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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

とある青年(魔王)の独白

作者: 零一

僕は自他共に認める平凡な人間だ。だからその日も何事もなく平凡な一日が普通に終わる筈だったんだ。






時刻は夜11時過ぎ、そろそろ寝ようかとプレイしていたゲームをセーブして電源を切った時だったかな。

ゴゴゴゴゴゴ…と地鳴りが聞こえたかと思ったら、数十年前にきたらしい大震災を彷彿とさせる激しい地震が起こった。


僕はその頃はただの学生だったからね。慌てふためいて家から出たよ。本当に天地がひっくり返ってしまうかと思ったんだ。揺れでロクに立ってられなくて半分這ってたし、キョドってたから靴は左右違いに履いちゃっててたし、洗いすぎでくたびれた黒いスウェット姿だったし…本当あれは黒歴史だよ……。


そんなマヌケな格好の僕だったけど、外に出たら月が二つに割れててそこから何かが大量に猛スピードでこっちにきてた訳で。

本当、アニメやラノベで主人公がかっこいい衣装着て武器持ってキリッと空を見据えているか、可愛らしいヒロインが悲しげに空を仰いで主人公に祈りを捧げている様な場面で僕は左右違いの靴とくたびれたスウェット姿でアホ面晒しててさ…「ホント…僕ってバカ……」って日頃の行いを呪ったよ。


その間も黒い豆粒くらいにしか見えなかった奴らが異形の生き物で、ファンタジーで見る様な姿の奴らだって分かるくらいに迫ってて、「これはヤベェだろ!」ってみんなパニック状態。

地震がきたから外に逃げた人が多かったのか、道にいた沢山の人がそれぞれ思い思いに走り出したりしてさ、僕は突き飛ばされて電柱にぶつかっちゃったりして…。


とにかく頭には絶望しか無かったよ、ホント。頭がちょっと良いのが取り柄の、やっとで環境に対応できてるような種族が単身で大気圏突破してくる様な奴らに勝てる訳が無いって、今でも思うよ。


そんな中さ、数人の人が覚悟をしたような表情をしてたんだ。

そしてそれぞれ訳分かんない身振り手振りや変な事したらさ、その人達もまるでファンタジーに出てくるような見た目に変わったんだよ。こう、パァッと。そう、前僕がやったみたいな感じで。

妖怪みたいなのが多かったなやっぱり。日本だし。


それで空からやってきた奴らに向かって走ってったり飛んでったり、飛べる奴に運んで貰ってるのもいたけど…とにかく立ち向かっていったんだ。


…すごかったよ。現実味が無かった。

僕らは非戦闘員っぽい見た目がファンタジーな人の案内で"人外コミュ日本支部"って落書き並みに汚い字で書いてあるシェルター兼事務所に集められて、そこで事情を説明されたんだ。

その内容を要約すると、"人外コミュ"はあまりにも非科学的な事に無防備な地球を守る為に影で暗躍している組織化したコミュニティで、今回は過去最大規模の作戦になるって感じだったな。

まぁ、今まで一般人に見つからないよう活動してて歴史にも残ってなかったのがイキナリ全世界に露呈する事になるくらいの規模だったからね。そりゃ最大規模ですわ。


それで、その場所に集めた人は全員人外になれる可能性?才能?みたいなのがあって、世界を守るために人としての自分を捨てて力を貸して欲しいって言われたんだ。

勿論全員世界のために自分を差し出したよ。後になって考えてみれば、心を読んだりして敵になる様な要素の持ち主は候補から除外していたんだろうなぁ。あの時たしか非戦闘員としてサトリと天狗のハーフで精神感応(テレパス)のエキスパートと言われてた鳥羽さんがいたし。


それで僕は担当者の1人の神様に理やアカシックレコードと呼ばれるモノを無理矢理見させられて無事、僕は人智を越えて高位の悪魔に覚醒した訳よ。

別に僕が悪い奴だから悪魔になったんじゃないよ?コレばっかりは曾曾祖父が思いっきり悪魔なのが悪いよね。どんな人外になるかは本人の血や才能に依存するらしいから。


一万人くらいいた僕ら"新米人外日本支部組"も頑張ったんだけどね…。仲間はガンガン死んでいくし戦争は世界2つだけでなく4つ、5つと巻き込み泥沼化しちゃうしで、とうとう力のぶつけ合いに世界が耐え切れなくなってさ。戦争が始まってから五年目が過ぎた頃にビックバンが起きて、弾け飛んだんだ。


その時弾け飛んだ世界にいた生物の一千万分の一くらいは奇跡的に綻びまくってた世界の境から他の世界に吹っ飛ばされてこうして満身創痍ながらも生きているって訳。




敵はホントにチート野郎ばっかりで大変だったから、漸くゆっくり出来るんだ。あんなに大変だった異世界大戦があまりにも呆気なく終わっちゃって悲しいけどさ……この世界では思いっきり平和を満喫させてもらうよ。



最後までお読み頂きありがとうございました。



実は数年前に書いていたけど飽きたせいで完結せずにメモに残ってる、長編2作品の繋ぎ的な人物の短編、ってか語りなんですね(汗)

これだけで読める様になってる筈ですけど……さっぱり分からないって方は苦情ください。訂正もしくは補足いたします。


いつか異世界大戦の詳細の話と、ある青年が異世界に飛ばされてある青年(まおう)として過ごす緩い話も上げられたらいいなぁ…。多分年単位で時間が掛かる気がしますけど(白目)

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