第2話 現状確認
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「―――――っと、つまりこんな感じかな?」
トイレから出てきた俺は、起きた時よりも冷静になることができたため、現状の確認をした。
俺の名前は原賀伊泰耀ではなくリジェーラ・ユーキ。
トイレに行った時にリビングを通ったのだが、そこに「15歳になられたリジェーラ・ユーキ様へ」といった手紙があったので、間違いないだろう。
そしてここは知らない場所ではなくて、れっきとした俺の部屋。
ここから導き出される事は、前世を思い出したってことだろう。
俺―――いや前世の俺が読んでた異世界系のやつにもあったし、それが実際に自分に起きたという事だ。
と、ここまでかなり冷静に考えているが、実は未だに信じられずにいる。
まさか小説で読んでたことがそのまま自分に起きるなんて誰が考えるというのか?
確かに憧れはあったが、いざ実際に起きるとかなり困惑するものである。
「でも、知らない場所のはずなのにトイレの場所分かるし、昨日何を食べて何をしたかも覚えてるし、やっぱり急に前世を思い出したってのが正しいってことだよな…。」
とりあえず受け入れるしかないためつぎの確認をする。
「あとはここがどういった場所なのかだけど、確かこの本に書いてあったはず―――――――あった!」
書いてあった内容を整理すると、自分が今いる場所はニコーラという国から数キロ離れたところにあるちょっとした平原に建てられた家だそうだ。
昔、この家の付近は魔物の巣窟となっており、並大抵の冒険者では太刀打ち出来なくなっていた。
このままではニコーラにまで魔物が押し付けるのは時間の問題となっていた中、賢者であったプリアと、戦士であったハートスの冒険者コンビが颯爽と現れ、片っ端から片付けて行き、事なきを得たらしい。
その冒険者コンビは後に世界有数の冒険者となり、ニコーラでも英雄として語り継がれているという。
ちなみに余談だがニコーラという国名は、プリアの姓である"ニコラ"から取ったらしい。
ということがあったニコーラ以外の国でも、比較的魔物の数は少なく、今は魔王もいないため平和な世の中になっているそうだ。
「なるほど、とりあえず平和で良かった…。」
というのが率直な感想だ。
魔王とかいたら絶対にのんびり生活できないだろうし、命の危険があるし。
さて次は異世界といえばであるあれの確認と行こうじゃないか。
「この本だな」
もし本当に異世界に転生したのならばあるだろう魔法。
そして俺が今持っている本に書いてあるのは「魔法のイロハ」
「やっぱりあったな」
前世で夢見た漫画どおりだ。
身体が熱くなっていく感覚がある。
高揚感から来るものだろう。
変な声が出ないよう高揚感を抑えつつその本を見ていく。
こちらもさっきと同様にまとめると、
魔法は現在赤・青・黄・緑・黒の計5色と光魔法に分けられているそうだ。
ただつい数十年前までは上の色+白があったが、効率が悪かったため人工的に改良され、今は光魔法として使われているらしい。
そして、各色ごとには属性がある。
赤魔法には炎、青魔法には水と空、黄魔法には雷と土、緑魔法には木と風、黒魔法には闇がある。
白魔法は例外で自分の体に影響を及ぼすもの全てが白魔法に分類されている。
例えば回復魔法だったり、強化魔法だったり。
だが、これらの白魔法は全て光魔法として使われているようだ。
ちなみに、赤魔法にはもう1つ血属性というものがあるのだが、残酷であるということから現在は使用禁止とされている。
そして、赤魔法、青魔法、黄魔法、緑魔法は攻撃魔法とも呼ばれており、基本誰もがこの内の1つは使える。
複数扱える人もこの世には存在しているが、100人に1人程度である。
余談だが、この国の英雄プリアは攻撃魔法全てに加え、黒魔法と白魔法も扱えるオールラウンダーであった。
「なるほどな。
となると気になるのは俺が使える魔法だよな…。
異世界転生といったらチート無双だし、俺もオールラウンダーなのかな?
調べてみたいなー。
でもどうやって調べるか分からないし、どうするか…。」
などと考えていると部屋のドアがノックされた。
「ユーキ?どうかした? 朝からトイレに駆け込んで調子でも悪いの?」
この声は―――――母、リズキーの声だ。
「今は大丈夫ー。 ただ、お腹痛くて起きちゃっただけだからー。」
「なら良かった。あと少しで朝ごはんできるから、降りてきなさいよー。」
「分かったー。」
「まぁ1人で考えてても仕方ないし、とりあえずご飯食べるか。なんならついでに聞いてみることにするか。」
そうして俺は部屋を出てリビングに向かうのだった。
「今まで風邪にすらならなかったあのユーキが腹痛? 何か重い病気とかじゃなければいいんだけど……… 後でもう少し聞いてみようかしら。教えてくれなかったらアレを使うしかないけど…………。」
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「何も言わなかったのに消化の良いものに変えてくれてありがとう母さん。」
「いいのよー、それくらい。もしかしたら何か重い病気なのかと思ったから一応そうしただけだよ。」
「母さん考えすぎだってー。今はもう全く痛くないんだしさー。」
「本当に? 腹痛以外どこか痛いところとかない? 私に心配かけないために無理してるとかじゃない?」
「本当の本当に大丈夫だって。」
「ならいいけど…………。」
自分の事をものすごく考えてくれる、いや考えすぎている母をどうにかして説得したところで、自分の魔法の事について聞いてみることにした。
「突然だけど母さん、自分が使える魔法ってどこかで調べられたりしない?」
「ん? どうしたの急に。今まで全くもって興味なかったのに、やっぱり何かあったの?」
「いや、ふと気になってさ。特に何かあったって訳じゃないよ。」
「ふーん、まぁ何かあった訳じゃないならいいけど。 一応ニコーラで調べられるよ。どうせだったらこの後行く? 今日も特に予定ないしねー。」
「本当!? ありがとう!母さん!」
「いえいえー。とりあえずご飯食べようかー。」
「うん!」
こうして何とか自分が使える魔法を調べる事が出来るようになった。本当に母さんには感謝しなきゃだな。
さて、どんなチート具合になってるか楽しみだなー。
そんなことを考えながら俺は残りのごはんを食べるのであった。
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「ユーキは大丈夫だって言ってたけど、やっぱり気になるから見ちゃおーっと――――!?
これは……何かしら?」
次回、3月3日22時投稿