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Jet Black Witches  作者: AZO
3−0.飛翔編 − プロローグ
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隕石落下

 ガガガガガガガガッ、バリバリバリ……ドッゴォーーン……バリバリバリバリバリバリ……


 ここはアフリカ南部のS国。とある夜の草木も眠る深夜帯から早朝未明にかけての出来事。ちょうど流星群が観測される星降る夜でもあったが、夜空を彩る流れ星の光の帯に紛れて、それとは別の隕石が落下し、地面に撃突する。

 滅多に起こることがない稀少な事象でもある隕石落下だが、その尋常ならざる速度から、空気を切り裂く衝撃波を生み出しながらも、音速の数十倍もの速さゆえに衝突の瞬間まで無音だ。しかしこのときの隕石は、地表に撃突する直前に何かぶつかり擦れるような連続する衝突音が観測される。その一瞬ののち、人里離れた岩山を抉るように撃突し、辺りを揺るがすほどの想像を超える衝突音が響き渡る。

 またそれから僅かな間を置いて、今度は衝撃波がバリバリバリと夜空を切り裂き、衝突地点近隣の木々が薙ぎ倒される。


 翌朝の地域の放送局のニュースでは、こぞって隕石落下が報じられるが、落下した岩山は幾分抉れたものの、人的被害はなく落下地点の損壊もそれほど大きくなかったことを幸いとする内容だった。

 しかし、宇宙に纏わる関連筋の学者たちの中ではさまざまな議論が激しく交わされ暫くの間、その談義が続いたのだとか。というのは、隕石の大きさから推測される被害規模があまりにも小さかったこと、また衝突の直前のタイミングで擦れるような謎の衝突音が観測されたことなどだ。

 今回の規模の隕石サイズならば、付近のいくつもの街が消滅するほどのものだったことや、直前の衝撃音が何かに接触したことにより威力が減衰したのなら辻褄も合うが、他への接触形跡が見つからないことなどから、深い謎に包まれているとのこと。

 また落下地点付近はその熱量にも拘わらず焼き尽くされることはなかった。そのお陰で衝撃波の鋭利な(やいば)が中心に近いほどにその進入面に沿って木々を切断している貴重な痕跡が残っているとのことだ。

 隕石そのものは損壊を免れたのか、ほぼそのままの形状で残されており、高濃度の残留放射能と、地球外物質が多く含まれる可能性が高いことから、世界中から学者たちが集結し、興奮気味に議論が交わされ解析に(いとま)無いとのこと。しばらくはこの隕石フィーバーが続くのだろう。


 そうそう。かなり遠方からとなるが、地表衝突直前の数少ない稀少な目撃情報のなかには、眩くひた放つ光を遮る小さな黒点があったとのこと。見方によっては人のようにも兎のようにも見えるそのシルエットは、隕石表面から剥がれた欠片と知識人の間では考えられているが、結果ほとんど被害が無かったことからも、観測筋が伝える直前の摩擦音と重ねて、月からの使者が地球を傷付けないように護ってくれたのだと、メルヘンチックな語りを発信する掲示板がパソコン通信の一部界隈を賑わせたのだとか。


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