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温泉まんじゅう 葵さん目線

なかなか進まなくてごめんなさい。

 海から帰ってきて最初の仕事は鈴木君の百貨店の売れ行きのチェクだった。


「定番の温泉まんじゅうで悪いな」

「お土産!ありがとうございます………ミコさんと海でしたっけ?」

「ああ」


 せっかくだからお土産を持っていったのだが、鈴木君は少し嫌そうな顔だ。


「ミコさんと一緒で疲れませんか?」

「?いや………なんで?」

「俺、ミコさん苦手なんで………すみません。河上さんの彼女なのに………」

「………逆に聞くけど、実里ちゃんといて疲れないか?」

「いや、癒されます」

「一緒だよ。他の男になんて解んなくていいんだ。俺が一緒にいて癒されるんだからそれが全てだろ?」


 鈴木君は驚いた顔の後、項垂れた。


「ああ~河上さん格好良いな~」

「そうか?鈴木君だって実里ちゃんに対しての気持ち話すときは格好良いぞ」

「………俺、女だったらマジで河上さんに惚れてます。ミコさんもそんなとこを好きになったのかな~」

「違うな。アイツは俺の料理の腕に惚れたに違いない」

「………何でミコさんなんすか?」


 俺はニカッと笑ってから言った。


「惚れちまったんだから、仕方ねえだろ?」

「………ミコさんは幸せ者ですね」

「実里ちゃんもな」

「ヤベーマジかっけー」


 俺は笑ってしまったが仕方ないと思う。


「後、これ、マリッジリング」

「え!うわ!かっけー」

「で、エンゲージリングは細みのピンクゴールドのシンプルデザインのをとりあえず作ったけど、どうかな?」


 鈴木君は目をキラキラさせてから指輪を見つめて言った。


「………高そう………」


 鈴木君は不安げに俺の顔を見た。

 捨て犬みたいな瞳だ。

 

「材料費だけで良いよ………って言っても50はするけど」

「50万で良いんすか?」

「友達価格」

「ありがとうございます!………ヤベー友達って言われてマジ嬉しい」


 鈴木君っていちいち可愛いな。

 俺は思わず鈴木君の頭に手をのせてポンポンしていた。


「河上さん、トキメいちゃうっす」

「実里ちゃんは鈴木君のそういうとこが好きなんだろうな」

「え!どんなとこっすか?」


 あ、いや、可愛いって言ったら鈴木君は嫌だろう。

 

「そういうとこだよ」


 俺は笑って誤魔化してみた。







 他人(ひと)の指輪を作ってる暇があったら一秒でも早く命の指輪を作れよって感じだろう?

 俺だって命に早く指輪を持ってプロポーズしたい。

 でも、しっくり来るデザインが思い浮かばないのだから仕方ない。


「葵さん?」

「ん?」

「私の話退屈だった?」


 命と一緒に居るのにボーっとしてしまった。

 

「悪い考え事してた」

「仕事忙しいなら帰るよ」

「いや、大丈夫だ」

「上の空なのに?」

「大丈夫」


 命は不満そうな顔をしている。

 でも、マリッジリングとエンゲージリングのデザインで悩んでるなんて命に言ったら格好悪いし何だか色々台無しだろ?


「やっぱ、帰るよ」

「いやいや帰るなよ」

「一人で考える時間も大事でしょ?今日は帰る」


 命はニコッと笑ったがどう見ても何時もとは違って固い笑顔だった。

 ああ、俺ってやっぱりダメだな。


「悩み事なんかより命と一緒に居る時間の方が大事だ。だから帰るなよ」


 命は暫く俺を見詰めると言った。


「私、邪魔じゃない?」

「はぁ?邪魔なわけないだろ?」


 命はゆっくり俺から視線をそらした。


「………でも、私…何も出来ないし………」

「はぁ?」

「私、葵さんに色々してもらうだけで何も返せてないし………」

「あのさ」

「面倒でしょ?」


 命の声はどんどん小さくなっていった。

 俺は命を引き寄せて抱き締めた


「ごめんな。俺が全部悪い。命にはまだちゃんと言葉に出来ないけど、これだけは言える」

「?」

「俺は命が居ないとダメだ。一分一秒でも長く命と一緒にいたい。だから俺が悪いなら謝るし俺が謝って命の機嫌が直るなら俺が悪くなくても謝るぞ」

「………」

「今のは俺が全面的に悪かった。ごめんな」


 命は何だか目を潤ませて首を横にふった。

 ベッドにかついで行っても良いだろうか?


「あ、あのね………私、昔から別れ話が近い時に大抵こんな空気になってて………だから、葵さんも………私が面倒になっ……なっちゃったかと思って……」


 命の瞳から涙が溢れた。

 俺は命を強く抱き締めると言った。


「俺は命の手を離したりしない」

「前彼の時は……ああ、終わりだなって思ったけど………葵さんは嫌だ………ずっと一緒に居たい」


 命も俺に強くしがみついた。

 俺の彼女は、なんて可愛い生き物なんだ。

 もう不安になんてさせたくない。

 命が愛しくて仕方ない。


「愛してる。命だけを愛してる」


 命は俺を見上げてニコッと笑った。

 涙がポロポロこぼれ落ちているがさっきとは違い可愛い笑顔だった。


「命、ベッド行こう」

「………良いよ」


 !……鼻血出そう。

 俺は急いで命を抱き上げて寝室に運んだ。

 ベッドに命を下ろしキスを繰り返す。

 命の服に手をかけたその時、命のお腹が間抜けな音を出した。


「………」

「ご、ごめんなさい……」


 珍しく顔を真っ赤にして命が呟いた。

 ああ、可愛い。


「飯にしよ、今日は手巻き寿司につみれ汁だ」

「本当にごめんなさい」

「手巻き寿司好きか?」

「………好き」

「なら飯が先だ。その後は一緒に風呂入ってベッドでイチャイチャしまくるOK?」

「………お風呂は一人で入りたい」


 命は耳まで真っ赤になりながら俺の胸にしがみついた。

 俺はそんな命の耳に軽くキスをした。


「ダメ~お風呂で命を丸洗いするのも俺の癒しだからな」

「………今、のぼせそうなんだけど」

「今のぼせたら俺に良いようにされちゃうな」

「………」


 その時返事を返したのは命のお腹の音だった。

 キュルキュルキュルルルルルルルルルルルルル。

 可愛い音が寝室に響いた。


「ヒィ!ごめんなさい!」

「俺、命の腹の音可愛くて好きかも」

「か、可愛くないから!」

「可愛いだろ?キュルキュル言って」

「可愛くないよ~」

「可愛い可愛い」


 俺は命の唇に数回キスを落としてキッチンに向かった。

 肉も巻ける用に焼くかな?体力つけさせないと。

 今日は寝かしてやらん。

 俺はキッチンでニヤニヤしながら冷蔵庫の扉を開けるのだった。

最後にイチャイチャできました!

皆様のラブラブ話を糧にちょっとずつリハビリしていきたいと思っています。

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