戻ってきた中で。
YOH同窓会TIPS
越智は女子の中で人気は高いが、るるは暴れん坊のイメージが強く慕う人が少ない。
2035年1月17日 18:03
居酒屋
□越智 歩緒生
その幸せな間はすぐに終わることとなった。
クラスメイトから質問がたくさん来たからだ。
「ということは越智は大証から姫野までワープしてきたってことか?」
と言い出したのは幸司郎。
「今更か?俺だってここに来るときに車乗ってたのからここに飛ばされてきたんだ。」
ややあきれ顔で瑞樹が返す。
「昨日一部のクラスメイトの方には申し上げました。ワープ機能はまだ最先端技術でも確立されていません。やはり私たちは電脳世界にいると考えるのが賢明かと。」
ちょっとむかつく淡々とした言い方をするのは落合だ。
いつの間にかエリートコースに乗っていたらしく、国立の研究所で働いているらしい。
「ここまでいろんなことを見せつけられて、俺らが電脳世界にいることを疑ったりはしねーよ。」
その瑞樹の言葉に周りにいたクラスメイト達が頷く。
「みんな私のこと責めてない…?」
「責めるって…?」
涙声で朝顔が返してくる
「私、今日のゲームを抜け出して…みんなは真剣にやってるのに」
「それは心配したんだけど、僕たちにも余裕がなかったんだ。ただ気にはしていたよ」
「ちなみに今日のゲームは何だったの?」
「野球だったよ。」
うへえ、私野球って疎いからわからないんだよね。
一瞬そんな考えもよぎったが、よく考えたら朝顔だって同じ境遇のはずだ。
それでも彼女のことだから真摯に向き合ったんだろう。
やはり申し訳なさが勝ってくる。
「そういえば、渡部はどうしたんだ?」
幸司郎の純粋な疑問にまた私に視線が集まることを意識する。
「大証で私のことを置いていったから…どこにいるかはわからない。
多分東に進んでいったんじゃないかな。」
「なあ、山口。今夜処刑するのは──」
「それだけで渡部くんを処刑するのは間違っているよ、瑞樹。」
瑞樹の言葉を遮るように茶兎くんは言う。
「そうだよ、逆に逃げだいっていうのは最高に人間らしい感情じゃん。」
栞澪の助言も的を射ているけど…
「私が言うのもあれだけど、そうしたら明日からみんな私みたいにゲームに参加しなくなっちゃうよ?
あくまで、渡部がそういう行動したっていうことを言えたうえで今日処刑する人を決めたほうがいいと思う。」
場に重い空気が流れた。
やっぱりみんな逃げ出せるんだったら、逃げ出したいのは同じみたいだ。
「難しいと思うけど、今日の投票は越智とるるも同等に扱っていこう。みんないいかい?」
クラスメイトが頷くのを見て茶兎くんはよし、とつぶやく。
「ところで模擬投票は今日は内容だけどみんなは代替手段の提案はあるかい?」
そう意見を集う茶兎くん。ただ私が一番気になるのは今日のゲームで何が分かったのかだ。
「ねえ、2人とも…今日の野球で何かめぼしい成果は得られたの?」
「そこなんだよね…一部の子たちは誰かわかった、みたいな空気を出してはいるよ。ただ私たちにはさっぱり。」
「そもそもなんで野球が選ばれたのか私たちにはさっぱり…」
私と同じで2人とも野球に関しては疎いからな。
もしかしてちゃんと参加しても変な因縁をつけられて終わってたかも。
そんな逃避のようなことを考えていたら私はちょっとねむくなってきた。




