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クリスマスディナー END

最終回です!

 クリスマスイブ。

 葵さんにお土産を持って会いに行く。

 仕事で海外に行くなんて今まで無かったからか、楽しんできてしまった。

 部長が長期設定してくれたからってのもある。

 お土産はワインとチーズ。

 葵さんは喜んでくれるかな~。

 葵さんの家の呼び鈴を鳴らすと直ぐにドアが開き、葵さんが顔を出した。


「ただいま」

「寂しくて死ぬかと思っちまったじゃねぇかよ!」


 ヤバイ、キュン死する。


「うさぎは寂しいと死ぬんだぞ」

「………葵さんはうさぎじゃないし、うさぎは皆が言うほど寂しくても死なないらしいよ!ほら、学校のうさぎが逃げ出して一匹で野生化したりするじゃん」

「………」

「ああ、葵さんが可愛くてキュン死する」


 私の言葉に葵さんは不満そうな顔をすると私を抱き締めた。


「こんな好きになった女、命しか居ないんだからしかたねぇだろ」


 耳元で囁かれて背中がゾワゾワした。


「おかえり。今日は家に帰してやんねぇからな」

「幸せすぎて死ぬ」

「………ベッドの上でも言わす」

「………手加減してね」

「無理」


 玄関先で何やってるんだ私達は………


「お腹すいちゃった」

「………お前本当にぶれないな………本日はクリスマスディナーになっております」

「葵さん、愛してる~」

「そうだろそうだろ、じゃあこのまま結婚しような」


 葵さんはそう言うと私の左手の薬指に細身の大きなダイアがついた指輪をはめた。

 私が驚いて葵さんを見ると、少し困ったような顔をしていた。


「命が帰ってくるのは俺の所であってほしい………駄目か?」


 左手の薬指にはまった指輪に思わず感動して涙が溢れた。


「キュン死~葵さんが好きすぎて辛い~」


 私は葵さんにしがみついた。

 葵さんはゆっくり私の頭を撫でてくれた。


「このままベッドに行って良いか?」

「………うん」

「………連れていきたいのはやまやまだけど、これは腹が鳴るパターンのやつだよな………」


 葵さんは私に触れるだけのキスをすると言った。


「命に食べてほしくて作った料理を旨そうに食ってもらった後に一緒に風呂はいって命を俺が美味しくいだだくって方が良いか?」

「手加減してね」

「無理、何日我慢したと思ってんだ!何回魂さん家に飲みに行ったか知らねぇだろ?」

「こ、コンちゃん?」

「あの人なんなの?大人すぎてマジ格好良いんだけど」

「そう?昔は格好良くて大好き立ったけど、今は葵さんの方が一緒にいて楽しくて大好きだけど?」


 葵さんは私の顔をゆっくりと見ると言った。


「そう言えばちゃんと返事してねぇぞ。俺と結婚してくれるのか?」


 葵さんは真剣に目を見つめてそう言ってくれた。


「私を葵さんの奥さんにして下さい」

「………喜んで」


 私の返事に葵さんはニカッと笑うとリビングまで案内してくれた。

 リビングにはチキンの丸焼きと可愛い見た目のオードブルが並んでいた。


「ビーフシチューは熱々でお持ちします」

「ワインとチーズお土産に買ってきたよ」

「クリスマスにピッタリだな」


 葵さんは幸せそうに笑った。

 ああ、ずっと男運が無いって思っていたけどこの人と………葵さんと会うために必要な出会いだったのなら仕方がなかったのかもしれない。

 だって幸せは平等で、不幸せと比例してるって誰かからきいた。

 あの時は、この男運の無さが改善されるとは思えなかったけど………


「幸せすぎて怖い」

「はあ?」

「幸せって平等なんだって、今幸せ過ぎたら後は不幸せ街道まっしぐらでしょ」


 葵さんは私の言葉にへにゃっと笑った。


「不幸せなんかに俺がすると思ってんのか?命が俺の側に居てくれるなら、不平等だったって解るぐらい幸せにするに決まってんだろ」


 葵さんはそう言うと私をソファーに押し倒し、深いキスを私に落とした。

 ああ、私の幸せは不平等に降り注ぐ事が決まったらしい。

 私も葵さんを不平等に幸せにします。

 そう、心に決めたその瞬間私のお腹がキュルキュルと間抜けな音を出した。


「………」

「………マジでぶれないな」

「ごめん」

「いや、なんか、その音聞くと幸せだって思うんだよな」


 ああ、こんなこと言われてるのに幸せだ。


        END


 

今までお付き合い下さりありがとうございました!

ただただ、幸せにしてあげたい二人の出会いからプロポーズのストーリー。

おまけにちょっとした小話を入れて完結にしようと思ってます!


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― 新着の感想 ―
ああ、幸せでいいなぁ。 面白かったです、良い物語をありがとうございました。
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