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本町ことははつたえたい!  作者: えかなじうむ
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第1話『ファーストコンタクト』

この小説を開いていただきありがとうございます!

誰かに呼びかけられる声に、暗い底から意識が引き上げられる。目を開いた私の視界に映り込んだのは、素材の味の生かされた木の天井。がばっと跳ね起きて初めて、私は自分が布団に寝かされていることに気づいた。


「あれ、ここは……?」


なんだか頭がぽわぽわして思考がまとまらない。特に理由なく視線をうろつかせていると、その端に見慣れないなにかが入り込んだ。視線をそちらに向けてみると……。


「うさ……みみ……?」


地面と垂直にぴょこんと立てられている、明らかに人間のものではない細長く柔らかそうな耳。これは……うさみみだ、間違いない。そのまま視線を下げていくと、こちらを心配そうに見上げる女の子の顔が。これは……あれだ、創作物とかでよくみる、いわゆる「異世界」にきてしまったのでは?だって気がついたらベッドの中で、うさみみの女の子がいたのだから。少なくとも現実の世界ではなさそう。じゃあ夢?頬をつねってみると、何ということだろう、痛い。つまり夢でもない、つまりつまり現実、ってことになる。自分の中で納得すると、不思議と記憶の糸が繋がっていく。


「(そういえば私、テストが嫌で嫌で黒魔術に手を染めたんだっけ……。)」


私の記憶の中に、薄暗い自室でひたすら嫌な匂いのする大鍋を混ぜ散らかしていた情景が浮かぶ。異世界への旅立ちを夢見ながら一心不乱に混ぜていたけど、しかしまさか本当に成功するとは。黒魔術すごい。とりあえずの状況に自分の中で納得した私は、さっきから私のことをずーっと見上げている女の子に意識と目線を向ける。たぶん私よりも年下だろう、女の私から見てもかわいいなと思えるような幼い顔立ちに不安感を溢れさせている彼女は、ひとことも喋らず、こちらに目を向けている。おそらくこれからいっぱいお世話になるであろう少女。ファーストコンタクトは何より大事だ。明るい声を意識して……。よし!そうして私が口を開いたのと、彼女が言葉を発したのはほとんど同時だった。


「助けてくれてありがとう。あなたの名前は?」


「縺?縺?§繧?≧縺カ縺ァ縺吶°?溘≠縺ェ縺溘?縺ェ縺セ縺医r縺翫@縺医※縺上□縺輔>縲」



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