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不運
「君はこれから不良に絡まれる。
だけど刃向かわない方がいい。
不良はよくない連中との繋がりが多い。」
そう言われて僕は軽くパニックだ。
突然、ほんとうに突然に「その男」は現れた。
僕の華やかな中学校入学式。
それが目覚まし時計が仕事を怠けたせいで、僕は桜に見とれる事もしないで通学路を急いでいた。
あまりに急いだせいで、角で男とぶつかってしまったのだ。
そしてその男が突然わけのわからない事を言い出した、とゆーわけだ。
深く被ったハットに、暗いサングラス。
だけどきれいな鼻筋と薄い唇、長い足に高級なスーツが彼の印象をかっこよくしていた。
「あ…。え?…すみません」
かまってる時間はない。
僕は軽く流して走った。
去り際に彼の口元がニヒルに微笑んだ。
なんだか気味がわるいな。今日はきっとおうし座は最下位か。
ドンッッッ
やっぱり最下位に違いない。
ろくでもなさそうなのにぶつかってしまった。