雛と銃
「んじゃ、始めよっか」
狭山がナイフをくるくると遊びはじめる。
「第十禁術発動許可第八権限において発動」
右手を地面につけると魔法陣が出現する。
さすが、狭山の腕だな出力が全然違う。
「第八禁術解放!」
一瞬にして目の前に移動し、頭を掴んで地面に叩きつける。
瓦が飛び散って頬や腕を傷つける。
でも、今は気にしている暇はない。
「おらぁぁぁ!」
そのまま、拳を叩きつける。
「安心しろ。ここには強化魔法をかけてある
どんなに暴れようが壊れねぇよ」
「だからさぁそこが甘いんだってばっ!」
「なっ!」
土煙の中からナイフが矢継ぎ早に出される。
「くっ!」
よく見ろ!あいつは
「ここだぁ!」
捉えた!それと同時に痛みが走る。
よく見ると中指と薬指の間にナイフが刺さっている。
「だからさぁ!甘いんだよ!」
そのまま、腕を切り裂かれる。
「ぐぁぁぁっ!」
肩までぱっくりいってやがる。
「これで魔術式は壊れた。ということは?
右腕はもう用済みだ。ということは?
手加減無しに殺せるんだよ」
「なっ…!」
気づいたときには腹にナイフが刺さっていた。
「おわりかな?」
一気にナイフを抜かれる。
「ぐふっ!」
口からも血が出てくる。
「はぁはぁ…残念…だったな…狭山」
「なんか策でもあるのかい?」
「はぁはぁ…さっき…お前が壊した魔術式にはなぁ…雛ちゃんのあの日の記憶が入ってんだよ」
「へぇー。で?」
「はぁはぁ…雛ちゃんには…悪いが…あの日の記憶を消すことで…Majoとしての…力を…セーブしてきた」
「へぇー。てことはマジでくるっていうわけか」
「はぁはぁ…ざまぁだな…狭山」
ん?どこだここ?
なにかがあたまにはいってくる。
あぁ…お母さん…。
そうだまだころしてないなぁ。
そうだそうだそうだ!
「まだ殺してないよ!」
(規定値オーバー。モード変更。コードMajo013)
「あぁぁぁ!」
屋根が吹き飛ぶ。
ちらりと煙の奥に人影が見える。
「殺さなきゃ」
飛び散った壁を足場にして、飛翔する。
いた!あいつだ!
「あぁぁぁ!」
「なっ…!」
刀をナイフで受け止められる。
「さすがだよ…佐藤 雛!」
「殺す殺す殺す!」
刀を振り続けるが、全部避けられる。
「いいよ!佐藤 雛!」
くそっ当たれ当たれ当たれ!
「でも、やっぱり弱い」
ズブっと音がして、下を見るとナイフが腹に刺さっていた。
「はい、これで君の負けだね」
(もーどへんかん。からすきどう)
黒い風が吹き上げる。
「くっ…!これはまずいかもね」
「ふぅ…」
手に握られていたのは、刀ではなく黒い火縄銃が握られていた。
(モード変換完了。Majo013接続確認。鴉再起動)
(これでかしひとつね?)
火縄銃を狭山に突きつける。
「殺す…」
狭山がナイフを振りかぶる。
腹ががら空きだ狭山。
ズドンと一発腹に打つ。
背中から血が吹き出す。
「ぐふっ!」
「逃がさない」
そのまま、打ち続ける。
「嘘でしょ…あんた強くなりすぎ…」
「殺す」
銃に黒い瘴気が集まる。
「やばっ!」
「死ね」
躊躇無くそのまま引き金を引く。
爆音が響きわたり、砂煙であたりが包まれる。
さきほどまで城があった場所には血まみれの狭山が立っている。
「はぁはぁ…これは…反則だって…」
まだ生きてるのか…殺さなきゃ。
「殺さな…きゃ…」
あれ?体に力が入らない。
そのまま、城跡地に落ちていく。
「はぁはぁ…ラッキーだね…んじゃね…佐藤 雛」
この時すでにあたしの意識は無かった。




