こんなにも
こんなにも想い溢れて
止まらない
貴方への想い……
懐かしい歌を聞いたの
ふとした真昼に
曇天の空から
雪の精が舞い降りてきて
私の頬にそっと触れたの
泣き虫な私は
貴方を想って泣いていたの
あたたかな貴方の右手が
私の左手を包む
今は空虚な私の左手……
貴方の幻を見たの
真昼の曇天の空から天使の梯子
粉雪と共にきらめく光
左手を空に伸ばしても何も掴めない
涙ばかりが溢れる
このまま涙の海に溺れそう
そうしたら
貴方は助けに来てくれるのかしら
私は涙の姫
貴方を想って空を見上げるの
こんなにも想い溢れて止まらない
曇天の空の向こうには
微笑みの太陽
真昼がやがてあっという間に夜になって
月が微睡む
雪の精は楽しげにダンスを踊る
私は同じ場所に佇んで
やはり空を見上げるの
想い溢れて止まらない
あたたかな貴方の右手を思い出し
涙に暮れるの
この冬は貴方に逢いたい……
お読みくださり、本当にありがとうございました。