雛と魔女庁
あっ、この人!
戦った人だ。
「あの…前は…すいませんでした…」
「いやいや、いいって大丈夫だから」
いやいや、大丈夫じゃないだろ。
顔とか包帯巻いてるし、腕吊ってるし。
「まずは、自己紹介からいこうか
僕の名前は、水谷 山よろしくね」
「んじゃ、俺は吹原 煙。んで、コッチの
ちっちゃいのは、野原 きさの」
あぁ、このロリ日本人なんだ。
「えっと、佐藤 雛です。えっと、これ外してもらえませんか?」
この拘束具、動きずらいんだよね。
「ん?何言ってるんですか?もう、壊れてますよ」
あっ、本当だ。
そのまま、起き上がる。
「よっこらせっと」
節々がポキポキっと音をたてる。
あぁ、疲れた。
そんなことを思っていたとき、部屋に人が入って来た。
「あぁ、起きたかい」
声の方を見ると、車椅子に乗り、眼帯をした
お婆さんがいた。
「あんたが、新しいMajoかい?」
ん?魔女?
「いやいや、人ですよ」
「あぁ、そっちじゃなくて。
M.a.j.oでMajo。魔女と契約したんだろ?」
「…はい」
「右腕みてみな」
右腕を見ると、赤い文字で13と書いてあった。
「なんだこれ?あれっ、消えない」
「それはね、契約書みたいなもんさ。
13番目にMajoになったってことさ」
「えっ?あたしの他にもいるんですか?」
「そうだよ。そしてここ、魔女庁には
ほかにも、沢山いるよ。ほら、このきさの
もMajoだよ」
「へぇー」
あたしの他にもいたんだ。
てか、ここ魔女庁だったんだ。
「でも、あんたがはじめてだよ。拘束具を壊して、山の刀を折ったのは」
あたしすごっ!
「で、あたしは何をすればいいんですか?」
「普通どうりの生活でいいよ。
条件付きのね」
「条件…ってなんですか?」
「魔女および魔物の殺害だよ」
魔物、魔女によって変えられてしまった動物…あたしはあれが大嫌いだ。
「えっ?あたしムリですよ!」
「何言ってんだい?殺さないとあんたも死ぬよ。魔女は魂が主食さ。ほら、人も食べないと死ぬだろ?」
うーん。めんどくさいなぁ。
こんなことを思っていた時扉が急に開いた。
「緊急事態です!魔物鳥型出現!
第一級避難指示発令!既に多数の負傷者続出しています!」
「ほら、さっそく仕事だよ。
思う存分殺ってきな!」