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お嬢様のお世話係。  作者: 悠莉
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触れてくれない

莉緒が触れてこない。


昨日の朝のことをまだ引きずっているのか?

それとも馴れ馴れしくしすぎだと注意された?


わからない。でも確かに私に触れることを避けている。


今朝に関しては話すことすら億劫そうだった。


「怒ってる?」


試しに聞いてみても「は?」と聞き返されるだけで、私が寂しいと感じているなんてとられたくなかったのでそれ以上は聞かなかった。



「ーー悠奈、どしたのぼーっとして?」


かけられた声で、講義がおわったのだと気付いた。

声の主は舞、私の友達だ。


「もう講義おわってるよ?悠奈、今日はもう終わり?」


「うん…」


「いっしょに帰ろー!」


「そうだね」



少し上の空の悠奈をよそに、「駅前にできたドーナツ屋さん、行ってみたいんだぁ!」などとひとりではしゃぐ舞。


腰までのばした漆黒でストレートの髪は、彼女のチャームポイントだ。

それに比べて私は、肩までの天然パーマをブラウンに染め、編み込みで遊ばせている。


舞と並べば、ときどき自分が中学生ぐらいに見えてしまうことがあった。


「悠奈、今日家よっていってもいい?」


「んん、今日はちょっと忙しい、かな」


「そっかー、残念」



ごめん舞、今日は遊ぶ気分じゃないんだよ


心の中で軽く謝って、「じゃあ私こっちだから」と手を振る。


「ばいばーい!」


ぶんぶんと手を振り返してくれる舞に笑顔を向けて、家に向かう。


なんとなく、足が重かった。

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