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魔がくっ!  作者: ZeroSt
大悪魔(ルシファー)の赤い糸
19/22

癒麗の過去

6歳の時、午後3時04分。

空に威圧感を感じ、そして自衛隊のヘリが通る数倍のゴゴゴゴゴと言う音に思わず空を見れば黒い点が見えた。

それは物凄いスピードでこの日本に落下してくる。恐らく落ちれば日本全体、いやそれ以上の被害が出て…ここ一帯どころか日本全体に大影響するだろう。幼い私は上から落ちてくる異物をただ平和的にぼうっと眺めるだけだった。隕石ってなあに?という状態の私だったのだ。私には異物でしかない。


ゴゴゴゴゴゴゴと計り知れない恐怖の音が全体に響き渡った時、流石に幼い私でさえ恐怖に感じた。


「じしん…?」


だとよかったのだが。


かなり接近してきたのか、いきなり熱風に襲われる。それは人体では耐えられる温度であったが、徐々に熱くなり皮膚が焼けるほどにまで接近した。しかしそれは星から見ればまだ遠いもので、地面に隕石が堕ちる頃には私達は溶けて無くなってしまうだろう。

日本の国民はもう誰もが死を予測した。


でも………私は諦めなかった。

日本の国民のほとんどが希望を投げ出していたというのに、私は諦めなかった。正直、今思うと笑える話でもあるのだ。幼かったからこそ、許されるものかとも思った。


「どうにかなる、こ…こんな隕石…ふっ飛ばしちゃえばいいんだ」


嘗て夢物語を信じていた私は隕石を跳ね返そうと試みていた。

勿論出来るとは思っていない。本当に、今思えば笑える話だとは思う。実際、その場にもう二度遭遇してしまったのなら私は死を前に跳ね飛ばすなどとは考えないだろうから。

しかし、少しでも絶望から解放されれば良いと思っていたのだ。絶望感の中、息絶えるのは最悪の死に方だと私は思った。





でも出来たんだ。ありえない事が出来たんだ。


私の手から何か浮き上がった何かが、そしてその私が放ったものは隕石を木端微塵にしたんだ。跡形もなく。

自分も何が起こったか分からなかった。でも、自分でやった事は分かった。

最初は幻覚かとも思った。しかし、手にはちゃんと感覚があったのだ。己の手から放たれたあの感覚が。

それも幻だったのだろうか…と今思うと全然わからない。しかし隕石はいつまで経っても落ちてこなかった。天文学者によれば、人間が死ぬ一歩手前まで接近していた隕石は突如最初から存在していなかったかのように抹消したと言うものだから、唖然となった。


夢物語を信じていた私に神は微笑んでくれていたのか?

それともただの偶然か?いや、偶然なんてありえない。


だから、私の手から物凄い勢いで隕石を打ち砕いたこの能力は…多分魔法なんだろうと思う。

あの不思議な感覚が魔法と言うならば、今ならば納得出来る話だ。


そうして私はここにいる。

その隕石を跡形もなく粉砕した後、霊が見えるようになった。

いや、霊と言っていいのだろうか…恐竜みたいな、化け物みたいなものが町中を徘徊していて、その化け物は人の魂を喰らっていた。


食われた人の魂は、人間の世界で言う病死や事故死、変死など様々な死の形を作っていた。

そのとき、ふと思ったのだ。

この世界は人が病で死ぬのも事故で死ぬのも、寿命で死ぬんじゃない。


全て「魔物」が人を喰らっていたのだ。




私はそのファンタジー且恐ろしい現状を目の当たりにし、地球に居るのが怖くなった。だからこの世界に来た。

どうやって来たかは分からない。いつの間にかそうずっと思い続けていたら声が聞こえて…そしたら私は門の前に立っていた…


そんな唐突すぎる出来事だったのだ。


笑い事だと思うのだろう?

でもこれは私が実際に体験した、リアルなのだ。

誰が何と言おうとも、これが私の現実だった。とても現実と思えるものではなかったけどね。





「癒麗、ちょっと魔気発生させてみろよ。精神を集中させて手に力を込めるんだ」

私は帝斗の言葉に頷き、精神を集中させて手に力を込めた。


しかし、中々出来ない。コツがあるんだろうか…



「癒麗さん。何も考えないで、ただ手に力を込めるの。そしてやろうとする気持ちも大事よ。こんな短時間では出来ないかもしれないけど、頑張ってね」

一生懸命やろうと努力する私にセイナは助言してくれた。嬉しい限りである。セイナさんはそう言った後、シロナやエドの助っ人をしていた。


頑張ろうと精神を集中させて手に力を込めるとほんの少しだが魔気が出た。


それを見た帝斗はやったな、と腕を組んで笑っていた。偉そうではあるが素直に喜んでおこうと思う。


それに…過去に体験した手から放たれたあの感覚と同じだ…。ということに驚いた。

やはりあの隕石の事件は、魔法だったのだろうか。




「そういや、お前ってどうしてここに来たんだっけか?」

「え?」

「あっ、私も聞こうと思ってた!!どうしてぇ?」


帝斗が言いだした途端、質問攻めを喰らう私。果たしてこの事を話していいものだろうかと悩む。この出来事は私だけの衝撃的な思い出であるし、人に容易に話していいものだとは思わない。

私は心の中で頷き、口を開いた。



「悪いけど…私に起きた現象がどういうものなのかわからないの。確証もないし、まだ教えられないわ」

そう私が否定すると皆は残念そうに諦めてくれた。こっ酷く言われると思ったが案外直ぐに引いてくれた。



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