SSクラス
「さっきの続きだけどSSクラスはどのくらい強いんだ?」
エドがお茶をしばしば飲みながら問う。それに月島は本を閉じて頭に手を当てて唸った。少し考えてから、語り始めた。
「SAクラスで完璧にマスターする魔龍術をさらに極大まで威力を高めた大神術を完璧に使いこなせるだろうな。ま、それで攻撃されたら俺たちなんて木っ端微塵だ。何も残らねーな」
平然と言ってのけた。
まあ、確かに…SSクラスなんて見えない。遠すぎて見えない。
Sクラスでさえ程遠いというのに、SSクラスなんて以ての外だ。
この学園は、1階にDクラス、Cクラスとあり、2階にはBクラスからAクラス。3階にSクラス、SAクラスと続き…少し離れて7階にSSクラスがある。
SSクラスにはSSクラスの生徒7名以外の生徒は立ち入り禁止となっており、警備員が何人も配置されている。もし、その警備員を掻い潜ったとしてもSSクラス特別製の許可証がなければ入れない仕組みになっている。2重、3重にも厳重な警備が施されていて、とても入れるものではない。
Dクラスでは到底無理な事である。
「噂によると、SSクラスには星王が居るらしい」
「星王?」
「この星の管理人だよ。もうめちゃくちゃ強いじゃ済まされないぜ?その星王は全ての能力を自在に操ることが出来るらしい。なんでもだ、なんでも魔法を使えるんだぞ?半端ねぇ強さだろう?」
参ったといわんばかりに肩を竦める月島に私達は息を飲んだ。
全ての能力を自在に操る…もう最強という言葉では収まりきらない。怪物だ。
「SSクラスまで辿りつく計画はあるのか?」
「それなんだな、そこなんだよ」
月島は手を顎に当て、暫し考えるように目を閉じ、伏せて数十秒沈黙が続いたかと思えば月島はいきなり勢い良く顔を上げた。アイディアが浮かんだと言う顔をしている。
「そうだ、SSクラスと出会える機会を掴めばいい」
「会えるのか?」
エドの問いかけに月島は「会えないわけねぇだろ?」と強めに言うと計画を話した。
「確実にSSクラスに会えるのは2つ、舞踏会とSSクラス特別運祭だ」
他には遭遇確立が高い図書室。SSクラスには本棚も充実してるはずだが、無い物もあるらしい。そんなとき、彼らは図書室に居るときがあるという。
「舞踏会は月に一回はある。それを狙ってSSクラスの奴らの情報を探るということだ」
「書物とかにはやっぱり情報は載ってないんだ?」
「そんな簡単に載ってりゃ苦労しねぇよ。SSクラスの情報はさっき言った星王が居るということだけ、それでも断定してない…噂なんだぜ?はっきりとした情報が一つもねぇんだよ」
頭を掻きながら苛々し始める月島。
空気が微妙に重い。
そんな中、私は呑気にDクラスの人物について考えていた。
―プリッツェナって誰だろう?
凄い名前なのは確かだが、まだ一週間一度も会っていない。
「春夏秋冬」
どこに住みついているのか謎だ。
「春夏秋冬?」
参加するメンバーの顔くらい見ておきたい気もする。
「春夏秋冬!!」
「うおっ!?」
帝斗に近くで叫ばれ、つい女子らしからぬ声が出てしまう。皆も女子の出す声じゃねぇ…みたいな微妙な顔をしていた。…すんません。
ついつい妄想タイムに入ってしまい、挙句の果てには女子らしからぬ「うおっ!?」という恥ずかしい声を上げてしまった。いや、うん…すんません。
エドは微妙そうな顔をして私を見つめた。
「お前、どうした?なんか…ボーっとしてたぞ?」
「あ、いや…プリッツェナって誰なのかな…と思ってたの」
そう私が言うと、しーんと教室が静まりかえり、皆微妙な顔していた。何でそんな微妙そうな顔するの!?そんなに私の声酷かったの!?
すると気まずそうにエドが頭を掻きながら口を開いた。
「あー…アイツは…その…な、おかしいというか…」
「変態だな」
どうやら私の声に微妙ではなく、そのプリッツェナに対し微妙な顔をしていたようだ。
変態だと言った。
気まずい雰囲気を纏っていたのは変態の所為だと言う。
大事な事なので二回言いました。
「えぇと…変態?うーん、例えが分からないんだけど」
想像つくはずもあるまい。
「――こういう事だよ」
背後に気配を感じた。
後ろを見ようと試みた時、スカートを捲りあげられた。
「ば、馬鹿な…スパッツだと?その上に腹巻きだと…?女子らしからぬ鉄壁防g「おいコラァァァァ!!!!」ブフォオオォオオ!!!!?」
不意に背後に居た人物にスカートを捲られ、その人物が驚きに満ちているのを確認しながらも、本能が黙ってなかったのだろうか、私はお得意の合気道で変態に頭突きを食らわせ、離れたその隙に腕を掴み、背負い投げを華麗に決めていた。
華麗に決めた瞬間に私は、一瞬無心になり、それから後悔の念が襲ってきた。…やっちまった。




