15/41
13
「まぁ、二人はこんな感じで結局バーコードリーダー取りに行く前に当番の時間終わって帰らされたみたいだよ。」
話終わった浅葱君はふぅと息をついた。チヨとツキの会話も再現してくれたからかなり長い話になった。
「二人はあとでしめるとして、なんだろうね。」
「ごめん、月岡さん。」
浅葱君は静かに合掌した。
「紅林さん何かわかった?」
浅葱君は楽しそうにそう聞いてくる。
「いや、浅葱君は?」
「僕も全然。」
そう言って横に首を振り、よしっとつぶやいた。
「今から行ってみようよ旧校舎。現場検証!」
思いがけず、驚いてしまう。
「え?浅葱君行けるの?」
「行けるよ〜!なんで?」
浅葱君の返事はあっけらかんとしていた。なぜ、準備室から出られないと思っていたのだろう。
「あ、いや。ううんなんでもないけど。」
「行ってみる?」