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アイ ドント ラブ AI!!  作者: 花園三京-Chan-
人狼ゲーム(2日目)

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3塁コーチャー、瑞樹

YOH同窓会TIPS


先攻チームの指名打者、林も3塁コーチャーに回っている。

ここに人工音声による指定はない。

2035年1月17日 2回の裏ツーアウト


第三小学校 校庭


□伊藤 瑞樹みずき


(川本とゲーマーの山田…何事もなければいいんだが。。)


なぜか指名打者でスタメン入りを果たした俺は、3塁コーチャーを買って出た。

そうすると嫌でも一塁ベンチの様子をうかがえる。

今、多くのチームメイトは立って柵に寄りかかっているが、その隙間で上記の2人がちょっと嫌な雰囲気で会話しているのがうかがえた。


これは持論だが、入国審査官として求められる能力の一環として、洞察力があげられる。

今起きている現象から未来の物事を予測する。


わかりやすく言えば、入国ビザを入国希望者に要求した時。

もし仮に本物のように見える電子ビザを表示されたとしても、明らかに目が泳いでいるようであればその人はグレーだ。

ここで本人がマッチョであれば暴れる可能性がある。

だから鎮圧用にヒューマノイドロボットを本人の目がつかないところで起動させておく。


といった感じだ。


昨日、川本はゲーマーの山田がAI(人狼)派閥にいた。

それは今日も変わっていないと考えると、あそこでバトルが始まったって仕方ない。


…まあお互いにそんなに意見をバンバン行ったり争いごとを好む正確ではないだろうから何とかなるだろう。


そう思っていたら、鋭いゴロの打球がこちらに飛んでくるのに気付くのが遅れた。


(ぶつかるっ!)


そう思った矢先、足に何かがあたり体勢を崩される。


「イテテ…」


受け身を取る暇もなく地面に身体を強打した俺は、少しの間悶える。

身体の中でボールに当たった訳ではないことを確認する。

うん、当たってない。


「ごめん!大丈夫?」


そう声をかけてきたのは先攻チーム三塁手の藤原だ。

どうやら、ゴロをキャッチしようとダイビングを試みたらしい。

すでに立ち上がっている藤原が差し出した手を掴み起き上がる。


「ありがとう…」


「ほら!ボーっとしてるから!運動やったことないんだっけ?」


「ああ…ないんだ。」


「集中してないとまた飛んでくるよ~」


そう言いつつ、藤原は守備の構えを再びとる。

俺はキャッチャー上にいつの間にか設置されていた──昨日、というか今まで第三小学校になかった電光掲示板でカウントを確認する。


「ノーボールツーストライクね…」


バッターは山口だ。左バッターボックスに入っている。


特段15秒ルールとかが適用されているわけではないが、両チームテンポよく投げている。

打つクラスメイトは打つし、打たないクラスメイトは打たない。

基本的に小学校から同じ中学校に行ったなので誰がどれくらいの運動能力なのかってのは全員がわかっている。


例えば、今接触があった藤原。

俺と同じく一中に進学して、女子バレーボール部に所属。

高校でも同じくバレーボールを続けていると聞いた。

こんな感じだ。


さっきの一文字やまあおは、まあ。二中に進学してたしな。

まさかあそこまで運動神経が良いとは思わなかったぞ。

あれで中高帰宅部ってマジかよ。

帰宅部のエースってやつじゃん。


プレイに半分集中しながら、頭の中で考えてみる。

この試合中、俺にできることは何か。

俺に与えられた使命とは何か。


何も考えずに三塁コーチャーは引き受けたが、この場でできること。

そうだ、今俺は誰とも話さないでいることができる。


そして、守備に就かないからチームメイトの動きを見て違和感があるかどうかを見極めることも可能だろう。


だが、この空間で野球をプレイしていて物理法則がねじ曲がったような現象は発見されなかった。

昔流行ったような、え、人間だったらそんな動きしなくない!?というような動きをしているクラスメイトはいない。


──だから、観察するのは各々のプレイではない。

各々のコミュニケーションとかそれに対するちょっとした違和感に対して疑問を追求していくしかないんだ。

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