表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アイ ドント ラブ AI!!  作者: 花園三京-Chan-
人狼ゲーム(2日目)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

112/145

代打

YOH同窓会TIPS


所等しょさは野球経験者というわけではない。小学校の時に放課後で遊んでいた程度である。

センターの作法はプロ野球を見て知っている。

2035年1月17日 5回の表 2-2


第三小学校 校庭


□山田 あおい


『守備を交代。レフト 山田 百合りりぃに代えて川本』


「か、かいほうだぁ」


力なく安堵に包まれた声が背後から聞こえてくる。


「よかったね、百合りりぃ


百合りりぃのほうを見た瞬間に彼女は気絶していた。

そこまで限界まで追い込まれていたのか。

センターの所等しょさにバックアップしてもらってたから百合りりぃはほとんど動いていなかったはずだけど。。。


普段、実際に身体を動かしていない上に、初めてのスポーツだったから気を張っていた、ってのもあるんだろうな。

といっても、まだお互いに20歳のはずなんだけど。


「2文字のやまあお、スタミナは大丈夫か?」


マウンドに向かおうとした私にそう話しかけてきたのはキャッチャーの幸司郎こうしろう


「大丈夫。そっちこそ足しびれたとかいうんじゃないよね?」


「…ギリギリ大丈夫だ。」


それを聞いてそのまま去ろうとしたら、、、


「なあ」


私はまだベンチにいる彼を振り向く。


「無理…すんなよ。」


私はにこっと笑ってそのままマウンドへ向かう。


(無理…か)


正直飛ばしすぎているところはあるな、、、と考えている。

体感では女子野球部に助っ人行ったときよりも疲れてるかもしれない。

…あの時は弾切れになったピッチャーのところに野手登板の形で投げただけなんだけどな。


私は投球練習をしながらレフトのほうを振り返る。

百合りりぃに代わって入った川本さんの様子を見るためだ。


(まあ、こっちもこっちで運動音痴だよね)


知ってた。小学校の時から運動はあまり得意じゃなかったはずだ。

腕をしならせるようにするんじゃなくて、砲丸投げのように押し出すピッチングスタイルは初心者特有のもの。

そこには人間らしさが詰まってる。


川本さんも人間なのかな。

あまり、仲がいいわけじゃないから彼女らしさというのがわからないけれど。


止めよう。また雑念で打たれたら困る。


『先攻チーム。バッター西園寺に代わりまして、山田 青井あおい。バッターは山田 青井あおい


…。

先攻チームも勝負を仕掛けてきた。

そして代打は私がAI(人狼)だって確信している靑井あおい

内気な運動音痴の女の子を演じたって私の目はごまかせない。


最新のAIは感情を理解できるものだと聞く。

だから、人と同じような経験を積むことが可能なのだという。


だけど──

だけど、靑井あおいの苦労はAIには絶対に経験できないものだから。


「絶対に抑える。」


ねえ、靑井あおい

今見てる?それとも配信中かな。

今からあなたのAIをねじ伏せて見せるよ。



□山田 靑井あおい


関さんの一件が片付いた私は投票者プレイヤーの様子が気になってProofを通じてもう一度カメラをオンにする。

そこにはピッチャーとしてまだ投げているあおいの姿があった。


バッターは


「私──」


何度見ても自分の人格をコピーされているのは慣れない。

これは投票者プレイヤーのみんなが私たち配信者ライフセーバーを見るときも一緒だと思うけど。


あおいは何度か首を振っている。

こういうのなんだっけ。えーと。


「彼女にはよっぽど投げたい球があるみたいだね。」


──!?


気が付いたら愛聖まりあがそこにいた。


「…どういうこと?」


野球をあまりわかっていない私。

ここは野球が生まれた国で普段生活している愛聖まりあのほうが詳しいはずだ。


「今は、試合の短縮が求められているからあまりない光景なのだけど、今彼女とキャッチャーはサイン交換をしているの。」


「サイン交換?」


「野球には途中で起動が変わる変化球がある。それをキャッチャーは反射神経で捕っているわけじゃない。あらかじめ、どの球が来るかわかっているから捕ることができるの。

基本的にはキャッチャーから、『この球を投げよう』ってハンドサインを送る。

それにピッチャーが納得いくのであれば頷く。拒否すると首を横に振る。」


「拒否された場合は?」


「ピッチャーが納得いくまでこのやり取りが行われる。」


そのなかあおいが頷いて投げるフォームに入った。

そのボールはバッター当たるかと思った。

実際、私──のAIは避けようと、したが手元で大きく曲がりストライクとなった。


「なるほどね。」


どういう意味か分からない私は愛聖まりあのほうを向く。


「彼女、あなたのこと、ちゃんとわかってるみたい。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ