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アイ ドント ラブ AI!!  作者: 花園三京-Chan-
第2章 混乱の始まり

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20歳の集い~寝坊助は眠る~

同窓会TIPS

陽国では自動車の完全無人運転が実用化されている。

運転免許は依然として必要だが、発行可否は事故を起こした際に冷静にいられる能力であるかどうかで判断される。

2035年1月15日 姫野県 8:47


西ノ姫市役所付近


□跡部 りん 視点


「やっぱり人が多いね…」


助手席に座る私は、疲れを隠さずにそうつぶやいてしまう。


「ちょっとりん~?朝から疲れすぎよ~!」


運転席でYOHを操作している凛は前を見ながらそう笑い返す。


とにもかくにも今日は朝から災難過ぎた。


モバイルYOHをうまく使いこなせなかったのだ。


ゆい曰く、

「身体は大人、顔のみ中学生!」

の状態で外を出て歩いていたらしい。

道行く人2,3人はいたよな。あんまり見られていないといいんだけど。

と思ってたら、


「少なくとも高橋さんには見られてたよね」


というゆいのいたずらっぽく笑う声で完全に私はノックアウト。


御年20歳がいう言葉ではないが、


「時代の流れは早い」


そして、あのあと息つく暇もなく、ゆいにメイクをしてもらって着付け屋に行った。


着付け屋さんでは自動着付け機が導入されていて、柄を選んだらほんの数分でパパパっと着付けまで終わってしまった。

省人化の流れ、恐るべし。

でも、やっぱりお店の人は機械なしではキツそうだったから、伝統を守るという意味ではいいのだろう。



「あ、あそこ空いてそう~、うん!あそこに止めて!」


そうモバイルYOHに指示を出すゆいの元気な声を聴きながらついうとうとしてしまう。

今日は朝が早すぎる──しかも朝からチャレンジしたんだ、ここらへんで寝たって誰も文句は言わない...


「起きろー!りん!」


いた...文句を言う人。

右側の運転席から聞こえる。

その声にこたえようとして右目を強くこすろうとして寸前で堪える。

あまり強く触るとせっかくのゆいお手製メイクが崩れてしまう。


そんなことを思いながらぼーっとしていると助手席のドアが「スゥ」という音を立てて開く。

太陽の光がまぶしい。

反射的に左手で直射日光を遮ろうとする。


「起きろおおお!」


今度は左側から先ほどよりも大きな声が聞こえる。

ゆいがいつの間にか運転席を降り、助手席側に回ったようだ。

ゆいがセレクトした金木製きんもくせいの香水の匂いがする。


「わかった。起きる、起きるから…!」


そう言いつつ、開かれたアスファルトに脚をおろす。

履物越しに固い感触があるが、慣れない重心の高さにややふらつく。


「おっとっと」



倒れかけた私の身体をゆいが支える。そして左頬に冷たい感覚。


「ほら、アイスコーヒーでも飲みな」


ゆいは自分の無人自動車の助手席を閉めながら、もう一方の手でコーヒー飲料を差し出してくる。


無言で頷いて受け取ったそれを口に含める。

カフェインの効果──正式には思い込みによって発生する「なんとか効果」──で一気に目が覚める。


視界にピントが合ってきてようやく悟る。今、めっちゃ周りから見られてる。


続く

この小説は配信アプリREALITYにて

前髪ナル さん

ゆうマロっち さん

に応援されています。

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