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魔がくっ!  作者: ZeroSt
大悪魔(ルシファー)の赤い糸
15/22

力と知能


そんなに恐ろしいなら全力で諦めてスライディング土下座しながらバックで逃げた方が良いんじゃないか…なんて考えていたらセイナが手をポンと叩いて閃いていた。



「そう言えば、勝たなくてもいいんだったわ!」


何を言い出すかと思えば勝たなくていいと来ました。



(でも…さっきの言葉の矛盾してるよね…?)

先程から矛盾が多いと思った癒麗である。



「勝たなくても良い?どっちなんだよ、意味分かんねぇよ」

「だから、無理して勝とうとしなくていいのよ。どうせ勝てないんだから」

「今更だけど、それ言われると凄い傷つくよねぇー」


もう勝てない事は前提にしているのだろう。勝てないと分かっていても諦めてしまうのはなんだか悔しいと本能がそう言っている。しかし殺されるくらいなら諦めてしまったほうが安心すると思ってしまう私は戦いには向いていないのだろうか。



「勝つのは諦めなさい。その代わり気に入られればいいのよ。SSメンバーがその相手を気に言ったら不戦勝って事も出来るのよ!SSメンバーも勝ってばかりで退屈してるみたいだしきっとそう言う事もあると思うの」

「そう言う手か!!」


納得したように皆の表情は希望が見え始める。

そこにプリッツェナが水を刺した。



「誰が、選ばれるの?どうやったら気に入られるのぉ?」


一瞬で元の深刻の顔に戻ったメンバー。



「お前空気読めぇー!!KY野郎!それ言ったらやっていけねぇだろうがー!!」

CクラスににもBクラスにも、もしかしたらAクラスにも聞こえる勢いで帝斗が良くないハッスルをしたのだった。



「とりあえず、そこは考えるな。そうだ、そこを気にしちゃおしまいだぞお前ら」

『おう』


「なんとしてでもSSメンバーの気を引くんだ!…何処に居るか分からないけど…」

『おう!』




「そして俺らが勝ち組になるんだあああああ!!!」

『おおおおおおおおう!!!!!!!』


「五月蠅いわよ、Dクラス!」











「いいか、とにかく目立つんだ。アイツ頭可笑しいと思えるほどの芸をやるんだ!いいんだ。俺らはDクラス。落ちこぼれだから何を言われ様が気にしない性質だからな!」

「それは月島くんだけじゃないの?」

「芸やるんですか?!」

何か訳のわからない方向に進んでないかこれ。帝斗さっきから興奮してるけどどうしたの?何かが乗り移っちゃったの?




「耐えるんだよ、馬鹿野郎ぉぉぉぉお!!!!!」


「五月蠅いわよDクラス!!」


さっきから先生が不憫なんだけど。帝斗の煩い声に他の生徒も悩まされてるんだけど?




「そうだ、こういう風にどんどん問題を起こしていけばいい!退学なんてないし、自由なんだよ!それよりまずは明日のテストだ。いいか、点数が悪かったものについてはどんどん置いて行く!覚悟は出来てるな?」

もうついていけないよ私。


Dクラスの方向性は一体どこに向かっているのか私には理解出来なかった。いや、違うな。理解しようとしなかった…が正しい。

こんな馬鹿野郎共と一緒に肩を並べて歩くなんて事は絶対に無いだろう。問題を起こしていけばそれこそ目立つ。目立つ作戦ではSSクラスの目にも止まってしまうかもしれない。

彼はそこが狙いと言っているのかもしれないが、彼らから見たらただの煩い迷惑阿呆集団としか思われないだろう。注目されるなんて事はない。ただ、お気に入りの対象からも除外されるということだけは確実に私でもわかる。


もういいや、面倒くさいし。


Dクラスの無駄に無駄な行動力に私はため息を吐くばかりだった。






私達は試験のためだけに残された時間を有効に使った。私はやらなくてもやっても変わらないと思うので、周りの手助けに積極的に活動した。帝斗とプリッツも同様。わからないと駄々を捏ねるリラに、理解力に乏しいシロナとエドに徹底的に教える。

そして試験当日、私達は疲れ果てた状態で試験に臨むという非常に残念なコンディションだ。




「これより試験を開始する。…始め!」


一斉に紙を裏返した音が教室中に響き、テストが始まった。

うとうとしていた私だが、この楽勝過ぎる小1~小3レベルの問題はうとうとしながらでもすらすらと解いていた。


(名前を忘れて0点でしたはありえないから、気をつけないと)


そう思いながらふと思い出し名前を書いた癒麗。他の人よりも30分くらい早く終わり、見直しをして、寝ていました。

意識朦朧な中、チャイムの音が聞こえたと思って時間を見て見ると丁度テストが終了の時間であった。

私は重い瞼を開け、姿勢を元に戻すとテストを回収し、先生に渡した。




「いやああー難しかったねー」

「そうだねー」

「だよなー、何問か解けなかったぜ」


そう言ってヘラヘラ笑うバカ三人に帝斗は頭を抱えていた。



「おまえら…こんなん解けなきゃSSクラスなんて調べらんねぇぞ?しっかり勉強しろ」

「あんた達が凄すぎるのよー!何!?私がやっと四角一番が解けたと思ったら寝る?!どんだけ頭いいのよ!!」


逆に貴方が凄いと思いますと思ったのは言うまでもない。

やっぱりこの先が不安です。


それから放課後になって、テストの返却があった。テストの点数を見て見れば驚きもしない、満点だった。別に自慢じゃない、当たり前すぎるからである。


「キャー!!頑張って解いた甲斐があったわー!見て、65点よ!!凄くない!?」

「私は78点でした」

「80点だぜ、いぇーい!」

当たり前の点数を取って騒ぐリラに一同、溜息。




「65点なんて低い方だろうが、こんな問題で65点取んなよ」

「え、偉そうに!あんただってそのくらいでしょーぉって満点!?何、神様なわけ?!」

「癒麗ちゃんも、プリッツェナもジェレンさんも…!」


凄いと言われるか余り凄いと言う実感も湧かない。悲しい話である。




「まあ、とにかく全員合格ラインだな。あとは実技試験で頑張れば完璧だ」

「ちなみに一気にSクラスとかに行ったり出来るの?」

「ポイント制だからな。ポイント貯めれば一気に行くことも可能だな」


筆記試験と実技試験により、上のランクに行けるかが決まる。

筆記試験は三割、実技試験は七割という実技試験に偏った見方ではあるが、やはり実力があるかどうかで見られるから溜まったものではない。


評価はポイント制で、そのポイントを使い、上のランクへ上がることができるが、逆にポイントを使わずランクを上げないことによりポイントを貯めて更に上のランクへ行くことも可能である。

ポイントはお金と一緒で、レイナーズでは共通通貨でもある。生徒ではない魔物たちには依頼を課せられそれを達する事によりポイントが貰える仕組みだ。

生徒たちは実技筆記試験のみポイントを貰えるという事はなく、様々な場所で貰える仕組みになっている。

クラスが上がることに貰えるポイントも増え、ランクが高いほど金持ちと言うわけだ。

身分制度的な感じで、普通ならば差別と批判されるのだろうが、私は悪い気はしない。

努力した結果でランクが上がるならば結構な事だ。才能があれば上がれるということも結構だ。地球での生活のようで変わりない。

才あるものは得あらず。実にその通りだと思う。



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