寒い季節
私「はぁ〜」
息を吐くと白くなってしまうほど寒い12月の冬。
私「行ってきます!」
そんな寒い中、部活の朝練に行く私…
寒いのは苦手なのに頑張るな私ぃぃ。
私は、宮野 澪 (みやの みお) 16歳。
高校1年生だけどもうすぐ高校2年生。
部活は、ハンドボール部。
ハンドボールは、高校に入ってから初めた。
同学年の子は、皆んな中学からやっていたから最初は基本メニュー…
もうすぐ1年経つから、今は皆んなと同じメニューで練習に参加できるようになったけどまだ試合には、出させてもらった事がない…
せっかく、入ったんだし試合にでたいじゃん!
なんなら、レギュラーになりたいじゃん!
だから、寒くても練習は休んだ事がない。
家でも自主練してるけど、なかなか上手くならないし…
てな感じで私は部活に力入れてます。
???「澪!おはよっ」
私「タカ!おはよ~」
タカこと藤堂 鷹 (とうどう たか)は、私達が産まれる前にお互いの両親がこの町に引っ越してきて家もお隣さんって事で仲良くなり私達が産まれ、家族ぐるみでお出かけやらイベント事やら沢山行ってるぐらい仲の良い家族同士。
簡単に言えば仲の良い幼馴染みだ。
タカも私と同い年で部活も男子ハンドボール部に所属している。
タカは、私と違って中学からやっていたって事もあるし、ぶっちゃけかなり上手いから1年なのにレギュラー入り。
タカにハンド教えてもらいたいけど、男ハンは女ハンより練習メニューももちろん辛いけど練習時間も長いって事もあってなかなか時間が合わない。
唯一、朝練の行くこの時間帯が一緒って事で朝練の時はほぼ一緒に学校に行ってる。
タカ「そう言えば、みおの婆ちゃんが住んでた家壊すのか?」
私「え?何で?」
タカ「いや、この前の土曜日に業者みたいや奴来てたからさぁ」
私「あぁ〜。違うよ!リフォームの人達だよ!」
タカ「リフォーム?また、婆ちゃん住むのか?」
私「まさか!お婆ちゃんを一人になんてさせられないよ!また何かあったらって思うと心配だし。」
お婆ちゃん家は、私ん家の右隣りが私のお婆ちゃんの家。
1年前までお婆ちゃんが一人暮らしで住んでいた。
お爺ちゃんは3年前に脳梗塞で亡くなって以来、お婆ちゃんは一人になってしまった。
母方のお婆ちゃんだから、お母さんがちょくちょく会いに行っていたし私や弟の高雅もお婆ちゃんが大好きでしょっちゅう遊びに行っていたけど夜は、ほぼお婆ちゃん一人だった。
隣だから、何かあったらすぐ駆けつけられるって甘い考えでいた。
朝、お母さんがお婆ちゃんに用事があったからたまたま、朝早くお婆ちゃんの家に行った時様子がおかしいと思ったお母さんは、合鍵で玄関を開けた時、お婆ちゃんはパジャマ姿で倒れていた。
幸い、腕の骨折で済んだ。
お母さんから聞いた話では、お婆ちゃん家は平家だけど屋根裏から一つあってそこには、お婆ちゃんの大切な思い出がある部屋にお爺ちゃんとの思い出を屋根裏に片付けようとした時に階段を踏み外ししてしまって落ちたそうだ。
その時に、反射的に腕がでたお陰でを頭は軽く打っただけで、軽い脳震盪で済んだが少し意識が無かったそうだ。
一人暮らしを心配になった、私達はお婆ちゃんに一緒に住もうと提案したがお婆ちゃんはあの家を手放したくないと答えた。
お婆ちゃん含め家族で相談した結果、お婆ちゃんが大家で誰かに貸して住んでもらおうとなった。
お婆ちゃんは、家が残るのならと一緒に住む事承諾した。
でも、お婆ちゃん家は築45年の古い家で所々壊れてる部分もあるから住んでもらうのならリフォームが必要との事。
だから、知り合いのリフォームの人に頼んでリフォームする事が決まったのだ。、
タカ「そっか。良い人が住んでくれれば良いな!」
私「ここ田舎だから、まずここに住みたい人が来るのかが心配だよ」
と会話してる間に学校に着きそれぞれの部室に入った。
ガチャ
私「おはようございます。」
真澄「また、タカと来たの〜?本当仲良いね〜」
と茶化してくるこの子が私の中学からの親友の橘 真澄。
クラスも部活も同じで仲が良い。
因みにハンドに入ったのも真澄が誘ってくれたからだ。
私「中学から言ってるけど、家が近いから一緒行ってるだけだよ。」
真澄「ふーん。でもさぁ、あんだけ仲良いんだから好意ぐらいはあるんじゃないの〜?」
私「ないよ。生まれた時から、一緒だから兄妹みたいなもんだよ。」
真澄「みおがなくても、タカはどうだろうねぇ〜?」
私「はぁ?タカだって私と同じ事思ってるよ!」
真澄「どーだかっ?」
私「ほら、皆んなもう用意してるから私達も行くよ!」
真澄「はいはい」
私達は、朝練を終え午前の授業や午後の部活も終えて帰宅しようとしたとき。
???「宮野さん!」
私「なんですか?」
隣のクラスの男子が話しかけてきた。
男子「ちょっと、いいかな?」
真澄「先帰ってるょん」
と真澄は、ニヤニヤしながら帰っていった。
私「はい!」
私は、隣のクラスの男子の後ろを着いて行った。
行き着いた場所は、校舎裏…
だいたい、予想は付いている。
男子「あの!俺、宮野さんを初めて見た時から好きです!もし、良かったら付き合ってくれませんか?」
やっぱり…
私「ありがとう。でも、ごめんなさい。」
男子「そうだよな…他に好きな人とかいるの?」
私「他に好きな人は、いないけど今は部活を頑張りたいから。」
男子「そっか。今日は、ありがとう。じゃ…」
と隣のクラスの男子は、帰っていった。
私が言うのもなんだけど、私はやたらモテるらしい。
告白も何回もされた事もある。
でも、全部断っている。
さっきの男子は顔は、整ってると思うけど話した事もないし何しろ私は好きって意味が良く分からない。
でも、友達の好きは分かる。
男子を見てかっこいいなぁとかは、思った事はあるが別に付き合いたいとかは思った事がない。
要は、私は恋愛には興味がなかった。
そんなこんなで、イレギュラーで告白されるが毎日同じ事の繰り返しの日々だ。
私「ただいま〜」
お婆ちゃん「お帰り。もう少しで晩ご飯出来るから手洗っておいで。」
私「はーい。」
こう「おっ!姉ちゃんお帰り」
私「ただいま、こう」
この子は、私の弟の宮野 高雅小学1年生。
通称、こう。
歳の離れた弟で生意気でムカつくけどやっぱり可愛い弟だ。
私は、荷物を二階の自分の部屋に置きリビングに行った。
お母さん「お帰り。洗濯物ちゃんと洗濯機に入れといてよ。」
私「ん!てか、お父さんは?」
お母さん「お婆ちゃん家のリフォームの事でリフォームの人達とお話ししてるわよ。」
私「ふ〜ん。どんな感じにするの?」
お母さん「今時風よ!」
私「今時風って…」
お婆ちゃん「リビングとか大きくしたり、古い所を綺麗にするだけだよ。」
私「そぉーなんだ!じゃ、あんまり変わんないんだぁ」
お婆ちゃん家が全部変わるのかと少し寂しかったけど、あまり変わらないと聞いて安心した。
まあ、でも住むのは知らない人だから私にはあまり関係ないんだけど…
晩ご飯も食べ終わりお風呂を終え部屋に戻り、スマホを見たらメッセが来ていた。
真澄[おっつ〜。隣のクラスの男子だったよね?やっぱり、告白されたの〜?]
私[お疲れ〜。そーだよ!でも、断ったよ。]
真澄[また、断ったの〜?いつになったらOk出すのよ!]
私[別に好きじゃないし今は、部活が一番なの〜]
真澄[部活も良いけど恋愛も大切だよ!]
私[はいはい!その内ね!]
真澄[その内は、くるのかね?まぁ、私はタカとくっ付くのを楽しみにしてる〜。て事でまた明日ね。お休み]
私「はぁ?なんでタカが出てくるだし!」
私[なんでタカなのさぁ!明日ね!お休み。]
まったく、真澄は恋愛、恋愛ってうるさいなぁ〜。
でも、本当に私は恋愛できるのかな〜。
と思いながら眠った。
数日がたった時、本格的にリフォームが始まった。
リフォームが終わるのは、3月らしいが2月から入居募集するとの事。
そうこうしてると、入居募集する2月がやって来た。
私「お婆ちゃん、入居募集したのー?」
お婆ちゃん「あぁ〜。したよ。」
お母さん「1週間前にしたんだけどまだ連絡来ないのよ。」
私「まぁ、すぐには来ないよね。しかも、ここ田舎だし。」
お婆ちゃん「確かに田舎だけど、良い所は沢山あるはずだよ。」
私「ここに住んでる人は、ここの良い所は分かってるけど他から来る人は田舎だなって思うだけでしょー」
お母さん「確かにそうだけど、お婆ちゃん家に住むって決めた人は、ここの良さが分かったから住むのだから良いのよ。それに、ここは空気が綺麗だからそれ目的で来る人もいるかもしれないわよ」
私「身体か弱い人でしょ、それは!」
せっかく、リフォームしたから住んで欲しいけど本当に来るのかな?
私は、なんだかんだ誰が来るのか少し楽しみでいた。