雛と記憶
あぁー、頭痛い。
がんがんする。
節々が痛い…インフルエンザか?
てか、ここどこ?
眩しい天井、拘束された手足…。
んー、思い出せない。
誰かが部屋に入ってくる。
「あっ!起きました?」
そこにいたのは、ゴスロリファッション
のロリだった。
ん?あたしに妹いたっけか?
「あの、わかりますか?」
「いや、わかんない」
「名前は?」
「えーと…ちょっと待って」
「んじゃ、パトラッシュでいいですか?」
「バカにすんなよ!えーと、そうだ!
佐藤 雛だ!」
自分の名前を言った瞬間、記憶が
戻ってくる。
あぁ、あたし…何てことしたんだろう。
「お母さん…」
あぁ、全部無くなったんだ。
「クソっ!なんでなんだよ!」
拘束具がバキバキっと音をたてる。
「センパイ!指数増加です!」
「あぁ⁉︎まったく…めんどくせぇなぁ」
そう言いながら男が部屋に入ってくる。
あぁ…こいつもかぁ!
「一体なんなんだって…うぉっ!はぁ、まったく…こりぁ、始末書もんかなっと!」
そう言いながら、手のひらをあたしの腹に
ねじ込む。
「がはっ!げほっげほっ!何するんですか⁉︎
変態!」
「これなら、大丈夫だろ…はぁ…始末書」
あれ?あたし、どうしたんだっけ?
「あっ!山さん!」
「やぁ、どうも」
あっ、この人。