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02女性と神様



「オリヴィエ、と申します」

 昼食を腹に収め、ぺこり、と女性は礼儀正しく上半身を折った。彼女の動きに合わせて、絹糸のような髪がさらさらと揺れる。顔立ちはくっきりと可愛らしく、寝ていたために解らなかった瞳は、髪と同様の金色だった。

 左耳には赤いピアス。右耳には青いピアス。魔紋の刻まれた『魔石』であれば、それらは自身の魔法を高めるための補助具足りうる。けれど、ケイネの彩度の高い赤紫色の『瞳』には、一切の魔力を感知出来なかった。ケイネの左目は、観察眼や魔力の感知能力を上げるための装飾が施されている。それに引っかからないと言う事は、ただの装飾具なのだろう。


 先ずはお礼。道中倒れていた自身を運んでもらった、ベッドを貸してもらった、食物を分けてもらった等の礼を述べた後、彼女はやっと自身の名を告げた。


「俺はケイネ。で、あんた何で、あんな所で寝てたんだ?」

 本来ならば、話す時は食事の手を止めるのが礼儀である。だが、ケイネの食事はまだ終わっておらず――オリヴィエは三日三晩食事をとっていなかったらしく淑女らしく丁寧に、けれども俊敏に食事を終えた――彼女に話すのを待てと言えるほど、ケイネは淡白では無い。

 と言うか、とても気になっていたのだ。彼女があんなところに倒れている理由が。


 なので、不躾を承知で一度謝罪を入れた後、ケイネは名乗り、そして彼女の都合を聞いた。

 高級そうな衣服に身を包み、気品を漂わせる所作。一応言葉遣いも。

 貴族の出であることは間違いが無く、家名を名乗らなかったのも、辺境の地に住む情報に疎そうな存在ですら名乗れば解ってしまうような、そんな超が三つついてもなお足りない、名の通った大貴族に他ならないからだろう。

 ケイネもこれで、此処にいる期間は程々に長い。こんなところ、目的も無く訪れる者は皆無である。ケイネだって、住んでいなければ絶対に近寄らない。一般人は勤勉に働くので手一杯なので、態々こんな地に来る暇があるのは、時間を持て余した金持ちくらいしか、いないのだ。


 そして、此処に来る殆どの者の目的は、十割の確率で一致していた。

 迷惑な話である。

 ケイネは気付かれない様に息を吐き、パンを一欠片千切り、スープに浸けて口に運んだ。うん、美味。


 オリヴィエは「はい」と、澄んだ硝子のように透明な声で返事をする。

「ケイネ様は――」

「待って、様はやめて。様はやめて」

 話し始めたオリヴィエを手で遮りつつ、ケイネは二度、同じ注文を彼女に投げた。ケイネは一介の世捨て人である。誰かに『さん』付きで呼ばれた事はあっても、『様』付きで呼ばれた事は無いし、そんな地位も権力も無い。

 相手に敬意を表しているのだと言われても、ケイネが嫌だと感じるなら、それは最早押し付けであり押し売りだ。


 ケイネが全身でこの不気味さを訴えかければ、女性はきょとんと瞳を丸くし、「はぁ」と曖昧な返事で「ケイネ、さん」と呼び変えた。

「それで」

 言葉少なに及第を伝えれば、彼女は綻ぶように微笑み、嬉しそうに「はい」と首を少しだけ傾けた。


「えぇと、ケイネ、さん、は、こちらにお住まいなのでしょうか?」

Jaヤー。……あ、悪い。イエスイエス。住んでんよ」

 幼少時の癖が抜けず、ケイネは方言で肯定を示した事を謝罪し、会話の続きを促す。

「お一人ですか?」

「一人じゃ無かったら、もっと料理作ってるし、多分村の方に住む」

「村?」

 疑問を投げる女性はケイネと同等程度の身長を持つにも関わらず、小さな動きが少女のようで可愛らしい。美貌を備えてもいたが、身長の割に童顔なのか、年齢の割に身長が高いのかは解らないが、ケイネが好感を覚えた事だけが、事実と言えるだろう。


 ケイネは殆ど小さくなったパンを持ったまま、左手をびしっと伸ばし、扉の方を指差した。

「下っていうか左っていうか……此処よりもっと標高の低いとこに、小さな農村があんの。隣の木の少ない山と繋がってて、そっちで酪農したりしてる、土地は広いけど、人は少ない村ね。俺のルートを辿れば、ここからなら一時間くらいで着くかな」

 言いきる前に左手を引きもどし、一口サイズに千切ったパンを開いて、サラダの最後の一口分を包んんだ。口に放ると、シャキシャキという良い音を鳴らして噛み砕き、胃へと流し込む。ドレッシングの酸味と、野菜の甘さが丁度いい。

 主食が無くては副菜を食べられないのがケイネの食べ方の特徴だが、副菜が無くても主食を食べられないというのもまた彼の特徴であった。なので充分に計算しつくし、スープを啜り、最後のパンを口に含み残ったスープの具を一緒に口の中にかきこめば、ケイネの食事も終了である。


「ごちそうさまでした」

 両手を合わせ、一言、食した命に感謝の言葉を示す。挨拶は自身でなく相手のためにある言葉だと言う。けれど、情けは人のために為らず、自身のためにこそその行為をするのであれば、きっと、挨拶も同じなのだろう。『感謝を示した』という形を示すことで、自身は命に感謝をしているのだと周りに知らせる事が出来る。形ばかりに捕らわれる意味は無く、本質の伴わない装飾は、罪。


 だからと言って、ケイネの言葉の中身が抜け作だという事は無い。確かに挨拶は沁み込んだ彼の癖だが、彼は本質を理解し、自身を生かす存在に、自身が喰らった存在に、確かに感謝を持ってそれを示していた。

 死ぬ時は山の土となる。

 それがこの山で生きる、ケイネの決心の一つである。村人や山、そこに存在する生命を愛す、彼の我儘だった。


「わたくし、人を捜しております」

 暫しの沈黙ののち、オリヴィエは瞳の奥に覚悟の炎を灯し、ケイネを正面から見つめ、しっかりと言葉を発した。

 伸びた背筋。凛とした表情、振る舞い。

 彼女は緊張を使いこなし、一つの自分の力として上手く利用している。彼女は可愛らしいが美しく、一本芯の入った人間性が、彼女の魅力を引き立てていた。


 ケイネは自身と彼女の食器を重ね、自分の方へ引き寄せる。洗い場に運ぶには、一緒にしてしまった方が楽だからだ。

 素知らぬ顔で他所事をしながら、ケイネは内心溜息を吐きたくてたまらなかった。やはり。やっぱり。


 此の地に足を踏み入れる者は、皆同じことを言う。

『人を探しています』

 一筋の希望に縋り、雲を掴むよりも難しい人探しを遂行する。

 それだけ必死なのだろうという感心よりも、それに関して巻き込まれるケイネはうんざりが勝った。そう数の多い物でも無い。一年に一回あるか無いか。けれども、こういう人間がくる限り、たった一人此処に住居を構えるケイネは、面倒事に翻弄されるしかないのだ。


「……ちなみに、どんな人?」

「《刺青師》様です」

 そらきた。

 心の中でツッコミを入れ、口では「ふーん」と、さも心当たりはありませんとばかりに告げる。



 五十年程前、王都を中心に、ある一人の《刺青師》が現れた。

 ウェラート・エングストランド。

 五十年経った今でも、彼の名を知らぬ《刺青師》はおらぬ程の、名の知れわたった超有名人である。

 

 勿論、ケイネもその名は良く知っていた。

 これでも彼は、一時期夢を持ち、《刺青師》として生計を立てようとしていた事があったのだ。

 こんな所で住んでいることから解るだろうが、それは失敗に終わった。それでも、村人は等しくケイネの客で、ケイネの家族。ケイネの作品こどもたちを嫁がせてくれた、心優しき人たちなのだ。


 そんな平和な村の山に、ウェラートがいる。そういった噂が立ち上ったのは、彼が失踪して、すぐ後のことだった。


 ウェラート・エングストランドなど、とんでもない。

 どこからその噂が出たのかも解らない。だが、それは確かにケイネの首を絞め、村人たちの首をも絞めていた。


 こんなド田舎――もとい山奥には、当然ながら《刺青師》のような存在はいないと思われている。実際にケイネはいるが、村自体には住んでいないし、移り住んだ最初の頃は、村人との交流そのものを避けていた。

 そこに、偶に現れるのだ。《刺青師》の来ないような寂れた辺鄙な地に、相場以上の値段をふっかけて、下手糞で能力もそれほど無い刺青を彫りに来る、下等の《刺青師》が。

 意匠も能力も確かな存在は、決して此処まで来ることは無い。彼らは王都や他の大きな街に自身の店を構え、そこを拠点に、依頼が来て自分がやりたいと思えばそこへ行く。もしくは来てもらうのが彼らの在り方だからだ。


 刺青まほうは便利だ。だがいくら独学で学んでも、彫り込まなければ人間はそれを扱う事は出来ない。

 だからこそ《刺青師》は、法外な値段すら取る事も可能だった。けれど、そこに道徳は無い。人を金蔓としか思わない、極悪非道の行いは、ケイネの良しとする所では無いのだ。

 故に、ケイネは村人に名乗り上げたのだ。

 金は取らない代わりに、質素で独創性の欠片も無い、魔法を授けるために必要な模様と文字だけを彫らせてくれ、と。


 それ以降、彼らが登って来た《刺青師》を頼ることは無くなり、ケイネは村人との接点を得た。本来、人と接することは倦厭する所では無い。ケイネは結構人が好きだし、人に懐く。最初は単にきっかけが無かっただけ。村人には悪いが、幸運だったと言えなくもないだろう。


 だが、ウェラート・エングストランドは、居ない。

 《刺青師》の神とまで呼称された彼は、突如煙のように姿を消し、行方知れずのまま。

 もし本当にこの山に居るのなら、ケイネが知らない筈が無い。これでも《刺青師》の端くれだ。彼の名の大きさは知っていたし、その弊害も、同時にきちんと理解していた。


 ここにいる《刺青師》はケイネだけ。これは確かである。

 村人の腕や足、腹や肩や背中に彫り込まれた刺青は、ほぼケイネの作品だ。けれど――


 古く極端な話をすれば、ウェラートを隠しているのではないかと疑われ、村人が殺されることも、あったのだ。



「その方の名は――」

「悪いけど」

 ケイネは立ち上がり、器用に食器の塔を持ち上げる。


「ここに神様ウェラートはいないよ」

 最後の一文字を聞かず、ケイネは強引に話を終わらせると、食器を持ったまま、洗い場である外へ出ようと、出入り口へと歩きはじめた。


「お、お待ちください!」

「あ」

 オリヴィエの制止を聞いたのでは無く、一つ思い出し、ケイネは足を止めた。

 ケイネを追おうと勢いよく立ち上がったオリヴィエは態勢を崩し、「きゃあ」と叫びながら、ケイネの丁度隣に落下する。


「うっわビビった……危ないなオリヴィエ。女の子が肌に傷なんか作るもんじゃないぞ」

「ははははい……だ、大丈夫です……」


 咄嗟に膝を折り、足に彫られた魔法の効果で彼女の重力を消しながら、太腿で彼女を支えた。オリヴィエは相当驚いたらしく、ケイネの足につかまったまま、中々体を起こそうとしない。

 仕方が無いので、片足でも全くブレない凄まじいバランス感覚で、姿勢を崩さないまま立ち続けるケイネは、その状態のままでオリヴィエに問いかけた。


「風呂、沸かそうと思うんだけど、入るか?」

「ふぇ……お風呂……?」

 丁寧だった言葉を忘れ、単語だけで疑問を表すオリヴィエ。食器を落としてしまいそうで怖いので手は貸せないが、彼女が自分の足でしっかりと地を踏むまで、ケイネが足を下ろす事は無かった。

「そう、風呂。ウェラートは此処にはいないけど、その辺の話も含めて、あんたが風呂から出たらにしよう。こっちもこっちで、やりたいことがいくつかあるんだ。良いよな?」

 疑問形で聞きはしたが、ケイネは最早そういう予定で動く気が満々だったので、『いいえ』を受け付ける気は全く無い。家主はケイネであるので、オリヴィエの拒否権は無いのだ。


「で、ですが……」

 オリヴィエはしどろもどろになり、言葉を選ぶように押し黙ってしまった。片方の手をもう片方の手で、胸元でぎゅっと握る。ケイネは行動の意図が解らず、疑問符を飛ばすしか無い。「どうした?」と聞けば、「あの……」と呟くばかりだった。

「……あ、俺が男だから?大丈夫。覗きゃしないし、川に水汲みにも行かなきゃだから、あんたはゆっくりしててくれて構わない」

 手伝ってくれるとしたら、もっと文句が無いのだが。むしろ感謝しなくてはならないレベルである。

 よくよく考えれば、彼女の服も洗わなくてはならないのだ。布団も恐らく砂だらけなので、そちらもどうにかしなくては。ここでは難なので、彼女を麓――せめて中腹の村までは送らなくてはならない。彼女の私物である洗濯物は、後日村に届けてやれば問題無い。


「…………」

 一つ思い当たると、一気にやることが増える。普段一人で好き勝手やっている分、そういった事が重なり、どれも優先順位が高いと、総てを放棄したくなる嫌な癖が出そうだった。

(ダメ。客がいるんだ。不本意だけど、女性の客がいるんだ……)

 しかも、初対面である。

 投げ出さんとする怠惰な自分を抑えこみ、ケイネは一度食器をテーブルの上に戻した。

 風呂は今朝洗って、既に水も注いである。あとは焚くだけなのだ。


 オリヴィエを置いてけぼりにして、ケイネは入り口とは反対方向にある扉の方へと歩いて行く。早足ではないので、小走りで駆けて来たオリヴィエに袖を引かれるのも、仕方が無いと言えた。

「何よ。お風呂入りたくないのか?」

「い、いえ、決してそのような……その……」

 ケイネが呆れた声で問いかければ、オリヴィエは精一杯、自身の疑問を言葉にしようと考えこむ。その様子に、疑問が浮かぶのはケイネの方だ。たかが風呂。それが彼女にどんな疑問を与え、何を言わせようとしているのか。


「あの……」

「ん?」

 暫くという程の時間も無く、オリヴィエはケイネの瞳を見据え、困ったように眉を下げた。


「……その……お風呂は、ケイネさんのお言葉から察するに、此処ではそんなに簡単に沸くのですか……?」

「…………?」

 小首を傾げて聞いて来るオリヴィエに、ケイネは彼女の傾きよりも深く、首を曲げた。ほぼ地面と水平である。


 《刺青師》の本質は、刺青を入れる、その行為自体にある。皮膚を刻み、その傷跡に魔法扱い方等を焼きこみ、沁み込ませ、例え持っていなかったとしても、知識がほぼ零に近かったとしても、刺青を入れた者は入れた瞬間から、何の苦も無くその魔法を発動することが可能になるのだ。勿論本人の物となった魔法は、各個人の持つ魔力により発動するので、使用を重ねるには限度がそんざいするが。


 魔術に対する理解、装飾に込められた意味と想い、《刺青師》の実力が、与える魔法の能力を左右する。

 だがそれは、決して、人体に限った事では無いのだ。


 先代が創り上げた方法。刻み、法の意味を、象徴を与える行為。

 例えば、今ケイネ達がいるこの部屋のテーブル。そこに紋様を刻んだとしよう。誠心誠意、一刀入魂。ケイネが粉骨砕身してそこに紋様を刻み、魔力を流しこめば、それは魔道具と化す。その紋様のことを『魔紋』と呼び、世間には人体に色を入れられない見習い《刺青師》たちの試作品が多く並び、粗悪品は多い物の、それでもかなり重宝している筈だった。

 つまり、浴槽に模様を刻み、風呂を簡単に沸かすようにすれば、風呂は簡単に沸くのである。

 それは誰が発見した技術でも無い。《刺青師》ならば、誰でも知っている事で、勿論、どこにでも浸透している物だと、ケイネは、思って――


「……え……普通じゃないの?」

 若干血の気の引いたケイネの疑問に、オリヴィエはこくんと一つ頷いた。


「我が家には、その……古くから使われていた湯船がございまして、それを使用して沸かしておりますが……一般家庭には、普及しておりません」

「…………嘘だろ……」

 嘘、と言うより、何故。

 ケイネは片手で顔を覆い、下界の愚かさを憂いた。

 魔石を彫り込む暇があるのなら、何故庶民の浴槽に紋様を刻んでやらない。そちらの方が儲かるだろうに、現代に生きる《刺青師》たちは、そんなに馬鹿なのだろうか。


 魔法と言うのは、日常の便利にこそ必要な物だ。

 攻撃等の特殊な魔法は、騎士たちにこそあれば良い物。この国の騎士や冒険者等の戦闘を日常に置く者は、人口のたった二割で、残り二割は貴族や神に仕える者。残りの五割が庶民で、最後の一割が特殊な職業や民族の者たちだ。

 発祥も庶民たちからの生活に対する利便のためだったと言うのに、いつしか形を変え、刺青は戦闘の道具に成り下がった。

 需要に対する供給というのは解るが、だからと言って、力無き者を放置して良いという図式にはなりえない。


(……確か、お師匠の話では、騎士たちのが金払いが良かったから、そう転んだんだったかな……)

 師匠と言う名の災厄を思い出し、ケイネはぞっと背筋に悪寒を走らせた。本当に、酷い人だった。今にも扉が開き、無駄に良く通る高笑いを披露しながら、ケイネに無理難題をふっかけて来そうで、ケイネは自身の腕をさすった。


「えーっと……俺は……そう、六年くらい前から、此処に住み始めたんだ。この小屋、近くの採掘場で仕事するための鉱夫達の寝泊まり場でさ、風呂はそれを洗って、そのまま再利用してる。いつから小屋が立ってたのかは知らねぇけど、装備は昔と変わってない。それ使ってるだけだから……ウン、ここでは、普通に沸くんだよ……」

 それほど変な事は言っていないが、ケイネの態度が、不審を彩っていた。

 失態である。

 ケイネの《刺青師》としての知識が邪魔をして、彼の首を絞めた。


 実際、風呂は元あった物を再利用した。

 だが、紋を刻んだのは、他の誰でも無い、ケイネ自身である。

 竈の石にも、同じように紋を刻んだ。おかげで火が無くても調理ができるし、ベッドの裏にも似たような紋を刻み、冬場はいつでも暖かい布団にくるまれるように色々と堕落した工夫もした。

 まさか、それを知らない者がいるとは。


 視線を合わさず、明後日の方向を向きながら早口で説明するケイネに、オリヴィエは不審を抱きながらも、「はぁ」と曖昧に納得した。

 悟られない様に、ケイネもはぁと息を吐く。 

 これからもし人を拾っても、風呂に入れるまでは丸一日かけようと、ケイネは心に刻み込んだ。






オリヴィエさん

金髪ストレート(ちょっと癖がある)で、長さは胸元くらい。瞳も金。目元ははっきりしてる凛とした顔立ちの見た目はお姉さんなお嬢さん。良く食べるほうなので、ケイネさんの出した食事の量じゃ満足できてないけど、淑女なのでそんなこと言いだしません。

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