雛と魔鳥 その1
ん?存分に殺ってきな?あたしが行くの?
「あのーすいません。これって、あたしがいくんですか?」
「ん?何言ってんだい。そうにきまってるだろ。あんたの細かい測定数値がまだ出てないんだから、実戦で計るしかないだろ?」
はぁ、結局こうなるのか。
よし!ここは一つ、がんばるか!
ここで、あたしはあることに気がついた。
「あのー名前まだ聞いてないんですけど」
「そんなの戻って来てからの話だよ!
ほら、はやく行きな!」
「はっはい!」
あたしはいそいで部屋から飛び出す。
絶対に倒してやる!
「あのー!忘れ物ですよー!」
そう言ってロリが投げてきたのは
黒い金属バットだった。
あ!これ…てか、これでたたかうんだ。
「どうせ、教えない気でしょう?所長」
「教えるってなにを教えればいいんだい?」
「ですよね。名無しですもんね、所長」
「ふん!そんなあんたも、その下手くそな芝居やめたらどうなんだい?」
えへへと笑って山は包帯を取りうでのギブスを割る。
「んじゃ、監視に行って来ますよ
きさの、刀」
「えっ?第二級以下の刀はもう
ありませんよ」
「んじゃ、アレで」
「へっ?わっ、わかりました!」
きさのがテコテコと奥の部屋へ走って行く。
「煙さん、第一級使うからよろしくね」
「だいたいそうだろうと思って、ロックは
第二深層まで外してますよ」
「バレバレだったんだ。ありがとう」
きさのがくさりでぐるぐる巻きにされた刀を持ってくる。
「ありがとう」
山が刀に触った瞬間
(接続確認。第二深層までの解除確認。
第一級魔女用武器起動許可確認。起動)
「よし、行くか」