第八章 下校中も修羅場ってます
ぐいっ!と手を引っ張られ連れていかれたのは階段の踊り場。そしてここに私を連れてきたのはあの羽利さん。え?と驚いているといきなり早口でまくしたてた。
「そのっ!あなたもその涼のことが好きなんでしょ?だっからその....きょ!強力しましょう!そのおお互いにだよ!?」
あたふたする羽利さんは意外でびっくりした。なぜならもう態度とかなにやらかんやら完全に大人の域に達していたからだ。
「えーと....よろしくお願いしま...す?」
「うーん....よろしく。うん。よろしく」
そして私は巳瑠亜さんのことを思いだした。そういえばさっき巳瑠亜さんとも似たような約束をしたことを思い出す。
「あの....さっき巳瑠亜さんとも同じような約束....したんです。どうせなら3人で協力しません....か?」
羽利さんは一瞬びっくりしたような顔をするとすぐに承諾してくれた。
そしてお互い笑顔で教室へと向かった。
なぜなのか俺は聞きたかった。
教室では男子はどもに強烈に嫉妬されたあげく
さっさと下校しようとすると今度は例の女子3人につかまった。例の3人だ。うん。ここで分からない人は第一章から振り返ることをおすすめしておく。
「涼!一緒に帰ろー!!」
いつから3人揃って呼び捨てになったんだよ!という叫びはぐっと飲み込む。もうすでに男子の視線が痛い。
「いいから。はやく行こうぜ」
うん!と女子3人。きっと素晴らしいシチュエーションなんだろうが疲れるだけだ。もう俺を解放してくれ。
靴箱を出るとそこらへんにいたみんなの視線が刺さる。痛いイタイ。しかしそんなことに気がつかないのかいや、気がついているがあえて無視しているのか分からない3人は俺をどんどん引っ張っていく。
「ねえ?これからどうする??」
唐突に言い出したのは羽利でこの発言には言外にどっか寄ろうぜ!!という雰囲気丸出しである。もうちょっと隠して欲しいものである。
「いいですねー!どこよります?」
ソッコーで反応したのは毬子でこちらも行く気満々である。
そして.....
「いーねー!行こうよお兄ちゃん!!」
と巳瑠亜。3人はどこに行くかきゃっきゃっと話しあっている。少しは俺の意見も尊重してくださああああい!と心の中で叫んでみるがそんなのが3人に聞こえるはずもなく俺はズルズルと3人に某ショッピングモールへと連れていかれた。
もちろん誰にも見られませんようにという祈り付きで。
今回は語り手が変わります
一回目は毬子、2回目は涼です
文がぁ〜G・D・G・D!!