雛とガスマスク
只今午前0時。
寝れない。
んー寝れない。
所長が言った言葉が頭の中でこだましている。
「人工的なMajoねぇ…」
あぁ寝れない。
「雛さん!起きてください緊急事態です!」
「ん?どうしたのきさのちゃん?」
「月岡公園付近にて異常な魔力を検知しました。急いで現場に向かってください!」
「うん、ありがとう」
まっ、ちょうどいいか寝れなかったし。
手早く髪をまとめる。
「よしっと!」
きさのちゃんから刀をもらって寝巻きがわりにしているジャージのまま部屋を飛び出す。
「って何もいないじゃん」
公園に着いたはいいが何もいない。
「機械の故障なわけないか…」
公園内の城の屋根に何かが立っている。
「あいつか…さっさと終わして帰ろっと!」
そのまま飛んで屋根に着地する。
「誰あんた?」
異様な服装だった。
防弾チョッキの上に白衣そして顔にはガスマスク。
無言で銃を突き付けてくる。
「なっ!」
刀に手をかける。
(ユーザー確認。ロック解除。第八十深層までロック解除。鴉起動)
抜刀時におきた風によって瓦が吹き荒れる。
それに隠れて一気に距離をつめる。
「くらえっ!」
刀を銃弾で弾かれる。
「なっ!」
そのすきに回し蹴りを叩き込まれる。
「ぐはっ!」
瓦を巻き上げながら吹き飛ぶ。
「くそッ!」
ギリギリで止まる。
「はぁはぁ…なんだ…あいつ…」
再び銃を向けてくる。
「…やってみるか」
屋根を蹴って飛翔する。
ガスマスクがあたしを狙って打ってくる。
「ふっ!」
飛んできた銃弾を切る。
「まだまだぁぁぁ!」
切り損ねた弾がかすって血が出る。
でも、負けるわけにはいかない!
「おりゃぁぁ!」
ザクッと音がしてガスマスクの右腕が飛ぶ。
「はぁはぁ…これで打てないだろ」
ガスマスクからくぐもった息が聞こえる。
「あぁっ!ちょっと何してくれてんの⁉︎」
ガスマスクの後ろにワイシャツ姿の男が立っている。
あれ?最初からいたっけ?
「あのさぁせっかく楽しいの見つけたのにさぁなにしてくれちゃってんの?」
「黙れ。これはおまえの仕事じゃないだろ」
「あぁーもううるさいなぁ」
そう言ってガスマスクの頭を握り潰す。
男が血まみれの手を振りながら近づいてくる。
「よっ!Majoさん!」
「誰あんた?」
「あんたあれでしょ!山の刀折ったっていう奴!」
なんだこいつ?てかなんであたしと山さん知ってるの?
「あれ?あぁごめんごめん。申し遅れました
狭山です」
「狭山って…まさか」
狭山って言ったら山さんをやったのしかいない。
ここは逃げないと死ぬ!
あたしは全力で駆け出す。
ヤバイヤバイ!
「あぁでも残念だよ」
目の前に狭山が立っていた。
「えっ…」
そのまま頭を掴まれて叩きつけられる。
「がはっ!」
あぁ…意識が…。
「おい大丈夫か?」
よく女子がここまでやるな。
「やっときたね吹原 煙」
「まさか…お前俺を呼ぶためにこいつやったんじゃねぇだろうな?」
「何言ってんの?そうにきまってんじゃん」
「ふざけんなよお前」
「それはこっちのセリフだよ。
まずさ右腕返してよ」
「誰が返すかよボケ」
「しょうがないなまったく」
俺は雛ちゃんをおいて立ち上がる。
「んじゃやろうか」
「あぁ、ぶっ飛ばしてやるよ」




