行ける。あの瞬間を目指して、やっていけるから――
「だから、待っていて。絶対にあの瞬間に追いついて見せるから――」
□
老僧侶の御経を詠む声をBGMに、彼は黄昏ていた。
自衛隊に救出された現場に、生き残りは彼だけだった。骨まで解けて掃除用具入れの扉を抑えていた彼女の死体と共に見つけられ、彼はその葬儀に参加していた。
クラスメイトだと言うのに、初めて名前を知った。初めて異性に好かれ、初めて告白されて、同時に失った。悲しいのに、いつかまた会えると言う希望が、まだ何処かに残っていた。彼女はきっと追い付くのだと。漠然と信じるに足る超常が、彼にそれを信じさせた。
『あれが唯一生き残ったっていう?』
『あまりパッとしない子ねぇ……もう少し鼻がシュッとして目が切れ長でうちの旦那のより大きければ幾らでも援助してあげたのに……』
『そうよねぇ』
ひそひそと、本人に聞かせる為だけの陰口は、暗に平等に死んでいればよかったのにと、そう言いたいのだ。
けれど彼には生きる理由があった。彼女のおかげで拾った命をむざむざ散らすわけにはいかなかった。
数か月、ぼんやりとしながら卒業を控えたある日、彼女の『繰り返してきた』という単語がちらついた。彼女は短時間を何度も繰り返してきたのだろう。そう、何らかの方法で、未来から来たネコ型ロボットの力を借りずに。
誰がつくって誰が与えた? 誰がやってきて誰が帰れなくなった? それを知るために、彼は探求し続けた。
大学へは政府からの補助金と修学支援金で通い、物理学を極めた。
多くを発明し、多くを壊し、多く世界中を震撼させた。それでも彼の求める物は遥か遠くに存在する。それを求め、その先にある物を見つめ、あの日あの時を糧に求め続けた。
ただ、あの時に帰りたかった。
ただ、あの瞬間の軌跡をもう一度。
ただ、彼女とともにありたいがために。
体が老いさらばえようと、精神が痩せさらばえようと――彼の脳裏にはあの時の、掃除用具入れの隙間から見えた彼女の笑みが残っていた。
あの時の告白と、あの時の情熱だけで、ギシギシと軋みを上げる体は活力を取り戻し、あの地平への回帰を、あの地平からの脱却を――彼女との逢瀬を熱望し、焦がれる魂はそれでもなお燃え続ける。
いつしか彼の目の前にはそれがあった。
胡桃のような球形の皺くちゃな物体。その小さな中に物理学と天文学と一般相対性理論の全てを内包した、機械でありブラックホールであり、機械であり魔法であり、機械であり宇宙がある。時間と空間をも越えて、ただ一人の少女に会うがために、多くを捨てて多くを凝縮して作った、科学の行きつく先。ついに彼は、作り上げたのだ。
片手に握った杖とともに、今では公園となってしまったあの学校跡地に向けて、彼は確かな足取りで、まるで少年のような光をともして歩きだした。
そうか――私だったのか…………。
後悔と懺悔がともに到来する。
曖昧な時代設定とともに転移した先は彼女が入学する一年前だった。教師として時代を改竄した彼は、その事実に気がついた。TDTpDがその手を離れたことに。
いつの間にか手を離れていたTDTpDの所在は知れず、捜索に一年を要した。もともと老いさらばえて死に体だった彼の身体では一年では探しきれていない箇所の方が上回る。だからか、彼はあの日あの瞬間になってようやっと、その所在を掴んだのだ。
彼女があの瞬間に立ち会い転移するためには、彼女の近くになければならないという絶対的で確定的な未来に。
彼女にもう一度会うために、彼女が覚えているかなどどうでも良く、ただ彼女のためだけにここまで来て、目の前で失われるのだけは耐えきれなかった。それでは、己の一生は一体どれほどの価値があったのか
バイブレータのうるさいスマートフォンを投げ捨て、他の教師が慌てる中をかき分けて、ただ彼女に会うためだけに、爆音と振動で揺れる校舎になど構わずに歩き続ける。杖がなくなろうとも、その場所で彼女を愛するために。
辿り着いた時にはすでに遅い。すでに彼女は、時間を跳躍した後だった。
青白い光の残滓は彼女の温もりを切り取りどこかに連れ去って――故に彼はTDTpDを作ったことを後悔していた。助けを求める生徒たちの声すらも耳には届かず、彼はただ自分を罵倒して殴ってやりたい気持ちをどこにぶつけるべきなのかを、置いてきてしまった青年時代を思い出していた。
そうか――そういうことだったのか………………
自嘲的な笑みがこぼれるとともに、理解した。時間跳躍が完成した理由と、何故試運転を前に成功したのか、彼女との出会いと彼女との別れの意味を。
全ては既定路線で、全ては定められていたのだ。そう、彼が交差時間遊泳機を作り、彼が交差時間遊泳機を与え、彼がやってきて彼が帰れなくなったのだ。全てはそのための布石で、全てはそのために決められていたことだったのだ。
彼女が終わらない時間の旅を始め、彼に告白し、告白したのちも時間に囚われ続けて開放を求めるために旅に出た。其処に至るための布石が、彼だったのだ。
乾いた笑いとともに、彼はすでに動く者の無くなった教室を見渡して、その中から息をしている者を探す為に動き始めた。
□
見慣れた街並み、見慣れた風景、見慣れた場所。
見慣れぬ街並み、見慣れぬ風景、見慣れぬ場所。
荒れ果てた廃墟のような街を、ただ一人女とも少女ともつかない妙齢の女が歩いていた。
時代遅れも良いところの迷彩服一型を着用して、背中には巨大なバックパックを。外側には弾薬の込められた弾倉が複数個つりさげられ、歩くたびに独特のこすれ合う音を立てている。
本体であるサブマシンガンは、SMGの銃身を二丁分に増やして銃床側に刃物を収納したような異形のマシンガンで、それを両手に持ち、歩いていた。
顔立ちは幼いとも言えれば整っているともいえる。良くも悪くも中間だ。そんなある種の美人といえなくもない彼女は、その世界に一人だけかもしれないという孤独に悲嘆することなく背筋を伸ばして其処を歩いていた。砂嵐の吹き荒れる、変わり果てた故郷を。
右腕に輪を掛けて吊るされるようにされた胡桃は、壊れてしまったのか、時折青白い光を放ち、すぐに沈黙する。
既に元の時代への回帰は絶望的になったが、それでも彼女はあの瞬間に追いつくために歩き続ける。その先に絶望のみが待って居ようと、彼女は歩き続ける。
一度目は成功しなかった。幾度目かは成功した。あれ以来ずっとこの崩壊した世界を歩き続けていても、彼女はあの瞬間に追いつくために、ただ歩き続ける。それが、いつかの“約束”だからだ。
何よりも、この言葉がある限り、彼女は死なない――死ねない。
いつかの回帰の時に、笑って “初めまして” ができるように――そう、この言葉があれば、いつまでも生きていられる。
右腕に吊るされた胡桃が、淡く輝いた。
――前所有者“TS330011-Takeru Sazanamiよりメッセージがあります
自動翻訳装置起動 自動読みあげ開始
『生きて■■■■■■、■■■■■■■■■』
データの破損を確認 データの自動消去を開始 消去完了――
ただ、貴方に会うために
ただ、貴女に会いたい
挿絵は九藤 朋さんよりいただいたものです。見事としか言いようがない……。
告白のシーン、バリバリ10秒過ぎ取るやないかwwという突っ込みは無しの方向で。それに三秒後には三秒前に強制送還ではないですから。
前書きの続きですが、ツイッターで四択をやりました。内容は
“皆さんには後三秒しか生存時間が残されていないとしましょう(死因はお好みで)
その際、皆さんは残りの三秒をいかに過ごしますか?三秒は短いようで以外と長いです。短編のネタとして、真剣に選んでいただきたいです。四択に自分の回答が含まれない場合はリプでお願いします。
・思いっきり叫ぶ
・とりあえず食べ物を口に含む
・好きな女性(ないし男性)に告白する(目前にいる仮定
・慌てふためいて取り乱す、ないしボーっとする
一番多かったのは『慌てふためいて~(39%)』でした。次は『好きな異性~(31%)』で、その次は『思いっきり叫ぶ(22%)』で、堂々の最下位は『とりあえず食べ物を口に含む(8%)』でした。
その他には『好きな歌をハミングする』『あと3秒だとしても、もし少し前に宣告されていたと仮定しての3秒なら、きっと最後の3秒は大切な存在を思いっきり抱きしめたまま死にたい。突如宣告されたのなら、もう愛を叫びます』でした。
そして今回、このアンケートの穴を指摘してくださった方もおります。
卵さん(垢名は伏せさせていただいております)
『3秒と知らされて、はぁ? っていったらそれで終わるような気もする。知らされてないなら、そもそも変なことしないし、残り3秒になる前にやりたいことしてるだろうからそんなぶつ切りの選択肢でも……』
です。その通りですし、問題の投げかけ方が下手だったのは確かだったので、次回もこのような形でやる際にはもう少しアンケートの内容を練ったほうが良いなと思い知らされました。
そして、アンケートに投票していただいた36名の方々には多大な感謝を。
ありがとうございました。そして、ごめんなさい。
これからも魔弾の射手をよろしくお願いします。