性格極悪美少女探偵と狙撃事件
表計算の一覧に書かれていた人物の意味は解らなかったが最後の列に書かれた日付の意味は直ぐに分かった。
その人物が亡くなった日だ。
一覧の中にあった黒崎悠里は綺羅と悠の母親で彼女が亡くなった日が書かれていたからである。
ただ一覧の中の人物たちの関連性は綺羅にも分からなかったのである。
パーフェクトクライムの資料集
パーフェクトクライムの資料集という連続ドラマは月曜日の夕方のサスペンスものでもかなりの人気のあるドラマであった。
特に美形天才科学者の西條礼が謎を解くときの少し俯き加減に指先を唇にあてるシーンが色っぽいという評判であった。
綺羅は帰宅して兄の皐月悠とその親友の飯島功一と共にパーフェクトクライムの資料集を見ながら
「…推理よりも指先を当てるところが人気というのは悲しいものだな」
と評した。
悠は困ったように笑い
「お父さんの前で言っちゃだめだからな」
と注意した。
綺羅は「当り前だ」と短く返した。
功一は腕を組みながら
「こうやって見ていると俺も西條礼くらいの名探偵にはなれそうな気はするんだが」
稀に綺羅に負けている気もする
とぼやいた。
綺羅はそれに
「おいおい、稀にかよ」
だからお前は迷なんだよ
と心で突っ込んだ。
悠はあっさり
「そうだな」
綺羅は鋭いし可愛いし優しい子だから
「鮎原さんみたいな人は少し注意しないといけないなと思ってる」
と告げた。
「良い人なんだけど…綺羅とは年齢がな」
綺羅は意外と固定観念を持っている悠を一瞥したものの
「まあ、あいつも厚村も胡散臭いから構わないか」
と心で呟いた。
悠はハッとすると
「そう言えば、」
お父さんが今度パーフェクトクライムの資料集の公開撮影を見に来て欲しいっていっているんだけど
「功一もくるか?」
と笑顔で告げた。
功一は「おおお!」と声を上げると
「もちろん!」
他の奴らも呼んで良いか?
「探偵グループは解散したけどパーフェクトクライムの資料集はみんな見てるし」
と告げた。
悠は笑顔で
「いいよ」
と答え
「みんな探偵志願なのは変わらないんだな」
と告げた。
綺羅は横で聞きながら
「この先、迷ばかりが増えることになるか」
探偵業界も末期だな
「気の毒に」
と心で突っ込んだ。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




