第七章 少女たちは仲間となる
毬子は本の端からそっと斜め後ろを伺った。目に映るのは涼と羽利の姿。羽利が転校生してきてからというものあの二人はいつも一緒である。
「なんか、ズルいな」
私じゃ涼くんに釣り合わないことは分かっていてもやっぱり「好き」というこのキモチは抑えられるはずもなく。こうして嫉妬する日々が続いている。そのままなんとなく視線を前にずらすと同じくその二人を睨んでいる女子が一人。巳瑠亜だ。そして考える。
(まさか...巳瑠亜さんも?)
一度思えば簡単にはその思いは消えない。どうしようどうしようという文字が頭の中で踊っている。
(お互いに.....協力すれば......?)
突発的なの考えだったが行動には移す。読んでいた本に栞をはさみ席をたつ。目指すは巳瑠亜さんの席。
「巳瑠亜さん...」
「なに?えっーと毬子さん」
「ちょっと来て」
私は巳瑠亜さんを引っ張り、屋上へとやってくる。
「なに?どうしたの??」
「ねえ、巳瑠亜さんって涼くんのことが好きでしょう?」
突然のことに驚いたのか目を見開く巳瑠亜さん。私はかまわず続けた。
「実はね私も好きなの....。でも私じゃかないっこない。でもこのまま羽利さんに取られていくのは嫌。だから、一緒に涼くんのことをその.....」
「ガード的なのをしようってこと?」
「そう!」
ふーん、と言い考えている。巳瑠亜さん。そして...
「いいよ。私も黙ってるわけにはいかないってずっと思ってたから」
「ホント?!じゃあよろしくね」
「こちらこそ」
巳瑠亜さんと教室へ戻ると何やら大騒ぎをしている。特に騒いでいるのは男子だが、その中心には涼がいる。えっ?と思ったその刹那私は手を引かれどこかに連れていかれていた。
次こそは明るくしたいっす