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第五話 夕凪

 バカみたいにきれいな夕焼けだった。

 日没間近の東京湾。時刻と季節と気象条件とがたまさか折り合った、バカみたいにきれいな夕焼けだった。

 その夕焼けの中、教誨師、アサシン、後見人の三名は、センターのダミーのセーフハウスとなっている倉庫の屋根上にいた。ゆったりと凪いだ空気の中、近くを走る首都高速湾岸線の車の音が聞こえてくる。

 三人の手には銀を含有した弾丸を装填したH&K-MP5、教誨師とアサシンはさらに、日本刀を背負っていた。教誨師が背負うのは太刀、鬼斬り。この夏、奄美の離島で邪神を斬った銘消しのものだ。アサシンが背負うのは、その太刀と対になる小太刀。ただし、小太刀とは言っても、小振りの太刀というような印象の長さだ。時代劇などでよく見かける小太刀よりは、ずいぶん長い。

 センターのメンバーから無線が入る。

「カラーズ、新木場駅改札通過。スクールバッグ所持。劉蓉の姿はなし。」

「了解。各員、備えてくれ。カラーズが全力疾走した場合の到達時間はかなり短いはずだ。」

「了解。」

 次々と確認が返る。

 そしてまた、しんとした凪の時間。

 最初に視認したのは、屋根の上、正面方向を向いていた教誨師だった。

「カラーズ出現、左前方より急速に接近、くっ、高いっ」

 カラーズは数十メートルを一息に跳躍してくると、倉庫正面の地面を蹴って六人が全員同時に上空へと舞い上がった。元々屋根上の配置は迎撃・警戒用の要員であり、ぎりぎりまで引きつけてから一気に制圧する作戦だった。それが、カラーズが予想外の、上空からの強襲に出た結果、屋根上こそが主戦場になった。

 対するは、三人。横方向を警戒していたアサシンと後見人も即応するものの、上空から落下しつつ銃撃してくる六人全員を撃ち落とすことは困難だ。それでも、跳躍の頂点付近から落下開始直後の、速度の落ちたごく僅かな期間を中心に、三人が一人ずつヒットさせた。さらに四人目を教誨師の弾丸が捉えたが、残る二名は無傷のまま屋根上に到達、教誨師たちが銃弾を集めるのをあざ笑うかのように、今度は背後に跳んで銃撃の死角になる倉庫直近に着地し、次の跳躍体勢に入った。

 倉庫二階の事務所、ダミーのセーフハウス内からも銃撃が開始されるが、地上では捉えられない。易々と、二名のカラーズは再度跳んだ。上空から屋根上の三人に銃弾の雨を降らせる。

 バトルはこうして、想定外の空中戦となった。制空権を押さえられている分、教誨師たちには不利な状況が続く。

 誰もが、カラーズの跳躍能力を警戒していた。

 しかしそれがそのまま、カラーズの戦術の中核となることまでを、正確に予見できていた者はいなかったのだ。

「一度退け!」

 無線で誰かが叫んでいた。あるいは近距離から作戦を指揮している時田の声だったかもしれない。後見人、アサシンが屋根上から離脱したのを確認しつつ、教誨師も応射しながら屋根から外階段の踊り場へと飛び降りる。さらに地面へと飛び降りたところで、待っていたのは不気味に笑う四名のカラーズと、横たわるアサシン、吉田紗幸の姿だった。

(さっきシルバーで撃ち落としたはずなのに!復帰が早すぎる!)

 疑問を押し殺し、引き金を引く。一瞬でもたじろげば、教誨師も無様に地面に転がっていただろう。着地の姿勢制御もそこそこに、問答無用でカラーズたちにシルバーを撃ち込む。四名とも転倒したのを確認して、アサシンの元に駆け寄る。

「ダメ、シルバーが、効かな……」

 アサシンの掠れた声を聞いた瞬間、教誨師の背後に複数の殺気が迫った。

 首筋の皮膚があり得ないほどの警告を発し、その刹那、教誨師は、銃から手を離した。

 ドシュ。

 重く湿った音とともに、教誨師の背中に銃を突きつけようとしていたカラーズの一人が二つ折りになって弾き飛ばされた。実際には折れたのではなく鬼斬りによって胴体中央を断たれていたのだが、最初は誰にも、そのようには見えなかった。

 理由は分からないが、シルバーの抑止効果は薄れてしまったらしい。だが幸いにしてこのとき、カラーズ四名は接近戦の構えだった。

(基本は素人で助かる。プロになるには、もっと修練が必要よ。今だって、そこまで接近する必要はない。背中に突きつけようとなんかしないで、首でも頭でもそのまま撃ち抜けばよかったのよ。)

 銃弾の雨を避け銃口を掻い潜るようにして教誨師は舞った。地上にいた三人目までを斬り伏せた。だが、四人目と相対したとき、上空から銃撃を受けた。四人目を諦め、剣をしまう余裕もなく、地面に転がったまま銃を構えて応戦していたアサシンの元まで退くと、どこからか、カラーズの声が聞こえた。

「お前たち、昭和記念公園にいたね。」

「どうせここからは逃げられない。無傷なのは一人だから。」

(はるみさんもやられたって言うの?)

「中を制圧してから相手してやるから。」

 カラーズの姿は見えないが、おそらくは屋根上を占拠している。反撃の手立てはなく、室内にはセンターと公安の要員が詰めている。

 建物の陰までアサシンを引きずった。

「少し、待てる?」

「ええ。やられたのは、脚だから。」

「……。」

 紗幸はこのとき、命がけの嘘をついていた。その嘘に、教誨師は気づいていたのか、それとも気づかなかったのか。

 アサシンが回収してくれていたMP5を黙って受け取ると、教誨師は倉庫正面に回り込んだ。

(なんとか、中の人たちを離脱させなきゃ。もうこれは、……。)

 正面に向いた倉庫二階の窓に、カラーズが二人、取り付いていた。

(他の連中はどこ?あたしが斬ったのも再生したの?って、考える暇はこっちにはないか。)

 仕方なく、地上から窓脇のカラーズの背中にシルバーを撃ち込む。後はない。レッドを装弾していた。

(紗幸ちゃんの言うとおりね。この弾丸じゃ、たとえレッドでもストッピングパワーが不足するみたい。あれは、――そうか。撃ち込まれた弾丸を、即座に排出させてるんだわ。足元にばらばら落ちてるもの。)

 カラーズたちが振り返る。その間も室内からは交戦の音が響いている。

(よし、とりあえず二匹、こっちを向いた。性分じゃないけど、囮になってやるわ。)

 地上で少しだけ、倉庫前から遠ざかる素振りを見せる。二階窓際にいたカラーズが二匹、地上に降りてくる。着地の瞬間に銃弾を集め、ほんの僅か一瞬、足止めする。

 痛みで完全にハイになったような、苦悶と喜悦の表情を浮かべた少女二人が、弾丸を排出し、再び銃を構えた瞬間、突然首から上が弾け飛んだ。

(サンキュー、綾川さん&森田。……三秒……五秒……)

 物陰に身を寄せつつ、カラーズを観察する。明らかに遅い。致命傷ではないにしても、回復には手間がかかるらしい。

「カラーズ、頭部全体損壊後の復帰は遅い!火力を集中させろ!」

 無線に向かって叫ぶ。室内に侵入していたのは、どうやら一人らしい。銃弾を全員が、カラーズの頭部に集める。

 ここに来てようやく、カラーズの動きが減速しだした。

(持ち直せるか?)

 二階への外階段を教誨師は駆け上がり、室内に飛び込む。まともに行動できるカラーズは、室内にはいなかった。

「作戦をシフト、シナリオ4。」

 無線から、指示が飛ぶ。室内の要員は、手際よく後退しつつ、予定通り少量の爆薬を使って壁を破り、地上へ散開する。教誨師はしんがりとして、窓から地上のカラーズにシルバーを浴びせ続けた。

「準備いいか?」

「いつでも。」

 教誨師が室内に引っ込む。再生したカラーズが、顔の修復もそこそこに二階の窓に取り付く。室内からの応射を受けつつも、カラーズたちは少しずつ室内の教誨師に接近する。室内にいたカラーズも立ち上がる。

「ごめんね。」

 そうつぶやくと、教誨師は背後の壁に明けられた穴から身を踊らせた。

 直後、倉庫二階は跡形もなく吹き飛んだ。

(全く、計算してあるって聞いてはいたけど、けっこう瓦礫が飛び散ってるよね。紗幸ちゃんとはるみさん、大丈夫かな。)

 周囲を警戒しつつ、教誨師は倉庫直近にいたはずの仲間の回収に向かう。そのとき、センターの無線が不穏なノイズを伝えた。

「ポイントAが奪われた。劉蓉だ、劉蓉による襲――」

 無線越しのメッセージも、最後はノイズとなって聞き取れなかった。

(――ここへ来て新手なの?ポイントAは陸側北、ってそれじゃ壁穴から脱出したみんなが標的になってしまう!)

 おそらく、これまでは作戦の読み合いだったのだろう。センター側は、カラーズが慎重に接近してくる展開を読み、失敗した。カラーズ側も、センター側の強引なセーフハウス放棄を読み切れていなかった。後少し、劉蓉のポイントA制圧が早かったら、センターと公安の要員たちは壁穴から脱出することもできなかった。センター側にとって幸運だったのは、劉蓉自身は主戦力ではなく、交戦中の混乱に乗じてポイントAを占拠し、その後は司令塔として機能する、というくらいの作戦だったらしいことだ。劉蓉のバックアップを前提とした二面攻撃が用意されていれば、センター側は簡単に進退窮まったはずだ。

 そして今。

 倉庫の二階部分は破壊され、一階部分もかなり崩れていた。

 その瓦礫の中を、復活しつつあるはずのカラーズを警戒しつつ、なおかつ劉蓉の狙撃をも警戒しながら、全員が撤収しなければならなかった。

 ポイントAの要員の無線を奪ったのか、銃撃の音の合間に劉蓉の声が届く。この状況になれば、劉蓉とて参戦しないわけにはいかない。むしろそのことを、劉蓉は心から楽しんでいるようだった。

「くふふ、ほぅらもう粉塵消えてきたし、もっとまじめに無様に逃げ回りなさいってば。あはは、丸見えなんだよお前ら。のんびりしてると、カラーズごと穴だらけよ?」

 夕焼けはさらに深みを増し、夕暮れと呼ぶのにふさわしい明るさになっている。だが、どうやらそれは劉蓉には関係ないらしい。ノクトビジョンでもつけているのか。それとも、何か別の認知能力を備えているのか。

「ほら?そこそこ、早く逃げろって!あはははははは」

 物陰から身を乗り出して銃弾をばらまき、また身を引く。

「次、その女!とカラーズ1号!」

(狂ってるの?カラーズごと撃つなんて……。)

「センターのみなさんお疲れさま。カラーズは復活するけど、あなたたちは死んだら終わりなのよね。だから、死になさ」

 突如、無線が嫌な音を拾って、劉蓉の銃撃は終わった。

「すまない、待たせた。劉蓉を確認してくれ。」

 無線から森田ケイの声が届く。本来なら倉庫の陰となって、運河向こうの森田のポイントからポイントAは狙撃できないはずだった。しかし、倉庫二階部分の大半が吹き飛んだ今、倉庫上を経由しての狙撃が可能になっていたのだ。

 確かに風は凪いでいた。一kmを超えない範囲でのスナイプとは言え、夕焼けから薄暮に向かうこの時間帯での狙撃は、きっと森田にも痺れる瞬間だったに違いない。

「劉蓉、活動停止。カラーズは……」

「カラーズ、退却の模様。劉蓉の死体回収に向かう可能性あり。」

「――こちらの被害は小さくない。カラーズに交戦の意志がなければ、退避と被害確認を優先しろ。ポイントAは交戦の可能性あるため放棄。」

「了解。」

 作戦終盤で劉蓉に襲撃されたポイントAの要員三名のうち一名が死亡、二名が重傷。

 カラーズと交戦した倉庫二階、事務所内の要員六名のうち四名が重傷、これは主に事務所離脱後の劉蓉の攻撃による。

 そして、チーム・チャプレン三名のうち、アサシンは脚部及び腹部に複数被弾、現在意識不明の重態。後見人は倉庫西側の戦闘で被弾、ボディアーマーにより貫通は避けたものの地上に転落して左鎖骨、左脛骨ほか骨折、重傷。

 惨敗、と言って間違いのない状況だった。

 一方で、カラーズの六名については、その封印と呼ばれる術の結節点すら確認できなかった。倉庫二階の放棄に伴う爆破のどさくさの中で、鬼斬りで切り裂いたはずの個体までが消えていた。

 こちらの戦果はしたがって、劉蓉のスナイプ成功、ただそれだけであった。



 青木はるみと吉田紗幸は、相馬嶺一郎の指示のもと、麻布第一病院に搬送されていた。相馬ひなが何度も世話になっている、相馬家掛かり付けの病院だ。

 事件に関する報道もすでに始まっていたが、青木と吉田のことについては警察沙汰にするわけにはいかない。品川事件で教誨師が負傷したときと違って、無関係の哀れな被害者を装うことも、困難だ。現場にいた理由の捏造が難しい。仮に第三者は騙せるとしても、直接銃創を視ることになる医師は騙せない。となるとやはり、相馬家の顔の利く病院で、隠密裏に対処してもらうしかなかった。

「惨敗だな。……センターの現有勢力では、カラーズは抑えられないか。」

 診察時間外となり、明かりの落ちた病院の廊下で、父と娘は対峙していた。

「公安の助力はあっても、九条君はいない。敵の動きは分かっても、この陣営では奴らには勝てない……。言い訳するのは簡単だが、」

 父親はそのとき、娘の顔を一度見て、それから娘と同じ方向を見た。ガラス張りの通路には、秋の明るい月影が落ちている。

 この夜は、十五夜であった。

 娘が口を開く。

「言い訳は好きじゃない。でも、現実は認めるわ。あたしは、後見人とサポートを倒された。その対応は、あたしの仕事。……お父様、しばらく、屋敷を空けます。はるみさんと、紗幸ちゃんをよろしく。」

 静かな、だが、心の底が凍てつくような、愛娘の言葉だった。

 最も心を許してよいはずの肉親に対し、己の覚悟を告げるような声。

「そうだな。まだ、終わってはいない。――これからだ。だがお前、」

 そう言い掛けて嶺一郎が振り返ると、最愛の娘はすでにいなかった。



 そしてここにも、哀れな父娘がいた。娘の連絡に合わせて、少し遅れて現地入りした劉蓉の父、劉黄綺は、カラーズたちに付き添われた、娘の亡骸と対面することになった。

 片膝を地面に突き、震える掌で、娘の顔を、髪を、撫で回す。

「膠着状態でよいと言った。なぜ、急いだ。娘の一人を兵器化すれば済んだ話だ。そうすれば、どうあがいても奴らはお前に指一本触れられなかったものを。」

 劉黄綺は、背中に負っていた年代物の木箱を降ろした。カラーズたちがざわめく。

「ここでやる。我が娘の体温が消えぬ間に、な。」

 首都高速湾岸線の高架下、都会の盲点のような物陰に、異教の呪言が静かに流れ出した。



 事件は、午後七時台のニュースから報道が始まっていた。首都高速湾岸線辰巳ジャンクション付近から運河を挟んでの一帯で銃声や爆発音が聞かれたこと、倉庫の爆発に伴う煙で一時首都高速湾岸線の交通が規制されたこと等が伝えられている。解説者は、状況は不明だが、いずれかの武装組織間の衝突だと判断するのが妥当だと伝えていた。

 倉庫の所有者は木崎ロジスティクスという中堅どころの物流会社だったが、担当者は、機械警備の上ここ数ヶ月は利用のなかった物件のため、事件当時誰がそこにいたかは分からないと答えていた。セキュリティを不正に解除して占拠していた者がある可能性があるとも述べた。

 やがて開かれた警視庁の記者会見でも、現場の状況は詳細に伝えられたが、実際にそこで何があったかは捜査中との回答に終始した。

 そしてどの局でも、ニュースの核心は、当事者たちが全員、現場から逃走したものと思われる、という点に置かれた。一般市民は現場付近へ理由なく近づかないように、夜間行動する場合にも十分注意するようにという、記者会見での警視庁の談話が繰り返さし流された。

 日付が変わり土曜の午前一時過ぎ、ネット上に一つの書き込みが現れた。

「先の戦いで彼女たちを妨害した者どもを、彼女たちは排除した。

 彼女たちは再び、スメラギのミイクサとして東京を浄化する。」

 この書き込みが、カラーズ自身、あるいは劉黄綺自身の手によるものであったのか、それとも、事情を知る側、つまり公安やセンターの側が行った謀略の類として見るべきものであったのか、それは分からない。だが、これで事件とカラーズとは確実に結びつけられ、大半のカラーズマニアと呼ばれる人間たちの心は離れていくことになった。実弾を降らせるテロリストのアイドルなど、一部の先鋭的な層を除いた大半のネチズンには不要だったからだ。

 そしてこの夜、さらにこの書き込みに追い打ちをかけるタイミングで、カラーズ関連のコアな書き込みは大陸のサーバー経由だとする情報が、ネット上に現れた。

 この手の事件では「まとめサイト」と呼ばれる、事件の経緯をとりまとめたウェブサイトが立ち上げられるのが常だが、カラーズ事件についても、春からのカラーズ事件全般の記録と、ネット上の書き込みの時期を対応させた詳細なサイトがすでに現れており、そこに今回の事件とカラーズの関係についての情報を求めるアクセスが集中した。一時は、サーバーに負荷を与えるほどとなり、サイト自体が閲覧できなくなったりもしたが、そのサイトが新しくリンクした記事の一つに、カラーズ関連の書き込みのIPアドレスを晒したものがあったのだ。

 当然その記事も間を置かずアクセスが集中し、閲覧困難となったが、記事自体は複製され、様々なサイト、ブログ、掲示板等に貼り付けられていった。

 おそらくはこれも、報道管制と同じく公安の戦術なのであろうが、マスコミの報道を見、ネット上の書き込みを読んでも、最後までカラーズのシンパとして存在しようとしていたネットの住人たちの心を引き剥がすのに、これらの情報は有効に機能した。遅くとも土曜の夜までに、カラーズは大陸産のテロリストと見なす、強い論調が育っていった。

 だが、変わったのは世間やネット世界の空気だけだ。

 リアルの、当事者たちの現実は、風向きの変化だけでは何も変わってくれはしない。

 教誨師は、自分の使命を正確に悟っていた。

 だが、それでも止められない思いを、相馬ひなは自覚していた。

残りあと3話となりました。できれば最後までよろしくお願いします。

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