我が家の台所は《聖域》だそうです。
エピローグおよび1話です。
…どうしてこうなった…
俺は毎朝、雀の大合唱で目を覚ます これが俺のルーチーン
…のはずだったのだが?
「なんじゃこりゃぁぁぁあああ!!!!!」
今、俺の目の前に広がってる景色を異質と言わずしてなんというのか!取り敢えず、状況を整理しよう!
『ンマアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアイ』
朝は雀の大合唱が聞こえてくる、はずだった
代わりに恐ろしくうるさい人間の声が耳を劈く
この時点で俺の朝のルーチーンが崩壊したのは察せるよな
俺は寝巻きのまま声のする方へ向かう
泥棒か…?いや、このボロ屋には盗るモノなんておいてない。
ましてや、声がするのは、台所だ
泥棒が台所で何を盗るというのだ、価値あるものなんて、代々受け継がれている包丁くらいなものだ
だが、ただの泥棒に価値などわかるはずもない
そんなことを考えている内に騒音の発生元へとたどり着く
ゆっくりと襖から顔を出し覗いてみる。
目の前には『鎧』を着け『剣』や『斧』を装備した屈強な男女たちがうちの冷蔵庫を勝手に開け、泣き叫び、騒いでいる4人組が飛び込んでくる
こうして俺は、冒頭の叫びへと至った
「なんじゃこりゃぁぁぁあああ!!!!!」
目の前の異物たちが一斉に此方に目線を送る
《剣》を携えた西洋風の顔立ちの男が涙を流し、ベーコンを頬張りながら言い放つ
「なんだ!貴様は…!魔人か!?モグモグ!残念だったな!ここは聖域!守護精霊様の加護の元よ!モグモグ、邪悪なものは立ち入ることはできん!!」
日本人では無いはずだが言葉は通じる
俺はニッコリとした表情で吠えた
「ここは俺んちの台所だ!!勝手に冷蔵庫を開けてなにが聖域だコラ!!魔人やら訳分からんこといいやがって!!燃やすぞ!?」
あ、相手が武器持ってるの忘れてた…oh、死んだ
すると《斧》を携えた男が俺の言葉に反応した。
「…なぬ!?今、この聖域を自分のものと言ったでゴンスか…?……もしや!守護精霊様ではないでゴンスか!」
ひょ?
インセク○ー羽○ばりに間抜けな声が出た
なにやらひどい勘違い&すれ違いが起きている
だが、周りにいた人間たちもその言葉に動揺していた
「あー、とりあえず、だな、お前達は誰で、なんでここに居るのか、説明してもらってもいいか?」
恐る恐る声をかける
「守護精霊様!どうか我々に聖域の加護を!」
あー、うん。
誤解を解くのも、もはや面倒だ
「…はあ、わかった、とりあえずお前ら、腹減ってんだろ?簡単なもんしか出せねぇからな?」
と、俺は祖母直伝のお味噌汁を振舞ったのだが。
「これは…神の御業」
「んまァァい!!っあっつ!!!!アアアアアアアアアア!!!!!」
「染みる!染み渡る!」
「やはりあなた様は聖域の守護精霊様…いんや!その上位の存在である守護神様だったでゴンスか!?」
………ん?勘違いが加速したな…まぁ、味に満足はしてくれたみたいだし良かった、良かった
「いや、良くねえよ!!!!!!!」
どうしてこうなった!!!!
続きを書くモチベをください。