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ラブヘブン!?  作者: オペラオー
6/8

05子曰く、料理に失敗して指に絆創膏で努力アピールは二流


セーコに急かされて急いで着替え終えた僕は、ルキアとともに一階のリビングに降りて行った。

ルキアはなんとなくムスッとした感じで、僕に敵意を向けてきていて落ち着かない。僕何かしたかな?

 

リビングに着くとそこには豪華な朝食が用意してあった。うおお!すげー!

朝だから重たいものは避けているのだろうか?主食はさんまの塩焼きだ。その周りに味噌汁、ほうれん草のおひたし、鶏そぼろときんぴらごぼうの和え物に、おしんこ、そして白飯と、これぞまさに、伝統のジャパニーズチョーショク!!

セーコはふふん、と鼻を鳴らして勝利を確信した笑みを見せる。

僕は目の前に広がる食卓が夢のようで、思わず感嘆の声を漏らした。


「なあセーコ。一応聞いとくけど、これ全部おまえのお母さんが作ってくれたのか?」

「ええ、そうよ、私のお母さんがわざわざ朝早くに起きてケンのことを考えて一生懸命に……って違うわよ!!あたしが作ったって言ったでしょう!?あんたどういう神経してんのよ!!」

「いやあ、あまりにうまそうだったからつい」

「そ、そう?まあ、ならいいけど」


 という口調とは裏腹にセーコの顔はにやけきっていた。顔に出てるぞ。


「さ、いいから早く食べなさいよ。見た目だけじゃないんだからっ」


 僕を席に着かせて早く料理を食べろと急かすセーコ。

 じゃあまずはさんまから頂こうかな。


「いただきます。あむっ」

「……ど、どうなのよ?」


 恐る恐る聞いてくるセーコ。その顔には緊張の色が見て取れる。

 

「……うまいっ!」

「ほんとうに!?」


 僕の感想を聞いて、セーコは跳ね上がらんばかりの勢いで喜んだ。

 いやしかしホントにうまいなこれは。

 僕はもともとさんまが好きだけど、この焼き加減といい塩の塩梅といい申し分ない。

 

「うん、ホントにうまいよ。…じゃあ次は味噌汁を頂こうかな」

「ど、どうぞっ」


 香り立つ味噌汁の椀のふちに口をつけ、ずずっと音をたてて汁を吸う。

 これまたうまい!僕好みの薄味の汁の中に浮かぶのは、ネギ、大根、豆腐、そしてさつまいもという、僕にとってドストライクな具の面々。

 ああ、至福だ……。


「セーコ!うま……」

「待って」


突然僕の賛辞を遮ったのは、さっきからむくれているルキアだった。

ルキアは柔らかそうな頬をぷっくりと膨らませていて、その顔はありありと不機嫌さを感じさせる。

ルキアがこんなに感情を顔に出したところをみるのは初めてかもしれない。


「セーコ、ずるいわ」


ルキアはこれまた珍しい事に強い口調でセーコを咎めた。

セーコは何かマズイことでもあるのか、ウッとうなりながら少し気圧されたように仰け反った。


「なに言ってるのよ小野さん。これは正当な勝負よ?私はケンの家に上がって、朝食を作ってあげた。これのどこがおかしいの?」


ケンの家に上がって、のとこですかね。

ていうかどうやって入ってきたんだコイツ。窓ガラスに丸い穴開いてたりしないよな?


「いいえ、おかしいわ。だってセーコはケンの幼馴染じゃない」

「だ、だからなんだっていうのよ。そんなのしょうがないでしょう!私だって望んでこいつの幼馴染になったわけじゃないわよ!」


あわあわとテンパりながら大声で反論する幼馴染は、とても哀れに見えました。まる。

ていうかセーコさん、僕のこと好きなんですよね?僕が盛大に勘違いと聞き間違いを繰り返してるわけじゃないですよね? 

 

「そういうことじゃないわ。セーコは幼馴染だから、謙太の好みを知っていてずるいと思うのよ」


セーコはついにウウッ、と呻いて一歩後退した。

あー、そういえばさんまも味噌汁も僕の好みにカスタマイズされたものだったなあ。

偶然かと思っていたけど、そういうことだったのか。

 

「ち、ちがうのよ小野さん!今日はたまたま持って来た材料で作れるものがケンの好みと偶然マッチしちゃっただけで…」

「やっぱり、今日の料理は、謙太の好みに合っていたのね」

「ぐはあ!そ、それは…」


盛大に墓穴を掘る幼馴染の図。てか材料持参してたんかい。

それにしてもこう、理路整然と幼馴染が論破されていく様を見てると……僕悲しいよ。

ルキアはなおもセーコに攻撃を仕掛けようとしたが、その間に僕が時計を見ると……すでに8時を回っているだと!?

 

「ルキア、セーコ、続きはとりあえず学校でやってくれ。今は急いでしたくしろ!」

「えっ!?」

「あ」


 僕がせかすと二人はあわてて身支度を開始した。

 僕も急がないと。

 はあ、しかしこれから毎日こんなになるのかね?勘弁してほしいよ……。

 僕はため息をつくと、さんまを箸で丁寧につまんでいくのだった。


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