雛と狭山
あぁー緊張するなぁ。
ただいま、教室前。
「そんなに緊張しなくと大丈夫だぞ」
「はい…」
まぁ、たしかに学校にも緊張している。
でも、それ以上に気になっていることは
山さんが言ったこと…「下手したら魂喰われるよ」
いやいやまさか学校にね…。
教室に入ると異様な光景が目に入ってきた。
教室のすみの机に花瓶が置かれている。
えっと…何これ?
そしてまた山さんの言葉を思い出す…「魔女とも魔獣とも違うやつがいる…」
「まさか…本当にね…」
屋上にて…。
男が一人血だまりに立っている。
男のワイシャツは血で赤黒くなっている。
周りにはバラバラになった死体。
そして、男はその中から首を美術品でも扱うように持ち上げる。
「ふぅ…汚いな…」
魔力を辿ってきたがやっぱりビンゴか…。
「やっぱりいたか」
「えっと…どちら様ですか?」
「ふざけるなよ…狭山…こんどはなにをする気だ」
「あぁ!そうだあんときの!えーと…」
「水谷 山だ」
「へぇーまぁいいや」
そう言って狭山はナイフを持って一気に距離をつめてくる。
そしてそのままナイフを振り下ろす。
「くっ!」
ギリギリでかわす。
「武装化!ロック第8権限で解除!」
手に刀が現れる。
(ユーザー確認。ロック解除。第五十五深層解除)
「ふっ!」
斬りかかるがナイフでいなされる。
「へぇーガチじゃん」
「ふざけるな!狭山ぁぁ!」
刀が狭山を切り裂く…しかし、刀は狭山の肩にくいこんだままだった。
「なっ!」
「ドンマイ」
狭山の手に風が集まる。
「くそっ!」
刀を置いて距離をとる。
「もう、遅いよ」
狭山が手を振り上げると、風が屋上を破壊しながら僕に近づいてくる。
そして、体を切り裂かれる。
「ぐほっ!」
くそっ…だめだ…意識が…。
「ある日子どもは言いました。ねぇ、お父さんなんで人は生きてるの?すると、お父さんは言いました。それはね…」
血だらけの屋上には血まみれの男の声だけが響いていた。
「遅いな…山さん」
只今午後3時30分。
学校が終わったら、山さんがむかえにきてくれるって言ってたんだけど…。
「おーい!雛ちゃん!」
「あっ煙さん」
「遅くなって悪いな。よし、帰るぞ」
「あの山さんは?」
「今医療室にいる。狭山にやられたらしい」
「狭山って…」
「話はあとだ。ほら帰るぞ」
部屋に着いたあと所長によびだされた。
「あの…なんですか?」
「あんた狭山って知ってるかい?」
「狭山…たしか山さんをやったっていう」
「あぁ、そいつだよ。でも、狭山っていう人間をあんたはしってるかい?」
「いや…知りません」
「一つあんたに選択肢をやる。一つはいままでどうりに生活するか。もう一つはいままでより深い所に入るか」
「そんなの決まってんじゃないですか。どうせ、いままでの生活に戻るったってできないんでしょ?だったら深い所に入りますよ」
「本当にいいんだね」
「はい」
「ふぅ、んじゃ話すとするかね
狭山のことを」




