0.最終章直前までの要約
※本話は最終章開始に当たって、直前までの内容が思い出せない方向けの要約です。
※内容を全て網羅しているわけではなく、最終章を読むのに差し支えない程度の最低限の内容となっております。
◆◇◆◇◆第一部◆◇◆◇◆
●第一章 入学編
社畜OL大橋零は、愛好する乙女ゲーム「Revolution」の世界にヒロインであるレイ=テイラーとして転生した。
同性愛者であるレイの推しは、攻略対象である王子様たちではなく、悪役令嬢たるクレア=フランソワだった。
クレアのいじめにめげず、むしろ喜々として受け入れるレイ。
彼女は、ロッド、ユー、セイン三人の王子に認められたり、ルームメイトのミシャに呆れられたりしながら、異世界転生を満喫する。
また、レイはクレアの父ドルと「お話」して彼女のメイドの座に収まることにも成功する。
同僚のレーネと一緒に、クレアのお世話をする幸せな日々を送りつつ、やがて来るクレアの没落を回避するためにレイは奮闘を始める。
●第二章 学院騎士団編
レイはクレアやミシャ、三人の王子と共に、学院騎士団という王立学院内の自治組織に加入する。
創立記念祭を経て、クレアとの絆を少し深くしたレイだが、クレアはまだまだデレない。
●第三章 平民運動編
全ての国民の平等を唱える平民運動と呼ばれる運動の機運が、学園内でにわかに高まった。
とある貴族が平民を手打ちにした中庭事件をきっかけに、運動は激しさを増していく。
その運動の裏にはナー帝国の間者にそそのかされたオルソー兄妹の暗躍があった。
学院内の貴族の子女襲撃を未然に防いだクレアとレイだったが、オルソー家は一家断絶の危機となる。
事件解決の報償としてレイとクレアが訴えたオルソー家の助命嘆願は、宰相サーラス=リリウムの反対にあうも王に聞き入れられ、オルソー家は国外追放となった。
レーネたちとの辛い別れを経験したクレアだったが、レイにほんの少し心を開く。
●第四章 恋の天秤編
スース王国第一王女マナリア=スースが留学生としてやって来た。
彼女はクレアの初恋の相手で、クレアとレイの間に亀裂を入れようとして来る。
マナリアはレイの「クレアさえ幸せならば自分はただのメイドで構わない」という考えを否定。
圧倒的な力でレイを打ち負かす。
ささいなすれ違いから危機を迎えたクレアとレイだったが、恋の天秤を巡るマナリアとの再勝負を経て、二人の距離は急接近した。
クレアはレイにデレ始め、レイはクレアのパートナーになりたいと素直に思えるようになった。
●第五章 バカンス編
バカンスの間、クレアの別荘やレイの実家がある港町ユークレッドへ帰省することにした二人。
父親のドルから貴族のあるべき姿を説かれ意気消沈のクレアを、レイは実家に招いた。
故郷の町で歓迎されるレイ。
その中には、レイに想いを寄せる冒険者のルイの姿もあった。
もやもやするクレア。
クレアはレイの実家を尋ね歓待されるも、貴族の生活と平民の生活の違いを目の当たりにする。
バカンスを楽しもうとする二人だったが、ユークレッドの海岸に幽霊船が現れ町は魔力の霧で外界と断絶される。
事態解決のために幽霊船攻略隊が組織され、クレアとレイもそれに参加する。
幽霊船事件の黒幕は、母親の命を人質に取られたルイだった。
クレアは貧しさが引き起こす悲劇をなくしたいと考え、平民の貧困問題に取り組むようになる。
そんなクレアを、レイは応援したいと思った。
●第六章 教会編
平民の貧困問題に取り組み始めたクレアだったが、その糸口はなかなか見つからない。
レイとクレアは平民に手を差し伸べている精霊教会の仕組みを知ろうと、大聖堂を訪れる。
そこで二人は枢機卿リリィと出会う。
彼女はレイと同じ同性愛を抱えており、ひょんなことからレイが慕われることとなった。
三人で恋バナをしている内に、レイの過去についても明らかに。
教会の仕組みを教わるお返しにと、クレアとレイは奉納舞に参加することになる。
合わせて明らかになるユーが女性であったという事実。
レイはユーがありのままで生きられるため、そして親友であるミシャの恋の成就の為に行動を起こす。
奉納舞の本番でユー自身に女性であることを宣言させることに成功したレイだったが、その責任を問われて捕縛される。
牢屋を出されバウアー王ロセイユが告げたのは、王立学院籍の剥奪と王の特務官としての任務だった。
●第七章 王宮編
王国内には、セインの生まれへの疑義やサッサル火山に関する噂が飛び交っていた。
そんな中、レイはロセイユの命で不正貴族の摘発に乗り出した。
クレアやリリィも一緒に、ロッドが調べていた下級の貴族たちから摘発し、司法取引を利用して芋づる式に不正を暴こうとしていた。
それはある程度の成果を上げたが、肝心のドルとサーラスの摘発には至らない。
しかし、レイたちはレジスタンスに接触してサーラスと前王妃の不義密通の手がかりを掴み、国王大権をたてにサーラスに詰め寄る。
サーラスは自分が破滅すればフランソワ家もただでは済まないと脅しをかけ、レイも一度はサーラスの脅しに屈して取り引きをしてしまう。
サーラスは口封じのために刺客を放ち、その中には平民運動編で現れた黒仮面も含まれていたが、なんとかこれを撃退する。
サーラスとの取り引きは上辺のモノだった。
従魔であるレレアの活躍もあり、レイたちはサーラスを外患誘致の罪で追い詰めることに成功するが、暗示によって人格を操られたリリィに苦戦を強いられる。
戦いの決着を見る前に、サッサル火山が噴火する。
これはレイの想定よりも早いものだった。
想定外の噴火から最悪の事態に陥るバウアー王国。
茫然自失のレイを励まし、王国立て直しの指示を的確に行ったのは他ならぬクレアだった。
レイはクレアを支えていこうと決意を新たにするが、そこに届いたのは第一王位継承者であるロッドの行方が分からないという知らせだった。
●第八章 革命編
サッサル火山の噴火により、バウアー王国は危機に直面していた。
農作物の不作による物価の高騰、それに便乗した商人たちの買い占めなど、平民たちの生活は徐々に脅かされていった。
そんな中、ドルを始めとする貴族が、王空位のまま貴族たちだけで政治を行う動きを見せる。
しかも、噴火対策のための増税政策を打ち出したことで、平民たちの間に一気に不満が広がった。
その流れはやがて革命という大きな流れに結びついていく。
平民たちのデモが起きる中、クレアはレイからここに至る全ての真相を聞かされる。
全てはドルの手のひらの上の出来事だった。
彼は自ら不正貴族の代表となることで平民たちに討たれ、貴族政治を終わらせようとしていたのだった。
レイもドルの計画に乗り、クレアが巻き込まれないようにとずっと画策していたのだった。
全てを知ったクレアだが、彼女はレイの思いも寄らない行動に出る。
彼女は貴族として散ることを選んだ。
レイはクレアに考え直すよう懇願するも拒絶され、絶望に打ちひしがれる。
しかし、駆けつけたマナリアに活を入れられ、再びクレアを取り戻すことを決意する。
迎えた処刑の日、レイはクレアに初めて本心からワガママを言う。
私の為に生きて下さい、と。
クレアはレイの涙に折れ、共に生きていくことを約束する。
友人たちの活躍のお陰で、レイとクレアは革命という時代の荒波を乗り越え、ついに結ばれたのだった。
◆◇◆◇◆第二部◆◇◆◇◆
●第九章 新生活編
革命から一年と少しが経ち、レイとクレアはメイやアレアとともに穏やかに暮らしていた。
メイがクアッドキャスター、アレアが無適性であることが判明するなどの事件はあったが、四人は概ね順風満帆な生活を送っている。
レイとクレアは教師としても、ラナ、イヴ、ヨエルをはじめとする新しい学生を迎え、そんな生活がいつまでも続くかと思われた。
しかし、バウアーからクレアに、帝国への交換留学生になって欲しいという依頼がある。
その内容は、クレアに人質としての役割を求めるようなものであった。
激高して拒否しようとするレイを抑えて、クレアはその求めに応じる。
クレアはまた自分を置いていってしまうのか、と絶望しかけたレイにクレアが言う。
一緒に来てくれる、と。
二人だけ取り残されるのは嫌だと泣く双子も連れて、レイたちは帝国へ行くことを決断するのだった。
●第十章 帝国国学館編入編
ナー帝国へとやって来たレイたちは、帝国国学館の学生としての生活を始め、そこで皇女フィリーネと出会う。
彼女と交流を持とうと悪戦苦闘するが、なかなかその機会が得られない。
ひょんなことから彼女と打ち解ける機会を得たレイたちは、徐々に親交を深め、フィリーネはクレアにほのかな思いを寄せるようになる。
精霊教会の教皇がナー帝国を訪れることになり、レイたちはその為に街道の魔物駆除に当たることになった。
その中で魔族と呼ばれる存在に襲われ、危ういところを駆けつけたリリィに救われる。
リリィから魔族についての知識と対策方法を授けられ、レイたちはその脅威に備えるのだった。
●第十一章 教皇暗殺編
バウアー王国の牢獄からサーラスが脱獄したという一報を受けたレイたち。
帝国にやって来たドルは、前バウアー皇太后リーシェに教皇暗殺の噂があるという情報をもたらす。
そのリーシェから、教皇行幸の警備責任者に任じられる二人。
教皇クラリスはレイにうり二つで、レイはクラリスの替え玉を命じられるのだった。
いくつかのトラブルを経て、ついにドロテーアとクラリスの会談が始まる。
そこへリーシェの手引きを受けた三大魔公の一人による襲撃があった。
襲撃は未遂に終わったが、ユーをかばいリーシェが命を落とす。
ユーは言う。
リーシェとはすれ違いがあったが、それでも彼女は間違いなく母だった、と。
●第十二章 舞踏会編
フィリーネのお披露目舞踏会が開催されることになり、レイはヒルダから帝国の料理時情の改善を依頼される。
料理勝負を経てそれに成功したレイ。
褒美として、アレアは剣神である皇帝ドロテーアに弟子入りすることになる。
舞踏会もつつがなく終わるか……と思いきや、ヒルダがフィリーネに見切りをつけようとする。
ショックを受け、フィリーネは舞踏会を途中退出してしまう。
フィリーネに呼び出されたレイは彼女に害されそうになるが、これを未遂にとどめる。
腹を割ってフィリーネと話し合い、レイは彼女との信頼関係を結ぶことに成功するのだった。
●第十三章 帝国籠絡編
フィリーネと一定の信頼関係を構築したレイたちは、いよいよ本格的に帝国籠絡作戦に乗り出した。
まず、帝国の魔法部門に太いパイプを持つヒルダに交渉を持ちかけた。
そして彼女をフィリーネの騎士に任じること、魔法部門の頭を長らく悩ませていた禁忌の箱を開封することによって、彼女の協力を取り付けた。
次に帝国内に潜伏する反政府勢力に協力を求めるため、フリーダにも交渉した。
祖国の復興と派政府勢力内で起こった殺人事件を解決することで、彼女の協力も得ることが出来た。
いよいよ反ドロテーアの動きを加速させようとした矢先、ドロテーアから告げられたのは、フィリーネの国外追放という沙汰だった。
●第十四章 教え子編
帝国籠絡が振り出しに戻ったレイたちの元に、バウアー、アパラチア、スース、ナーの四カ国による首脳会談の知らせが届いた。
準備を進める一方で、教え子達に関するトラブルが舞い込む。
婦女暴行の容疑で捕まったヨエルは、実は性的アイデンティティが女性であることを隠していた。
異性病を利用することで女性の身体を手に入れたヨエルだったが、裁判の結果、バウアーに戻されることになってしまう。
イヴからの誤解を解こうと話し合う中で、レイは彼女がかつてマナリアの思い人だった侍女であることを知る。
イヴは暗示を受けており、それはなんとか解呪するものの、ラナがサーラスの関係者であることが判明する。
ラナに双子を誘拐されたレイとクレアは、二人を取り返しにラナの元へ。
ラナに賭けられた暗示も解呪し、二人はサーラスを絶対に許さないと誓うのだった。
●第十五章 首脳会談編
首脳会談を前に、レイとクレアはその協力を拒まれた。
ここからはもう大人に任せなさい、というのがドルたちの言い分だった。
釈然としないクレアとレイの前に使徒と呼ばれる存在が姿を現す。
使徒は二人に合唱という魔法技術を与え、魔族に対抗するよう促す。
一方、学館ではオットーの様子がおかしく、問い詰めると彼はクーデターに関する情報を持っていた。
そのことをドルに報告すると、彼はそれを外交的にい利用しようとする。
アパラチア王ウィリアムの助言で彼はそれを思いとどまり、レイたちはクーデター阻止に動く。
皇帝の側仕えヨーゼフの助力も得て、なんとかクーデターの首謀者を思いとどまらせ、いよいよ会談が始まった。
帝国の外交的な不利を突きつけ、侵略的な外交を翻意させようとするバウアー、スース、アパラチアの首脳陣。
しかし、頑ななドロテーアはそれを拒絶し、首脳会談の参加者を皆殺しにすると宣言した。
レイたちの活躍でなんとか時間を稼ぎ、その間にかけつけたフィリーネによって、ドロテーアは遂に敗北する。
彼女の口からこぼれたのは、帝都を魔族が襲撃するだろうという予測、そして魔族たちを束ねる魔王の存在だった。
●第十六章 帝都襲撃編
侵略外交を進めてきたドロテーアの真意は、人類の総力を結集して魔王という存在に対抗することにあった。
外交的に敗北したドロテーアがフィリーネに帝位を譲る中、魔物たちが帝都襲撃を画策していることが判明する。
設置型魔道具インフェルノによって、それを一網打尽にしようとするドロテーアの策は、魔族たちの奸計により不発に終わる。
フィリーネは帝都を一旦放棄し、魔族たちとの最終決戦に臨むことを宣言するのだった。
帝都撤退戦の中、ドロテーアは三大魔公アリストを道連れにして逝く。
避難民の列を護衛するレイたちの前に、とうとう魔王が姿を現す。
圧倒的な力を示す魔王に対し、絶望し掛かっていた皆を叱咤するクレア。
戦闘の中でクレアはとうとう魔王の正体にたどりつく。
魔王の正体はレイだったのだ。
●第十七章 世界の真実編
駆けつけたロッドのお陰で窮地を脱したレイたち。
魔王の正体とその真意に首を傾げる彼女たちに、使徒――TAIMが答えた。
使徒は人工知能であり、この世界は異世界ではなく未来の地球であること。
かつて人類は存亡の危機にあったこと。
大橋零とクレア=フランソワという二人の科学者がループシステムを作り出したこと。
世界はもう何度も繰り返されていること。
無限に等しいループの中で、クレアへの思いが歪み、零は魔王と化してしまったこと。
そして、レイは魔王討伐のために生み出された存在であるということも。
明かされた真実に戸惑うレイたち。
そこに魔王の念話が響き渡る。
彼女は全ての人類に言う。
世界を滅ぼされたくなければ、クレア=フランソワを差し出せ、と。