極悪少女とビスクドール ~一回きりだぞ約束は!~
功一は綺羅を見ると笑顔で
「この前から綺羅は中々鋭いと思っていたけど生意気なだけじゃなくて鋭い眼力もあったんだな」
と褒めた。
…。
…。
綺羅は功一を見ると
「功一…お前に言われると褒められた気がしないな」
と目を細めて告げた。
悠は心で
「生意気という言葉が一言多いんだよな」
と呟いた。
功一は驚きながら
「何故だー!」
と叫び
「綺羅は素直じゃないからな」
とぼやいた。
己の一言多いことに気付いていない功一であった。
ただ、その場にいた厚村も鮎川も全員気付いてはいたのである。
厚村は三人を自宅へと送り届け弁護士事務所に戻ると門崎里子を警察へと連行し指紋の件を追求した。
彼女は弁護士費用の一部を横領し、それを川瀬ひかりに注意を受けていたのである。
谷あやめに言われると首になり弁護士としての資格も剥奪されてると恐れての犯行だったと自供したのである。
鮎原は事件が解決した後に厚村に
「それで、あの暗号のことはまゆずみ勲元刑事局長に知らせるのですか?」
まゆずみ聡刑事局長の父親ですよね
「刑事局長にも知らせた方が良いのでは」
と聞いた。
厚村は鮎原を見ると
「…お前は刑事局長の秘蔵っ子だったな」
と告げた。
鮎原は頷いて
「ええ、刑事局長が俺を取り上げてくれたので」
尊敬もしていますし
「局長を支えていたという黒崎玲という人に憧れているので何時かあの話の人物のようになれればと思っていますけどね」
綺羅ちゃんには敵いませんけど
とハハッと笑って答えた。
厚村は微笑むと
「そうか」
と言い
「先の件は俺から刑事局長に知らせる」
お前は刑事局長の名誉にかかわる話だから事が分かるまで知らぬふりをしておいてくれ
と告げた。
「それがお前と刑事局長を守ることになる」
いやこの日本を守ることになる
鮎原は目を見開きいつもと違う様子の厚村を見つめた。
厚村は「いいな」と言うと
「今日はラーメンでも食べに行くか」
と歩き出した。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




