表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/41

5


「いろんな本を読んでいるうちに、ある本で相手の靴の汚れや着ている服、持ち物から人物を予想する場面があって。」

それは緋色の研究という本だった。ミステリー好きには有名すぎる小説である。

「シャーロックホームズ?タバレ?デュパン?それともバンコランかな?紅林さんならどれでも読んでそうだけど…。」

「最初の出会いはシャーロックホームズだったよ。月並みだがね。まぁ、でもこれは使えると思ったんだ。」

「そっか。」

「実際に役に立ったことはないけど。最初は楽しんで読んでいたけど、羨ましくてずっとこんな世界に浸っていたら自分も同じように慣れる気がしたんだ。」

物語の探偵はいつも一人ではないから。

「羨ましい?」

「ああ。探偵にはいつだって助手がいる。」

「うん。」

「わたしにはいないから。」

私は静かに目を閉じた。浅葱君の後光が瞼越しに伝わってくる。目を開けなくても優しくこちらを見つめていることがわかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ