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7

〜以下回想〜


ツキ「ちー聞いて聞いて〜さっきちょー怖いことあったの〜。」

鍵のかかった準備室にも聞こえる程、大きな声が響いてきた。

チヨ「つっちゃん、旧校舎からバーコードリーダー持ってきてくれたんじゃなかった?」

月岡さんと千代田さん。紅林さんがツキとチヨと呼ぶ、高校一年生の女の子。図書委員でも飛び抜けて元気な二人なのですぐ覚えてしまった。

ツキ「あ、それは忘れた。」

ごめんごめーんと謝る月岡さんは特に反省はしていなさそうだ。

チヨ「はぁーだと思った。私が取ってくるから。」

元気いっぱいな月岡さんと比べると千代田さんは少し大人しい。ほんの少しだが。

ツキ「ちょ、待って!違うんだよ。怖いことあったから逃げてきたんだよ。」

チヨ「怖いこと?」

ツキ「そうそう。」

二人が席に座る音がした。話し込む準備はできたということかな。


ツキ「私、ちゃんと旧校舎に行ったんだよ。

んでさ、新校舎から渡り廊下渡って、旧校舎入るとすぐに理科準備室あるじゃん?」

木造の旧校舎は、いかにもな雰囲気のある建物で、お化けを見たと言う噂が絶えない場所だ。

チヨ「うん。あのホルマリン付けのクジラの嬰児置いてある部屋ね。」

ツキ「嬰児!ちーの語彙なんなん!!」

チヨ「うるさい!!声がでかいんだよつっちゃんは!」

千代田さんも大概だが。

ツキ「あ、ごめん。でさ、校庭にも人いなくてめちゃんこ静かで、しかも超暗くて。」

チヨ「この雨だからね。」

その日は朝から雨が降っていた。

ツキ「入った瞬間からこれはやばいって気がしたよ。」

やばいを声を潜めて言うが、若者言葉だとあまり怖さを感じなかった。

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