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アイ ドント ラブ AI!!  作者: 花園三京-Chan-
保証なき混沌の2日目

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人知を超えた友情

YOH同窓会TIPS


靑井あおいは「明日モ 笑顔」として生きているときには泣くことは一切ない。

涙を見せるのは心を許した人たちの前だけだ。

2035年1月17日 ???


白い部屋


□山田 靑井あおい


これは夢なんだろうな、っていうシーン。

小説やアニメだったらよくあるよね。

自分には無いなって思ってたんだけど、今は夢を見ているんだろうなって思う。


ん~まあ確かに変なデスゲームに巻き込まれてはいるんだけど、こっちはもっといい夢だ。


私は私の姿で体育座りをしている。

私の前には画面。周りには黒い空間に金色のオーロラがある不思議な光景。

そこには私のアバター『明日モ 笑顔』がいる。


だけど、私とは動きが別々。

誰かが代わりに動かしているというよりかはアバター自体に意思があるようだ。


「あおちゃん!」


ふと私のことを呼ぶ声が聞こえる。

私のことは『あおちゃん』呼びするのは、一人しかいない。


「いーちゃん!どこ?」


もうひとりのあおい。みんなから一文字のやまあおと言われているほうだ。

2人でいるときによく言いあうあだ名だ。みんなの前では両方とも「あおい」って呼び合うこともあるけど。


「こっちだよ!」


急に右から声が聞こえて私は振り向く。

そこにはいーちゃんがいた。


「いーちゃん!」


私はさっきまで泣いていたはずなのに、気持ちがすっきりしたはずなのに。

そして、おとといまでは普通に会えた関係柄なのにいーちゃんの胸にダイブしてしまう。


「大丈夫?投票者プレイヤーのほうで、変な後ろ指刺されてないよね?」


そんな心配はいらないほど、いーちゃんは頭がいいんだけど、だけどそんなことはどうだってよかった。


「大丈夫。あおちゃんは?泣いてばっかじゃない?」


「さっきまで泣いてたけど。でも、私にもいーちゃん以外に過去を話せる人ができたんだ。」


「そうなんだ」


優しいほほえみを浮かべるいーちゃん。

まるで自分の子の成長を喜ぶお母さんのような表情だ。


「でも、まだ不安がってるでしょ。ネガティブなところは拭えたけど、気持ちがポジティブになってない。違う?」


いーちゃんはいつもこういう時に痛いところをついてくる。


「そうだね、、、このままだったら愛聖ありすがゆいに倒されちゃうかも、、、そしたら!」


よく考えればいーちゃんは私たち配信者ライフセーバー側の事情など微塵も知らないはず。

だけど、なんか伝わっている気がした。


「わかるよ。過去を清算したとしても未来に対して何か行動をしないといけない。でも、ネガティブなところが終わったんだから何にもしなくてもいいやって。そうなるって」


私はいーちゃんの顔をじっと見る。

その顔は真剣なものになっている。


「あおちゃんはね?昔からそうだった。だけど、状況が状況。自分を変えてみてもいいかもしれない。」


私の人生。耐えるばっかの日々だった。

誰かからのいじめ。罵詈雑言、時々暴力。

VTuberとしてデビューしてもアンチからのコメントって結構刺さったりとかして。


何か新しいことをしないと根本的なものは何も変わらないということに気づいていたけど見て見ぬふりをしていた。

そうやって逃げることを習慣化していた。

だって、そうしていないと壊れてしまいそうで。


「いーちゃん。私、どうすればいいの?」


「それを自分で考えてみるってのはどうかな?」


いーちゃんは、優しく言う。だから見捨てられたわけじゃないってことだけはよくわかる。


「だけど、私──」


「言ったでしょ。状況が状況だって。」


頭ではわかるけど心ではわからない。理解しようとしてない。


「いい?あおちゃん。もしあなたがここで変わることが出来たらズルをするゆいに勝つことが出来る。そして、愛聖ありすだって救える。」


「でも、それってどうしたら──」


そう問いかけようとしたとき、いーちゃんが私の横を見ていることが分かった。

そこには同じく微笑んでいる『明日モ 笑顔』。


「あおちゃんはあおちゃんらしい道を進めばいい。私も私の道を行くから。そうすれば、人はみんなあおちゃんが人間だって信じてくれるよ。」


そのとき、黒い世界が崩れるということを第六感で察した。


「待って、置いていかないで、どうしたらいいの、いーちゃん。」


「あおちゃん。」


そこにはいつもの笑顔のいーちゃん。


「生きて、また会おうね。」


その言葉を聞いた瞬間、私は白い部屋で目を覚ました。

この小説は、葉月 みそのさんに応援されています

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