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彼女の親友  葵目線

短めです。

 鈴木君は可愛い。

 車に乗せて行ってやろうと車に案内すると目を輝かせて『かっけ~』って言ってた。

 見た目は線の細い綺麗系の女性に見えなくもない。

 スーツ姿だから男性だと解る感じだ。

 

「鈴木君の彼女はどんな人?」

「ああ、面白いことが好きで口の悪い可愛い人です」

「………口悪いんだ」

「はい。普通に殺すぞとか消えろっていいます」


 それはどうなんだ鈴木君。

 

「でも、俺相手だと顔真っ赤にして言うから可愛くて仕方がないんです」

「のろけられた」

「いや~すみません。河上さんの彼女さんはどんな人ですか?」


 命はどんな人だろう?


「……格好良くて可愛いかな?」

「のろけられる予感がします」

「いや、しっかり者なんだけどたまにおっちょこちょい?………食いしん坊」

「なんすかそれ?」

「いや、一言で言うと食いしん坊かな?スッゲー良い雰囲気の時にかぎって腹が鳴る」

「面白い人っすね」


 鈴木君はニコニコしてそう言った。

 

「面白さで言ったら君の彼女には負ける気がする」

「いやいや、河上さんの彼女さんの方が面白いっす」


 何だか可笑しくなって二人で笑ってしまった。

 

 






 駅につくと鈴木君をおろして、駅近のコインパーキングに車をとめた。

 駅に向かって歩き、駅前につくとなぜか鈴木君と命が話している。

 鈴木君の顔は険しい。


「好き……み…と…………」


 途切れ途切れに聞こえる鈴木君の声に驚いた?

 何を言っているんだ?


「あの二人は何時もああなんですよ」


 突然真横で声がして更に驚いた。


「はじめましてワイルドさん!いや、葵さん」

「えっと、どちら様で?」


 横に居るのは茶色の髪の毛に茶色がかった黒い瞳の女性。

 柔らかそうな髪の毛はショートボブで綺麗と言うよりは可愛い雰囲気の女性だった。


「私の名前は大熊実里よろしく。いや~写メで見るより男前!ちょっと生で腹筋見せてもらえません?」

「えっ?ちょ!待った!」


 大熊さんは何故か俺の服をめくろうとしてきた。


「実里!葵さんに何やってんの!」

「割れた腹筋を見せてもらおうと思って」


 命が慌てたように俺達の元へ駆け寄ってきた。


「せめて室内にしなさい!」


 怒るところはそこじゃないぞ!


「あんたは怒るとこそこかよ!」


 鈴木君、同意見だ!


「ってか、実里!お前はまたミコさんとデートしてやがったな!」

「怒らないでよダーリン。命もダーリンが来るまで暇だったんだから良いじゃん」

「実里はミコさんとばっかりイチャイチャするじゃんか!」

「ダーリンとの方がイチャイチャしてるでしょ。命とはヤれないんだよ!」

「実里、止めて。駅前で変なこと言わないで」


 どうやら命の友達か何かが大熊さんでその彼氏が鈴木君のようだ。

 漸く状況が解ったような気がする。


「命、友達?」

「親友の実里です」

「命にエロ下着を無理矢理買わせた親友の実里です!」

「………そのせつはありがとうございました」

「いえいえ」


 俺は深々と頭を下げた。


「そうだ、皆でご飯食べに行こうよ。お昼だし」

「命、さっきサンドイッチ食べてなかった?」

「パンは消化が早い」

「おい………河上さん………食いしん坊ってミコさんの事ですか?この女子力何それ美味しいのって女の何処が良いんですか?河上さん目を覚ましてください!!」


 命は綺麗に鈴木君の脇腹に蹴りを入れていた。

 鈴木君が腹を押さえてうずくまった。


「私の女子力が鈴木君並みなのは解ってるよ!しかも、顔面偏差値は鈴木君の方が高いことだって知ってるよ~くそ可愛い顔しやがって!」

「可愛い顔言うな!」

「命に嫉妬してて可愛いよ」

「いや、それは………」


 どうやら鈴木君は大熊さんに尻に敷かれているらしい。

 何だか微笑ましい。


「飯行くか!奢るぞ」

「葵さん好き~」


 命は嬉しそうに俺に抱きついた。

 俺もこんなことで幸せ感じてしまってちょろい男だと解っている。

 何だか困惑気味の鈴木君とおおはしゃぎする大熊さんに笑顔を向けて俺はおすすめの店を目指して歩き出したのだった。

 

テンションがおかしい………

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