極悪少女とビスクドール ~一回きりだぞ約束は!~
厚村は蒼褪めながら
「あ、ああ」
助かった
と答えた。
鮎原はそんな厚村を横目で見つつ
「まゆずみいさおと言えば、まゆずみ聡刑事局長の父親であり前警察庁刑事局長のまゆずみ勲じゃないのか?」
それに天球儀ってなんだ?
と心で呟いた。
綺羅は興味がないといった具合にそれを二人に渡し室内をゆっくりと歩きながら見て回り、机の横のゴミ箱の前で足を止めた。
「…これは遺体発見時のままか?」
厚村はハッとすると
「ああ、そうだ」
と答えた。
綺羅は厚村を見ると
「なるほど」
これくらいなら警察でも犯人の目星がつくということか
「自業自得だが犯人も運の悪い奴だ」
と呟いた。
功一は綺羅の隣に立ってゴミ箱を見ると
「甘辛手羽先の骨とウェイトティッシュが数枚…」
というと
「手先を食べている最中に後ろから殴打されその甘辛たれが服についた人がいた!」
と指をさして告げた。
綺羅は冷静に功一を見ると
「さすがは迷探偵だ」
と言い
「惜しいが…それだと永久に謎は謎のままだな」
と突っ込んだ。
功一はむっと腕を組んで
「じゃあ、綺羅はどうなんだ?」
と聞いた。
「名探偵の俺が聞いてやろう」
綺羅は肩を竦めて
「いや、別に聞かなくて構わない」
どうせ警察が犯人を追及する
と答えた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




