00直滑降プロローグ
「うあああああああああああ!」
落ちる!落ちていく僕の身体!
屋上からの自由落下。
心地よい浮遊感を楽しんでいる時間は……今の僕には無い。
いやだって落ちてるし!命綱とか無いし!
死ぬ!マジで死ぬ!
混乱する僕の思考は、しかしこれでも必死に回転していた。
だって僕の腕の中には……女の子の華奢な体が収まっていたのだから。
なんとかして……なんとかして彼女を助けないと!
その時、教室の上の窓が開いているのが目に入った。
――イチかバチかだっ!!
僕はとっさに開いた窓のサッシに手をかけ、思い切り身を反らした。
バリイィィィン―――!!
窓を思いっきり割って教室内に神風特攻……もとい突っ込んだ。
彼女をかばうため、華奢な体を抱きしめる。
机と椅子(と人)を盛大にふっ飛ばしながら、教室の端まで行ったところでやっと壁にぶつかって止まった。
ぐえ、とカエルが潰れたみたいな声が出た。
背中にハンマーで叩かれたような痛みが残る。あれ?それ死なない?ハンマーで叩かれたら死ぬでしょう普通!?
あ、やばい意識が……。
意識が、遠のいて……。
離れていく世界の中で突然、誰かが僕を抱き起した。
いや痛いんだけど。とか思っていたら、そいつは僕を抱きしめたまま思いっきりサバ折りにしやがった!
ぎゃああああああああ!!
薄れゆく意識の中に、先ほどの女の子の顔がフラッシュバックしてきた。
ああ、これが世に言う走馬灯ね……
―――はは、縁起、でも、ね、え…………
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