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アイ ドント ラブ AI!!  作者: 花園三京-Chan-
第1章 まだ平穏

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同窓会の朝─出席番号25番「山口茶兎」②

YOH同窓会TIP

モバイルYOHは、使い込めば使い込むほどそのユーザーに特化する。パフォーマンスがユーザーの精神状態に比例する例も観測されているが、原因は不明。

2035年1月15日 姫野県


八津浜港



「というわけで君は<参加>ということでいいわけだ。」


僕は船の前で、モバイルYOHのメモ機能に目の前ゆーと【五百旗頭いおきべ悠斗ゆうと】に登録とする。


「あいよ!わりぃな!来させちまって!」


ゆーとはそういいながら、一瞬だけこちらに顔を向ける。

筋肉質で今時珍しい日焼けをした顔でニコっと笑う。対照的に白く輝く頗が綺麗だ。


因みに、ゆーとは今、彼自身のモバイルYOHを港のシステムに連結させて自動水揚げの監督を行っている。

その目は真剣そのものだ。

普段周りからマイペースと連想されがちな彼だが、こういう漁師気質だけは年相応ではない真面目さがある。


「元気に漁師をやるのはいいが、やることはちゃんとやってくれよ…」


「おうよ!覚えておくわ!」


なんも悪気もないような顔...ちょいと懲らしめるか。



「そんなこと言ってたら今日の会場にお願いして、料理に<ほうれん草>を入れてもらうよ…?」

そう言い終わる前に、


ピピピピピピピピピ


あたりにシステムの警告音が鳴り響く。驚いてゆーとの方を見たら膝からがっくりと崩れ落ちている。


ゆーとは「ほうれん草」というワードを聴くだけで効果抜群の精神的ダメージを受ける──それくらい嫌いな食べ物なのだ──

しばらく会ってなかったから久々にこの攻撃を食らわせたが、ここ数年で一撃必殺の域まで達したらしい。


とかそんなことをのほほんと思っていると、ゆーとという司令塔を一時的に失った網から一匹の30㎝ほどの魚が漏れ出す。その魚が落ちて行った先には


「おーい!けが人に優しくしろって!置いていk──」


バチっという音。活きのいい青魚がこーしーろー【松井まつい幸司郎こうしろう】の頭を直撃。

滅茶苦茶いい音が鳴った。

こーしろーはこけて痛さで悶絶し、魚はビチビチと跳ねてそのまま海に戻っていった。


ただでさえ、足骨折してるのにとことん不憫だよな、こーしろー。あ、お魚さん、海に戻れてよかったね。


これ以上被害を拡大させるわけにもいかないので、こーしろーに声をかける。



「あ、間違えた。今日、鯛の作りでるんだった」


ウィーーーーーン


あ、自動水揚げ機がうまく作動し始めた。

うん、好きな食べ物も嫌いな食べ物も変わってないな。

いや、ここのシステムってゆーとの精神状態とどんだけ連携してるんだよ。


僕の一言一句でものすごいコントのような状態──一人まだ倒れているけが人がいる──だが、これで全員分の出欠が取れた。


改めて目の前のホログラムに表示された出欠一覧を見る。



跡部あとべ 凛<出席>

五百旗頭いおきべ 悠斗ゆうと<出席>

伊藤 瑞樹みずき<リモート参加>※遅刻の可能性あり

宇都宮 愛聖まりあ<欠席>

越智 歩緒生あおい<出席>

落合 有栖ありす<欠席>

川本 アリス<参加>

木村 陽花里ひかり<欠席>

小林 瑞沙みずさ<欠席>

西園寺 由羽起ゆうき<リモート参加>

佐藤 朝顔あさがお<欠席>

佐藤 阿弥あや<参加>

鈴木 桜雫ろみお<リモート参加>

清家せいけ 和七香わかな<欠席>

関 ゆい<参加>

田中 譲司じょうじ<参加>

橋本 瑞翔みずは<参加>

林 ゆう<参加>

平木 龍如成りゅういち<参加>

兵頭 翔平しょうへい<欠席>

藤原 栞鈴まりん<リモート参加>

松井 幸司郎こうしろう<リモート参加>

松井 所等しょさ<リモート参加>

村上 花菜はな<欠席>

山口 茶兎さと<参加>

山田 あおい<参加>

山田 靑井あおい<リモート参加>

山田 百合りりぃ<参加>

渡辺 京磨けいま<参加>

渡部 るる<欠席>


参加14人:リモート参加7人:欠席9人



リモート参加も多いが、参加率7割とは、結構よいのではないだろうか。

まあ、相も変わらず一発で読めない元児童が列挙されているクラス感は否めないが。

続く

この小説は配信アプリREALITYにて

前髪ナル さん

ゆうマロっち さん

に応援されています。

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