邪魔者
YOH同窓会TIPS
京磨は先攻チームと後攻チームのベンチを行ったり来たりしてベンチでのクラスメイトの言動も観察している!
2035年1月17日 8回の裏
第三小学校 校庭 ベンチ裏
□伊藤 瑞樹
「やまゆり…?なんでお前がここに?いつからそこにいた?」
「瑞樹と京磨の組み合わせがちょっと斬新だったもんで、つい。最初から聞かせてもらってたよ。話の内容も興味深かったしね。」
「すまん、百合が身長低いのも相まって俺も気が付かなかった。」
渡辺が謝る。
俺の身長は同年代に比べてそんなに大きくないが、やまゆりはおそらく150前後だろう。
25㎝くらい離れてると思うから陰になっていたのだろうか。
確かに校庭側を向いていたのは渡辺のほうで、俺はそれに背後を向けていた。
「…まあいいよ。ところでさっきの言葉はどういう意味だ?」
『6人は確定』やまゆりは確かにそういっていた。
やまゆりにも野球の試合で見分ける方法が分かったというのだろうか。
「実は昨日、配信者側で動きがあったんだ。」
そこからやまゆりはことの様子を教えてくれた。
昨日、配信者側で相互投げ銭行為があったこと。
それがなぜ自分を人間だと証明するに値するか
そして誰がその企画に参加したのか。
俺と渡辺は2人で聞いていたが、驚くべき内容だった。
「ちょっと待ってくれ。その動画ってのはどこにアップロードされているんだ?」
「Proofに。川本さんがアップしてる。」
それを聞くや否や渡辺は端末を操作する。
すぐに該当の動画を見つけたらしく、唖然としている。
正直俺もそれはびっくりする内容だった。
まさかそんな動画をアップするなんて。
「気が付かないのも無理はない。昨日この動画がアップロードされたのは本番の投票の直前だった。そして、投票が終わった後も色々あった。
…Proofを見たくないと思うのは当然の結果だと思う。」
それに加えて俺たちは昨日やまゆりの発案で配信者の様子を見に行ったが、何の成果も得られなかった。
クラスメイトのほとんどが「Proofを見たってしょうがない。」と結論を下すのはごく自然のことだった。
「それにしても…渡辺の勘ってやつはすごい当たるんだな。」
今やまゆりがあげた、宇都宮・川本・関・村上・山口・やまあお(一文字)はすべて渡辺が怪しいといった人物だ。プラスして2人。
「勘っていうか野球ロジック的にに考えておかしいんだ。あと2人の──」
「みんなに隠れて何の話をしているの?」
話が盛り上がってきたところ、俺たちはもう1人の来訪者に気が付くことが出来なかった。
村上だ。AIだと俺たちが疑っている。
「幸司郎くんがツーベースでチャンスだよ。一緒に応援しようよ。」
どこまで効果があるのかはわからないが、少なくとも敵対している奴を相手にこのまま話を進めるのはマズい。
「そ、そうだな。幸司郎のやつもや、やるなぁ。」
俺たちはなんとか話をそらしながらベンチ裏から出ていく。
少なくとも俺たちはAI側に目をつけられた。
あとはどのようにして人間の味方を増やしていくかだ。
じゃないと何かしらの方法で俺たちって消されるんじゃあないか?




