表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/32

4話 説明回

 その後、様々な事をマリーから聞いた。

 長くなるので箇条書きといこう。決して手抜きではない。




<ダンジョンについて>


・俺はダンジョンである。


・ダンジョンはDPを消費して、モンスターや様々なアイテムを生み出すことができる。


・DPとはダンジョンポイントの略で、外からの侵入者を殺害したり、ダンジョン内に留めて置くことで、増加する。


・得られるDPは殺害した場合、人間はDP1000前後、モンスターの場合は呼び出すDPの半分前後。ダンジョン内に留めた場合、1日留めれば殺害した場合の1割前後。


・DPは自然増加する。1年で1000前後。


・ダンジョンの拡張はDPを使用して行う。ダンジョンの規模が大きくなればなるほど消費ポイントは増加する。


・DPがゼロになるか、コアが破壊されるとダンジョンは休眠状態となる。ちなみに今までの俺は休眠状態だった。


・オペレーターは一定以上の知性がある侵入者が自動で任命される。オペレーターが死亡した時点でダンジョンは次のオペレーターを任命できる。




<その他>


・ここは少なくとも日本ではない。


・なぜ俺がダンジョンとなったのかは不明。


・俺の家族のことなど、ダンジョンになる以前のことは不明。


・俺がダンジョンとして生まれて118年経過している。


・ここはスコールズ子爵領の北部にある「暗き森」と呼ばれる深い森の中である。


・電気や火薬は無い。


・モンスターは通常、人を襲う忌み嫌われる存在。




………………




 うーん、ダンジョンのこと以外は得られた情報はあまり無いな。


「すいません。ダンジョンのことはオペレーターになったときに知識を得たのですが……それ以外は……」


 マリーが申し訳なさそうに謝ってくる。


 いや、責めてる訳じゃない

 ダンジョンのことだけで大助かりだ。


 そう言えば、アイテムを生み出すことができるんだったな、と思いだした俺はマリーと男の子に温かいスープを出した。

 食器つきでDP20、2つでDP40だ。


「すみません。」


 マリーが頭を下げる。


 いや、スイマセンじゃなくてアリガトウと言って欲しいね。

 若い子が卑屈になっちゃ悲しいよ。


「はい。ありがとうございます。」


 うんうん。

 ところで、その子の名前は?


「ジョシュアです。5つになりました。」


 そうか、ひとしと同い年か。

 ジョシュアよろしくな……

 ……あれ? 無反応。

 人見知りかな?


「すいません。実体の無いマスターの声はこの子には届いて無いのです。」


 そうか、そんなものか。

 体が無いのは不便だな。

 まあいい、ベッドを出すから休みなさい。

 長話に付き合わせてすまなかったね。


 俺はシンプルなベッド(DP200)を部屋の隅に出すと二人に休むように勧めた。


 マリーは遠慮がちではあったが、よほど疲れていたのだろう。すぐに二人で抱き合って寝息をたて始めた。





………………





「我が主よ。」


 スケルトンのスケサンが小声で語りかけてきた。

 マリーたちが起きないように気を使っているのだろう。


 そう言えば、スケサンには俺の声が聞こえるのか?


「ああ、聞こえるとも。私はダンジョンから生まれたのだから。」


 そうか。そんなものか。

 それで、なんだい?


「うむ、大変申し訳ないのだが、私にも何か着るものを貰えないだろうか?」


 ん? ああ、いいとも。


「いや、いつまでもご婦人の前で全裸でいるのはな……」


 あ、それ全裸なのか。悪かったな。

 どんなのがいいんだ?


「贅沢は言わんが鎧だな。できれば武器もお願いしたい。」


 そうか、わかった。

 確か剣と盾を使うんだったな。


 ショートソード(DP200)

 革の鎧(DP300)

 木の盾(DP100)

 革の兜(DP100)

 革の手袋(DP100)

 革のブーツ(DP100)


 合計DP900なり。


 スケサンが装備を調える。

 なかなか様になっているな。勇ましいぞ。


「ふふ、お褒めに預かり光栄だ。」


 スケサンはショートソードを抜くと何度か素振りをした。


 ショートソードはスケサンの指先から肘くらいまでの刃を持つ両刃の剣だ。


「ふむ、悪くない。」


 剣を鞘に戻したスケサンはどことなく嬉しそうに見える。骨だけどなんとなく。


「主よ、何か質問はあるかね? 先程はマリーとジョシュアに気を使って早めに切り上げたのだろう?」


 おっ、そうだな。

 ランクって何だ?スケサンはランク5なのだろう?


「ふむ、ランクとは簡単に言えば強さの基準だ。10段階ある。」


 えー、スケサン10段階中で5かよ。弱くね?


「主よ、そんなことは無い。」


 少しムッとした(様に見える。骨だけど)スケサンは説明を始めた。





 要約するとこうだ。


 ランク1 : 一般人レベル

 ランク2 : 町の腕自慢や雑兵レベル

 ランク3 : 訓練を受けた冒険者や兵卒レベル

 ランク4 : 腕利き冒険者やベテラン兵士レベル

 ランク5 : 武芸者や騎士レベル

 ランク6 : 武将や騎士団長レベル

 ランク7 : 国に一人いるかいないかの達人や鬼神レベル

 ランク8 : 伝説や神話の英雄や魔王レベル

 ランク9 : 闘神や魔神レベル

 ランク10 : 邪神や破壊神レベル


 ……こんな感じらしい。



 実質7段階評価だな。魔王とか邪神とかは考慮する必要無いだろ。


 スケサンは騎士レベルの強さってわけだ。

 国のエリート戦士と対等なら大したもんだ。日本ならレンジャーとかみたいなもんだろ。凄いな。


「ふん、わかればいい。私は弱くはないぞ。ちなみに素のスケルトンはランク2だ。」


……意外とプライド高いな。


「武人とは自らの剣に誇りがあるものさ。」


 そうか、そうだな。

 悪かったな。

 あとはスキルってのを教えてくれ。


「スキルはそのまま、技術だな。剣や魔法などがある」


 魔法か……魔法ね。

 ちなみにスキルは何段階評価なんだ?


「基本10だな。段階の無いものもあるが。」


 えー、10段階中で2って弱くね?


「主よ、そんなことは無い。」



………………



 俺とスケサンは楽しくお喋りをした。


 久しぶりの会話は何物にも代えがたい喜びだった。

 スケサンもそれがわかるのだろう。マリーが起きるまで付き合ってくれた。


 骨だけどいいやつだ。






※ちなみに剣術や盾術スキルはレベル=武道の段くらいです。

1なら剣道などの初段レベル、5なら5段レベルです。

スケサンは剣と盾の合計が4あるので弱くありません。空手と柔道、合わせて4段みたいな感じです。メチャクチャ強いです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ