占い師
YOH同窓会TIPS
白い部屋は一日中通じて同じ明るさに保たれている。
ただ、各クラスメイトの部屋にはその光が入らない特殊な調整がされている。
2035年1月17日 10:26
白い部屋
□山田 靑井
懐かしい第三小学校の1組の様子。
女子の中で一番明るかったのは、愛聖、陽花里、阿弥のグループ。
阿弥は当時から芸能界入りを目指していていないことが度々あったので、特に愛聖と陽花里は仲が良かったなぁ。
たまたま来る阿弥を二人は拒絶しなかった。
そして、そこでカーストを作る、と言うわけではなかった。
この3人は誰でも困っているクラスメイトがいたら手を差し伸べていた。
だからクラスカースト一軍、っていう表記は絶対に合わない。
例えば、「2人一組になってください。」というときは、絶対にこの中の1人が余っている子と組んであげてたくらいだ。
私も何回かお世話になったいたけど、そこに「やってあげている」というようないやらしい考えがあったようには今になっても思えない。
そんな仲良しこよしのグループの一員、阿弥がログアウトした。
その事実にショックを受けて愛聖は私に寄りかかるようにして気絶してしまった。
普段あまり外に出ていないので、その状態の愛聖がケガをしないように床に横たえるのはなかなか苦難の技だった。
ぜぇぜぇと息を上げながらなんとか作業を終えた。
今は、その状態に毛布を掛けて一息を付いている。
そのお供にはコーヒーとゼリー飲料。
大体いつも私が食べているものだ。
そのコーヒーに含まれるカフェインによって活性化した頭で考える。
どうして、投票者のみんなは誤った選択をしたのだろう。
私もすべてを追えていたわけではなかった。
だけど、ゲーム主催側から与えられた情報である程度は推測ができる。
・AI(人狼)側が全員、阿弥に投票したこと。
・他グループ、この場合は阿弥を人狼ではないと擁護するグループで最後に造反が出たこと。
・百合は阿弥には入れていないということ。
一つ目は、もともと阿弥を怪しいとするグループが10人いたことと、実際に入った得票、21票の差からうかがえる。
やはり、AI側は言葉や仕草ではない意思疎通手段があるのだろうな。
何かはさっぱりわからないけど。
2つ目の方もそうだ。人間の誰かが「阿弥は人狼ではない。」と言っておきながら阿弥に入れたこととなる。
(これは人狼(AI)よりもやっかいなのかも。。。でも誰が?)
そして、3つ目。
視点カメラでも映っていたように百合はアリスが作った動画に気が付いていた。
つまり、私と愛聖で企画実行した相互投げ銭企画の結果を知っていたからだ。
その百合が無言を貫いた、ということが歯がゆい。
だけど、一回冷静になった自分だったら分かる。
百合は頑張りすぎた。
中学・高校になってからも中学こそ違えど毎週のように会っていた仲だから分かる。
もともと意見をガンガンいう子ではない。
それでも、百合は自分が思いつく思想でクラスを導こうとした。
それが仇となり、百合自身がAI(人狼)扱いされてしまった、死んでしまうかもしれないとなったときに自衛に走るのは当然と言えば当然だった。
これから2日目を迎える。
私には私にやることがある。
私には人間と確定しているペアの愛聖がいる。
だけど、百合はどうだろう。
彼女はいつも通り山田トリオの中にいる。うち一人、つまり私はAI(人狼)だ。
そのことを百合はわかった状態だ。
キーを握るのは蒼の方だろう。
彼女がAIなのか人間なのか。
それが早くはっきりすれば百合も楽になる。
だけど、このゲームはそう簡単じゃない。
そこで私は開きっぱなしのProofでもう一つ通知が来ていることに気が付く。
『システム:一日目配信上位者特典「占い権限」』
その文字を見てハッとする。
本当だったら愛聖が起きるまで待って相談した方がいいのだろう。
だけど、私にとって百合を何とかして救いたい、そんな思いが強かった。
だから私は占い権限の文字をタップし、
クラスメイト一覧から
『山田 蒼』を選択する。
占いの結果は、、、
…
『山田 蒼は「人間」である』




