プロローグ
俺は、とある企業に勤める山神然だ。
俺が勤めてる企業は、いわゆるブラック企業ってやつで、定時の3時間後くらいに帰れるのはまだいい方で、ひどい時は何日か連続で徹夜で仕事する時もある。
もちろん残業代は無し。
でも辞めることもできなくて、もう十年以上この会社で働いている。
ちなみに今日は徹夜2日目で、もうすぐ帰れそうだ。
「ふー、やっと終わったー。それじゃ先輩お疲れ様でした。」
「おう、お疲れー。それじゃあ俺も帰るとするか。」
今は昼の11時。体内時計を戻すためにもさっさと帰って寝よう。と思ってた時、
なんとなく横を見たら、こっちに猛スピードで走ってくるトラックが見えた。
それが人生最後に見た景色だった。
気がつくと、俺は森の中に居た。
・・・は?
なんだ?ここは、、、
確か、仕事が終わって、家に帰ろうとして、、、そうだ、トラックに轢かれたのか。
だとしたらここは?
そう思って辺りを見渡すと、水色のぷよぷよした20cm位の動く何かが居た。
「なんだあれ」
つい声が出た。声が違う。これは俺の声じゃない。
よく見たら手も指がすらっとして爪が赤黒く長くなってる。
ここまで来てようやく分かった。俺は小説とかも読む方だった。ラノベもだ。
つまりこれはそういうことなんだろう。
どうやら俺は異世界に転生してしまったらしい。