モンスターの中で
「いてて、ここは?」
少年が、あたりを見渡すとあたりが岩石におおわれた所にいた。
「そうだ俺は、モンスターに」
そこまで言って海は、口ごもった。
それもそのはずだ。
少女を助けようとして自分がモンスターに食べられてしまったのだ。
あきらかに彼の失態なのである。
そのことに自分の愚かさを感じていた。
助けようとして自分がこんなことになっては、意味がない。
「大丈夫ですか?」
携帯からルナの声がした。
しまっておいた携帯を取り出した。
「ルナか?すまないモンスターに飲み込まれた」
海は、今までの事情を説明した。
「あなたは、バカですか?」
ルナは、あきれぎみに言った。
「あぁそのことは反省している。だから助けてくれ」
「無理ですね」
ルナは、声のトーンを落とし冷たくそう告げた。
「あなたを救う手段は、ありません。あきらめて死んでください」
海は、今言われたことを理解できない。
死んでください?なんの冗談だ。
「おいおい、ジョークにしたってしゃれになんねーぞ」
「残念ですが、本当のことです」
言ったことを全否定された。
つまり冗談では、ない。
つまり俺は、
「死ぬ?」
考えたくないことが、即座に口からでてしまった。
「はい、あなたは、ここで一生をすごすのです」
ルナは、これからの海の行動をしめした。
「いやいや、あんた女神か天使なんだろ?俺を助けることなんてぞうさもないだろ」
俺はまだ死にたくないんだ。
彼の頭の中にはそれしかなかった。
そして次の言葉に言葉を失った。
「前提から間違っているけど、私は女神でも天使でもないよ」
何をいってるんだ?
ルナは俺が死んだのだと言った。
なら死んだ直後にいたお前は、なんなんだ。
海は困惑していた。
するとルナは、思いがけない言葉を口にした。
「私は悪魔、あなたは悪魔と契約したのよ」
ルナは笑っていた。
電話ごしでもわかるくらいに
「それじゃあね海」
そしてそこで電話は切れた。
海は呆然とそこに立ち尽くした。