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貌(かお)を捨てた女  作者: 八本
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ナノマシン整形

頑張ります

人類が発展し続けた世界で、ある一つの発明が発表された。


「軟体化ナノマシン」である。超小型のナノマシンを体内に注射することで、ナノマシンが骨を溶かし、その代わりをナノマシンそのものが引き継ぐ。ナノマシンには、骨の代わりになり体を保持・保護する通常形態と、筋肉として体を動かす運動形態の2つの機能があり、運動形態になった場合は指や体を軟体動物のように動かすことが出来る。本来は、体に障害を持つ人のために開発された技術であったが、この「軟体化ナノマシン」に目をつけたのが整形の分野だった。

 当時、人類における整形は至って普通のものとされていたが、整形方法は主に手術といった医療行為で、自分の思った通りの姿になることは不可能だった。しかし、「軟体化ナノマシン」を応用すれば骨格など気にしないで、なおかつ筋肉の形も思うように生成することが出来れば自由に、なおかつ少ないリスクで理想の姿に生まれ変わることができる。「あなたの理想の姿へ、いつでも、いつまでも」というキャッチコピーを掲げて整形業界は飛躍的に発展した。その結果、先進国では七割を超える人がこの「軟体化ナノマシン」を使用した整形を行っていた。七割といっても二十代から三十代の男女のほとんどが整形を行っており、素のままの顔であるのは老人が多かった。

そんな中、時代に逆行し整形を行わない一人の女がいた。名前は「斉藤 朱莉あかり」といい、サラリーマンの父と専業主婦の母を持つ普通の家庭で育ち、現在大学三年生だ。誰もが振り返るような美人ではないものの、容姿はいい。そんな朱莉が今まで恋愛のれの字も経験したことがないのは朱莉の性格によるものが大きいだろう、昔から筋を通す性格をしているのに加え大学で専攻している生物学を愛し自然に反することは大嫌いだ。周りのほとんどが整形をしているのに朱莉が整形を行わないのはこのような性格によるもので、整形もしておらず容姿がいいことから近づいてくる男は多いものの、性格の合わなさから恋愛に発展することはなかった。



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